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» 2019年06月19日 05時00分 公開

AWS Summit Tokyo 2019で聞いた:AWSのコンテナ責任者が語るFargate、ECS、App Mesh、EKS、そしてKubernetes (1/2)

AWSのコンテナ責任者を務めているディーパック・シン氏は、Fargate、ECS、App Mesh、EKS、Kubernetesなどのコンテナ関連プロダクトを通じてユーザーに提供したいとことは一つだと話す。

[三木泉,@IT]

 Amazon Web Services(AWS)のコンテナサービスで、今最もホットな動きとは何か。コンテナ責任者を務めているディーパック・シン(Deepak Singh)氏は、迷わず「AWS Fargate」を挙げる。自身の子のような存在であり、AWSで最も好きなプロダクトだという。

AWSのコンテナ責任者、ディーパック・シン氏

 「そのうち、大部分のコンテナアプリケーションのインフラとして、(「Amazon EC2」ではなく)Fargateが使われるようになるだろう。EC2上でのコンテナ配備は、一部のレガシーあるいはステートフルなアプリケーションに限られるようになる。私たちは、広範な利用を支えられるよう、Fargateの機能を強化していく」

 AWSはコンテナサービスで、「Amazon Elastic Container Service(Amazon ECS)」と「Amazon Elastic Container Service for Kubernetes(Amazon EKS)」の2種類を提供している。どちらのコンテナオーケストレーションを使う場合も、インフラとしてはEC2仮想インスタンスが利用されてきた。

 2017年11月の「AWS re:Invent 2017」でAWSが発表したFargateは、EC2に代えてコンテナに適用できるインフラサービス。ユーザーは仮想インスタンスを意識することなく、リソースサイズを指定してコンテナを起動・運用できる。発表当時、ECS、EKSの双方に対応するとされていたが、現時点ではECSのみで利用できる。

 「2018年11月時点では、毎週1000万タスク以上がFargate上で稼働していた。現在はさらに多くのタスクが動いている。Fargateはスケールしやすいことから、バックエンドWebサーバやAPIサーバ、機械学習プラットフォームなどで広く使われている。また、Fargateは厳格にシングルテナントであることも特徴で、セキュリティに敏感な組織が、積極的に活用している。日本でもFargateは人気のようで、ありがたく思っている」

 Fargateは2019年1月に、最大50%の値下げを行った。その背景を、シン氏は次のように説明する。

 「値下げの理由は、Fargateの運用が改善したことにある。また、今後Fargateにおける(軽量仮想化技術)Firecrackerの採用が進むにつれ、効率が向上することも分かっている。利用パターンに関する私たちの理解も進み、規模の効率がますます高まっている」

 値下げ後も、EC2を使う場合と比較してFargateはまだ料金が高いという意見がある。これについては、次のように話す。

 「固定サイズのEC2インスタンスにコンテナを常時詰め込むのは難しく、結局リソースを浪費してしまう。一方Fargateのリソース効率は、常時100%だ。また、コンテナにEC2を使う場合、ユーザーはより大きなインスタンスを調達し、これをできるだけ埋めようとする。しかし、こうしたインスタンスは起動が遅いため、オートスケーリングではバッファーとして、早めにスケールしなければならない。一方Fargateは起動が速いため、効率的なスケーリングが可能だ。こうした点から言えば、FargateはEC2と同等か、より低い価格レベルといえる。加えて運用がはるかにシンプルであることを考えると、ほとんどの顧客にとってメリットは明確だ。実際、Fargateの利用は値下げ後に大きく伸びている。AWSに来て初めてコンテナを使う顧客はFargateを選ぶことが多いし、EC2からの移行も顕著に見られるようになってきた」

 シン氏によると、Fargateではコンピュートプラットフォームとしての魅力を高めるための機能強化を進めていくという。

 「例えば最近、Splunkをログドライバーとして追加したが、Fargateのデバッグを容易にするための機能は今後も追加を続ける。また、FargateコンテナにSSHして、内部の情報を確認できるようにするなども予定している」

App Mesh、そしてアプリケーション開発の自由度とは

 最近、コンテナ関連で注目されている動きの一つにサービスメッシュがある。アプリケーションレベルのネットワーク可視化・構成・制御を通じ、特にマイクロサービスアプリケーションのロールアウト/継続的デリバリーや、セキュリティ/ガバナンス確保に役立つと期待されている。

 AWSは2018年11月、サービスメッシュ関連で「AWS App Mesh」というサービスを発表した。プロキシとしてKubernetes関連で人気の高いEnvoyを用い、独自のコントローラーで制御する構成となっている。App Meshは、Fargate、EC2、ECS、EKS、AWS上のKubernetesに適用できる。

 シン氏は、「App Meshはコンテナに閉じた機能ではない」とし、この適用対象の広さが、App Meshの重要な特徴だと話す。

 「社内に小規模な開発チームを多数持っている組織では、各チームの構築しているサービスやアプリケーションを、お互いに発見し、適切なポリシーを適用した上で通信できるようにしなければならない。そして何が起こっているかを、きめ細かく可視化できなければならない。App Meshはこうした一連のメリットをもたらす機能だ。もちろん、Fargateなどで多数の小さなアプリケーションを動かす場合、このような可視化はますます重要になってくる」

 一方で、AWSでは顧客から、次のようなユースケースがあることを学んだという。

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