【 ntpdate 】コマンド――時刻をNTPサーバと同期するLinux基本コマンドTips(315)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、時刻をNTPサーバと同期する「ntpdate」コマンドです。

» 2019年06月21日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、時刻をNTPサーバと同期する「ntpdate」コマンドです。

ntpdateコマンドとは?

 「ntpdate」はシステムの時刻をNTP(Network Time Protocol)サーバと同期するコマンドです。NTPサーバは、インターネットを経由して時刻情報を配信しています。

 「timedatectl」コマンド(連載第312回)などを使って、常にNTPサーバと時刻を合わせるように設定済みのシステムの場合、手動でntpdateコマンドを使う必要はないでしょう。

 なお、Ubuntu 18.04 LTS環境では、ntpdateコマンドがデフォルトでインストールされていません。インストールするには「sudo apt install ntpdate」を実行してください。



ntpdateコマンドの書式

ntpdate [オプション] NTPサーバ名

※[ ]は省略可能な引数を示しています。





ntpdateの主なオプション

短いオプション 意味
-B slewモード(徐々に時刻を合わせる、微調整する際に使用)で時刻を修正する(※1)
-b stepモード(即座に時刻を合わせる)で時刻を修正する(※1)
-q 問い合わせのみを実行する(時刻は調整しない)
-d デバッグモード(詳細な情報を表示し、時刻は調整しない)
-s 実行結果をsyslogに出力する(デフォルトは標準出力)
-v 詳細な情報を表示する

※1 「-B」「-b」を指定しなかった場合、時刻のずれが500ミリ秒(0.5秒)より小さい場合はslewモードで徐々に時刻を調整し、それ以外の場合はstepモードですぐに時刻を合わせる。



ntpdateの主なオプション(接続と認証関係)

短いオプション 意味
-t 秒数 タイムアウトまでの秒数を指定する
-4 IPv4を使用する
-6 IPv6を使用する
-u 送信パケット用に非特権ポートを使用する。1024番以降のポート番号で、ファイアウォール内から接続する場合などに使用する、デバッグモード(-d)では常に非特権ポートを使用する
-a 認証キー 認証に使用するキーを指定する
-k 認証ファイル 認証に使用するファイルを指定する
-e 秒数 認証にかかる遅れの時間(authdelay)、動作が特に遅いマシンで実行する場合に指定する
-p サンプル数 サーバから取得するサンプルの数を1〜8で指定する(デフォルトは4)
-o バージョン番号 NTPのバージョンを指定する(デフォルトは4、※2)

※2 Ubuntu 18.04 LTS(sudo apt install ntpdateでインストールした場合)のデフォルトは3。





時刻をNTPサーバと合わせる

 「ntpdate NTPサーバ名」で、システムの時刻をNTPサーバと合わせることができます(画面1)。実行にはroot権限が必要です。「sudo」コマンド(第68回)などを利用してください。

 公開されているNTPサーバには、例えば、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が提供しているntp.nict.jp(※3)や、Googleが提供しているtime.google.comなどがあります。

※3 1時間平均で20回(1日の合計が480回)までという制限がある。



 インターネット接続に使用しているプロバイダーがNTPサーバを提供している場合は、それを使用する方が素早く時刻を取得できるでしょう。

 時刻の問い合わせだけを行いたい場合は、「-q」オプションを使用します(画面2)。

コマンド実行例

ntpdate NTPサーバ名

(指定したNTPサーバと時刻を合わせる)

ntpdate ntp.nict.jp

(ntp.nict.jpと時刻を合わせる)(画面1

ntpdate -q ntp.nict.jp

(時刻の問い合わせだけを行う)(画面2


画面1 画面1 NTPサーバと時刻を合わせたところ
画面2 画面2 時刻をNTPサーバに問い合わせたところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

元々はDOSユーザーで「DOS版UNIX-like tools」を愛用。ソフトハウスに勤務し生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当、その後ライターになる。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。地方自治体の在宅就業支援事業にてMicrosoft Officeの教材作成およびeラーニング指導を担当。会社などの"PCヘルパー"やピンポイント研修なども行っている。


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