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» 2019年06月19日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(54):終身雇用崩壊時代の「働き方のグラデーション」 (2/3)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

今は無理でも、将来のために

 とはいえ、この働き方が一般的ではないことは承知しています。

 実際は1つの会社でフルタイム働くのが一般的ですし、2017年に政府が事実上副業を解禁し、推進するようになったとはいえ、副業を認めている会社はまだ、それほど多くありません。

 また、メインの本業に対してサブがある「副業」ではなく、私のような、複数の本業がある「複業」という働き方を、「やりたい」とは思っても、「どうしたら、その環境が作れるのか分からない」と思っている人も多いでしょう。

 一方で、働く環境を変えようとしても、明日からすぐに「じゃあ、働き方を変えます」というのは、複業にかかわらず難しい。このような働き方を目指すためには、今から、「終身雇用が崩壊しても大丈夫な働き方をしよう」「複数の収入を得られるような働き方を目指そう」と決めて、何らかの準備を始めた方がいいし、「始めること」ならできると思うのです。

 少子高齢化や労働力人口減少という、今までとは違う日本の社会構造の中、人材不足や長時間労働などの問題が起こっています。さまざまな知識や経験を持った人たちが協力することによって、問題を解決していく必要がある今、働き方の常識が、かつてとは変わってくるのは必然です。

 複業に限らず、働き方の多様化が広がることはあっても、「今までのまま」ということは、まずないでしょう。

今は特別でも、かつてはみんな「複業」していた

 今でこそ「複業」は特別に見えるかもしれませんが、かつては「多くの日本人が複業家だった」と、私は思っています。

 例えば、「兼業農家」がそうです。私は新潟県妙高市という、中山間地に住んでいます。60世帯ほどの小さな集落ですが、かつては多くの世帯が兼業農家でした。

 なぜかと考えてみるに、「自分の食いぶちは自分で作る」というマインドがどこかしらにあったのではないかと思うのです。

 けれども、現在はサラリーマン世帯が増え、米を作っているのはわが家だけです。周りの人は「米作りなんて大変」「買った方が安い」と言います。労力を思えば、確かに買った方が安いのかもしれません。

 でも、私は父親から米作りを引き継ごうと思っています。その理由は、「作った方が安い」からではありません。「自分の食いぶちは自分で作る」というマインドでいたいからです。

 複業とはたぶん、こういうことなんだろうと思います。

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