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» 2019年06月13日 05時00分 公開

気になるニュース&ネット記事:Deep Learningコミュニティー「DLLAB」の次回大規模イベント情報と、今後の方針・施策 〜2周年イベントより〜

DLLABの2周年イベントで発表された「DLLABの活動の現状と今後」について説明。「次回の大規模イベント開催」の速報や、今後の施策として計画されている「機械学習+IoTのコンテスト企画」と「企業のための実験室としてのDLLAB活用」について概説する。

[一色政彦,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

 2019年6月8日、日本マイクロソフトが主催する「DLLAB 2周年イベント: ディープラーニングの社会実装を阻むものは何か?」が開催された(DLLABについては後述)。来場者は400〜480人で土曜日開催の有料イベントにもかかわらず大盛況だった(会場はNTTコミュニケーションズの大手町プレイス、図1、図2)。

図1 DLLAB2周年イベントの展示会場 図1 DLLAB2周年イベントの展示会場

図2 DLLAB2周年イベントのセッション会場(開始前) 図2 DLLAB2周年イベントのセッション会場(開始前)

DLLAB(DEEP LEARNING LAB)とは?

 DLLABとは、「DEEP LEARNING LAB」の略称で、日本マイクロソフトとPreferred Networksが2017年5月23日に共同で立ち上げたディープラーニングに関するコミュニティーである(図3)。

図3 「ディープラーニングの実社会での活用」を推進するDLLABが持つ3つの機能 図3 「ディープラーニングの実社会での活用」を推進するDLLABが持つ3つの機能

 多数のコミッティ企業とアカデミー企業が協力するだけでなく、イベント管理サイト「connpass」におけるグループ参加メンバーは5800人以上に増えており、ディープラーニングのビジネス情報や技術情報を扱うコミュニティーとしては国内最大級の規模となっている(図4)。DLLABについてより詳しくは、公式サイトconnpassページを参照してほしい。

図4 DLLABによるイベント開催実績や、コミッティ企業とアカデミー企業との活動内容 図4 DLLABによるイベント開催実績や、コミッティ企業とアカデミー企業との活動内容

DLLAB 2周年記念イベント

 そのDLLABの設立から2年目の節目として企画されたのが、今回のイベントだ。「ディープラーニングの社会実装を阻むものは何か?」というタイトルからも分かるように、ディープラーニングを理解する時代は終わり、実用化を進める上での課題がテーマになっている。セッション数は14もあった。特に面白かったセッションは、時間が許す限りは記事化したいと考えている。既に別のメディアで記事も出ているセッションもあるので、気になる方は併せて参照してみてほしい。

 通常セッションに加えて、5つのワークショップが併設された。特にAI自律走行ロボットカー「JetBot」のワークショップは、世界初のハンズオン、かつJetBot製作用の全パーツがそろったキット込みが約3万5000円で提供されることで人気を集め、30人の申し込み枠もあっという間に埋まってしまった。ちなみに筆者自身もJetBotを既に製作&検証済み(リンク先:YouTubeのデモ動画)で、その内容を記事化したいと考えているが、

  • JetBot製作チュートリアル(英語)が示すパーツを集めるのが、(日本では手に入らない、海外でも売り切れているなどの理由で)非常に困難なこと
  • 車体を除く、必要なパーツを頑張って集めても3万円以上は掛かって、それなりに高額になってしまうこと
  • JetBotの車体は、3Dプリンターでプリントする必要があるが、どの3Dプリンターでもうまくプリントできるわけではなく、非常に難易度も高く時間がかかること(筆者の場合はidbox!という自分で組み立てた3Dプリンターを使ったが、途中で失敗しないようゆっくりとプリントしたので24時間ぐらいかかった)
  • 自分でプリントする代わりに、3Dプリントサービスでプリントしてもらうと4〜5万円はかかること(3Dプリンターの利用料だけでなく、手間がかかる作業なので人件費を考えるとやむを得ないかと……)
  • そもそもAIエッジデバイス「Jetson Nano」が品薄で入手しづらいこと

などの理由で、執筆のタイミングを検討しているところだ。しかし今回のワークショップで使ったJetBot開発キットが一般提供されるようになれば、記事化しやすくなると考えている。今回のJetBotワークショップで世界初のキットを提供するなど、JetBotキット化を推し進めているGClueの佐々木陽氏に立ち話で質問したところ、6月末〜7月上旬くらいには何とかキットを一般提供したい、というコメントが聞けた(あくまで希望的な目安としてほしい)。

 少し脱線したが、JetBotを含めてさまざまなディープラーニングの技術と実用化課題がセッションとワークショップで披露され、まさに「ディープラーニングのお祭り」という感じのイベントだった。

