長崎編:今は仕事よりも時間が大切――南の島でフリーランスエンジニアとして働く「りょうさん」のお話ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(62)(2/4 ページ)

» 2019年05月30日 05時00分 公開
[志田山修平@IT]

36万円×10年間――移住者対象の奨学金返還支援制度

五島市地域振興部 地域協働課 移住定住促進係長 松野尾祐二さん(右)と筆者

志田山 早速ですが、五島の人口推移を教えてください。

松野尾さん 五島市の人口は、毎年、600〜700人くらいずつ減っています。ただし、今UIターン者の転入が増えていて、少しずつ減少に歯止めがかかっています。

志田山 UIターン者は、なぜ増えているのですか?

松野尾さん 私たちは、五島市に移住しやすいようにさまざまな公的支援を行っています。五島市はお年寄りが多く15〜40歳の年齢層が少ないので、その少ない世代が移住しやすいように政策に取り組んでいます。

五島市の移住支援

1 移住希望者定住支援補助金

内容:旅費6万円補助

対象:40歳未満

※対象経費の3分の2

2 子育て世帯など移住促進補助金

内容:引っ越し費用15万円補助

対象:子育て世帯か、40歳未満の夫婦

3 奨学金返還支援助成金

内容:「年間36万円」×「10年間」補助

対象:35歳未満

※Iターンは24万円

4 短期滞在住宅

内容:3カ月無料でお試し移住

※一部地域は最大6カ月

5 空き家活用促進事業補助金

内容:上限100万円

※空き家バンク登録物件

6 雇用機会拡充支援事業補助金

内容:事業費の4分の3を助成

※国境離島新法活用

志田山 一番の目玉となる取り組みは何ですか?

松野尾さん 目玉といいますか、額が大きいのは「奨学金返還支援助成金」ですね。Uターン者は年間36万円を10年間、Iターン者は年間24万円を10年間、支援を受けられます。

 ご家族で移住される場合は、「子育て世帯など移住促進補助金」を使われる方もいます。対象は高校3年生以下のお子様を扶養されている子育て世代、もしくはお子様がいらっしゃらない40歳未満の夫婦です。最大15万円の補助を受けられます。

 これらの制度は2〜3年前からにスタートしたのですが、毎年利用者が増えています。

志田山 幾つかは僕も知っていましたが、こんなに多くの支援制度があったとは全然知りませんでした。これらの制度を多くの人に知っていただければ、もっと多くの人が五島へ移住しやすくなりそうですね。

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