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» 2019年06月17日 05時00分 公開

Tech TIPS:【Windows 10】コマンドプロンプトからPython環境を一発でインストールする

Windows 10 May 2019 Updateでは、コマンドプロンプトやPowerShellで「python」と入力すると、Microsoft Storeが起動して、簡単にPython 3.7がインストールできる。ただし、注意すべき点もある。

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]
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対象:Windows 10 May 2019 Update(バージョン1903)以降


 人工知能(AI)開発で広く使われていることからプログラミング言語の「Python(パイソン)」の人気が高まっているようだ。Pythonがどのようなプログラミング言語なのかについては、Python入門「Pythonってどんな言語なの?」を参照してほしい。

 最近は人工知能に力を入れているMicrosoftも、その人気にあやかってか、最新の機能アップデートであるWindows 10 May 2019 Update(バージョン1903)で、Pythonを簡単にインストールする機能を追加した。インストールパッケージをダウンロードしてインストールするよりも手軽ではあるものの、幾つか制限もあるので注意点についてもまとめてみた。

Pythonをインストールする方法

 一般にPythonをインストールする場合、Webブラウザで以下のPython Software Foundationのダウンロードページを開き、目的のバージョンのインストールパッケージをダウンロードし、インストールを行う。この際、PythonをPC上の「全ユーザー(for all users)」から利用可能にするのか、インストールしたユーザーのみにするのかの選択が行える。

Python Software Foundationのダウンロードページ Python Software Foundationのダウンロードページ
通常は、ここからインストールパッケージをダウンロードして、インストールを行う。
Python 3.7のインストールウィザード画面 Python 3.7のインストールウィザード画面
Python 3.7のインストーラーを実行すると、このインストールウィザードが起動する。「Install Launcher for all users」のチェックを外すと、インストールしたユーザーのみ実行可能になる(特別な理由がない限り、このチェックは外さない方がよい)。

May 2019 UpdateでPythonを手軽にインストールする方法

 通常のアプリケーションをインストールするのと同様で、それほど面倒というわけではないが、May 2019 Updateではさらに手軽になっている。

 コマンドプロンプトやPowerShellを開き、「python」と入力すると、すでにPythonがインストールされている場合はPythonのプロンプトに切り替わる。一方、インストールされていない場合はMicrosoft Storeが起動し、Python 3.7(原稿執筆時点)の入手画面が開く。

 インストールしたい場合は、この画面で[入手]ボタンをクリックすると、インストールパッケージのダウンロードならびにインストールが行われる。なお、インストールに際して、管理者権限は必要なく、標準ユーザーであっても構わない。

Windows 10 October 2018 Updateの場合 Windows 10 October 2018 Updateの場合
Windows 10 October 2018 Updateでは、コマンドプロンプトで「python」を実行すると、このようにエラーが表示される。

Windows 10 May 2019 Updateの場合 Windows 10 May 2019 Updateの場合
コマンドプロンプトで「python」を実行すると、Microsoft Storeが起動し、Python 3.7の入手画面が表示される。インストールする場合は、ここで[入手]ボタンをクリックする。
Python 3.7のインストール画面 Python 3.7のインストール画面
[入手]ボタンをクリックすると、ダウンロードが行われ、そのままPython 3.7などがインストールされる。
コマンドプロンプトで「Python」を実行 コマンドプロンプトで「Python」を実行
Python 3.7をインストール後、コマンドプロンプトで「python」を実行すると、このようにPythonが起動し、Pythonのプロンプトが表示される。
PythonのIDLE画面 PythonのIDLE画面
PythonのIDLE(統合開発環境)も同時にインストールされ、[スタート]メニューから起動できる。

 通常のPythonのインストールと同様、IDLE(統合開発環境)やpip(パッケージ管理システム)も同時にインストールされる。

 この仕組みは簡単で、May 2019 Updateでは「python.exe」というMicrosoft StoreのPython 3.7配布ページを開く専用コマンドがプリインストールされているのだ。そのためコマンドプロンプトで「python」と入力して、[Enter]キーを押すと、以下のコマンドが実行され、Microsoft Storeが起動し、Python 3.7の画面が表示されるようになっている。

%USERPROFILE%\AppData\Local\Microsoft\WindowsApps\python.exe

Microsoft Storeを起動するPythonコマンド

 Pythonのインストール後、「python」と入力・実行すると、プログラミング言語の方の「python」が起動されるようになる。

May 2019 Updateで実装されたpython.exe May 2019 Updateで実装されたpython.exe
もともと[%USERPROFILE%\AppData\Local\Microsoft\WindowsApps]フォルダは実行パスの1つとして設定されている。May 2019 Updateでは、ここにpython.exeが格納されている。コマンドプロンプトなどで「python」を実行すると、このアプリがMicrosoft Storeを起動する。

Microsoft Storeからインストールする際の注意

 コマンドプロンプトで「python」と入力する場合に限らず、Microsoft StoreからPythonをインストールすると、インストールしたユーザーのみ利用可能な状態となる。そのため、他のユーザーでWindows 10にサインインすると、Pythonが実行できない点に注意したい。

 別のユーザーに対しては、改めてPythonのインストールが必要になる。この際、やはりコマンドプロンプト上で「python」を実行すれば、Microsoft Storeが起動し、Python 3.7の入手画面が表示される。ここで、[インストール]ボタンをクリックすると、Python 3.7がこのユーザーに対してインストールされる。

別ユーザーのコマンドプロンプトで「python」を実行 別ユーザーのコマンドプロンプトで「python」を実行
Microsoft StoreからインストールされたPythonは、インストール時のユーザーだけが使用できる。そのため、あるユーザーがすでにWindows 10にPythonをインストール済みでも、未インストールである他のユーザーには、このようにMicrosoft Storeの[インストール]画面が表示される。

 May 2019 Updateに同梱のpython.exeは、最初から前述のフォルダに格納されているのではなく、ユーザーの最初のサインイン後、標準のMicrosoft Storeアプリ(アプリのリンクなど)などと一緒にMicrosoft Storeからダウンロードされるようだ。そのため、新規にユーザーを作成後、そのユーザーでサインインして即座にコマンドプロンプトで「python」と入力・実行しても、ダウンロードが間に合わず、Python 3.7の入手画面は呼び出せない点に注意してほしい。しばらくすると、python.exeがダウンロードされ、「python」からMicrosoft StoreのPython 3.7の入手画面が開くようになる。

 また、Pythonの公式ドキュメント「Python Setup and Usage」−「3.2. The Microsoft Store package」によると、原稿執筆時点のMicrosoft Store版Python 3.7は、若干不安定な部分があるという。またMicrosoft Storeアプリの制限により、Pythonスクリプトは共有の場所(TEMPやレジストリ)などのフル書き込みアクセス権を持っていないため、既存のスクリプトなどが動作しないことがある。

 Microsoft Store版Pythonは、手軽に簡単にインストールできるものの、本格的に開発用途で利用するのであれば、Python Software Foundationのダウンロードサイトから入手した方がよい。

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