図5 DLLABにおいてキックオフ/1周年/2周年という節目のイベント 図5 DLLABにおいてキックオフ/1周年/2周年という節目のイベント

今後のDLLAB活動方針

 イベントの最後に、DLLAB事務局の廣野淳平氏が登壇し、今後のDLLAB活動方針について説明した。

図6 DLLABの活動について説明する廣野氏 図6 DLLABの活動について説明する廣野氏

次回大規模イベント開催

 その中で筆者が一番興奮したのが、次回の大規模イベント開催だ(図7)。約3カ月後の9〜10月開催で既に最終調整中。カンファレンス日とワークショップ日の2日間の構成で、その人数も1000人規模(今回の2倍以上)になる。

図7 次回大規模イベントの発表 図7 次回大規模イベントの発表

 次回の大規模イベントの参加対象はプロジェクトマネジャーエンジニア向けと広くなる。最先端のディープラーニングを専門的に扱うスタートアップ企業の機械学習エンジニアやデータサイエンティストだけでなく、経団連に名を連ねるような日本を代表する大企業に所属するプロジェクトマネジャーやエンジニアの参加を促すことが目的だ。なぜなら、ディープラーニングに必要なデータはむしろ、そういった大企業にこそあり、大企業の人間とスタートアップ企業の人間をイベント会場で引き合わせることで、日本社会におけるディープラーニングの実装・実用化はさらに加速できると期待しているからだ。

 筆者から見てDLLABのイベントは実用的で有用な内容が多いと感じており、確かに大企業のプロジェクトマネジャーやエンジニアにもお勧めのイベントだ。「必ず参加したい」という人は、1000人枠でもすぐに埋まってしまう可能性があるので、ぜひDLLABのconnpassページにメンバー登録して通知をウォッチしてみてほしい(ここまで言うと、引き受けて宣伝しているっぽいが、そうではない。念のため)。

機械学習+IoTのコンテスト企画

 その他、機械学習(ML)とIoTを組み合わせたコンテスト企画を推進する予定とのこと(図8)。右側の画像は正式発表ではないのでぼやかされているようだが、この色合いで(過去に参加したことがある人なら)何のイベントかは分かるだろう(ちなみに最近、このイベントに関するニュースがあったが、それによると今年も予定どおり開催される見込みだ)。

図8 機械学習+IoTのコンテスト企画 図8 機械学習+IoTのコンテスト企画

 筆者自身も、JetBotAWS DeepRacerDonkey Car といった、最近のAIロボットカーの盛り上がりに注目しており、コンテスト開催時には時間が許せば個人の趣味としてチャレンジしてみたい。

企業のための実験室としてのDLLAB活用

 続いて、DEEP LEARNING LABの名前から、DLLABを企業のための実験室(Lab:ラボ)として活用してもらう方針・施策を明らかにした。筆者が認識している範囲では、これまでも「分科会」という形で、ユーザー企業が課題とデータを提供して、パートナー企業が技術的な解決にチャレンジする、という取り組みが行われてきた(例えば「DLLAB 製造・流通分科会アップデート 聴講ノート - いっしきまさひこBLOG」)。今回の施策は、こういった分科会の活動をより広くオープンにした活動と見ることもできるだろう。

図9 企業のための実験室としてのDLLAB活用 図9 企業のための実験室としてのDLLAB活用

 実験室の活動を通じて、オープンイノベーションを加速させ、ユーザー企業とスタートアップ企業のみならず個人エンジニアとの出会いを促進させること、さらに企業イメージやDLLABのブランドイメージの強化を目指しているとのことだ。より多くの人が、DLLABを通じてディープラーニングの課題にチャレンジしやすくなるだろう(と筆者は期待している)。

DLLAB活動の協力者募集う

 最後に、DLLABの活動をサポートしてくれる協力者を募集していることが告げられた。

図10 DLLAB協力者の募集 図10 DLLAB協力者の募集


 以上、本稿ではDLLABの2周年イベントで発表された「DLLABの活動の現状と今後」について説明した。今後について具体的には、次回の大規模イベント開催の速報や、今後の施策として計画されている、機械学習+IoTのコンテスト企画と、企業のための実験室としてのDLLAB活用についても簡単に紹介した。

 2周年イベントの通常セッション内容については後日記事化する予定だ。「連載:イベントから学ぶ最新技術情報」の枠内で記事を提供する予定なので、気になる人はそちらのページを監視するか、こちらの記事の最後にある[次回の掲載をメールで受け取る]を実行しておいてほしい。

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