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» 2019年06月24日 10時00分 公開

変化するデータベース市場:重要度が増すIoTのデータ エッジ領域で活用が進む「ハイブリッドデータ」とは

データベース市場に変化が起こりつつある。ただ集めるのではなく、素早く効率的にデータを扱う仕組みが求められているという。ActianのCEO、ロイット・デソーサ氏にその考え方や課題について話を聞いた。

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 IoT(モノのインターネット)デバイスなどで収集した膨大なデータ(ハイブリッドデータ)を効率的に活用するエッジコンピューティングが注目されている。従来のようにわざわざオンプレミスのデータセンターにデータを集約する必要はなく、データを収集したその場でデータを活用できる。だが、このハイブリッドデータの活用に課題を感じている企業が少なくないという。

 このハイブリッドデータをテーマとする「Hybrid Data Conference Japan 2019」というカンファレンスが日本で初開催された。このカンファレンスにてデータベースに関連したソリューションを発表するActianのCEO、Rohit De Souza(ロイット・デソーサ)氏にハイブリッドデータ活用に関して話を聞いた。

ハイブリッドデータ活用の課題とは

――現在の日本企業が「ハイブリッドデータ」を活用する際の課題をどう捉えているか

デソーサ氏 日本企業が直面している課題は、米国やヨーロッパも含めたグローバルマーケットでの課題と同じだと考えています。ハイブリッドデータが爆発的に増加し、システムに対する性能面での要件が上がる一方で、企業が使っている多くのシステムは、多くの課題を抱えています。高コストなのにパフォーマンスが出ない、大規模なデータに対応できない、同時処理が難しいなどです。

画像 ActianのRohit De Souza(ロイット・デソーサ)氏

 もう一つの課題として「データの使われ方」が大きく変わってきたということです。以前は、事後的な報告のためにデータを使うことがほとんどでしたが、現在はリアルタイムにデータを活用する傾向が強まっています。システムの要件として、ハイブリッドデータを利用した「複数のユーザーがリアルタイムにデータを活用できる仕組み」が求められてきています。われわれは、これを「オペレーショナルデータウェアハウス」と呼んでいますが、今後ハイブリッドデータを活用する上で、このニーズはさらに高まってくると考えています。

――今回、日本で初めて「Hybrid Data Conference」を開催されたが、その狙いは何か。カンファレンスの内容として「ハイブリッドデータという考えを提唱する理由」や「エッジ領域でのデータベース活用」などがテーマに掲げられているが、どのような狙いがあるのか

デソーサ氏 このイベントを通じて、IoTに新しい考え方を導入したいと考えています。それは、エッジ側のシステムに、PCのようにフル機能を持ったハードウェアを用意しなくてもいいというものです。フットプリントの小さいデータベースを利用することで、エッジデバイスのコストを下げ、IoTのデータを効果的に扱えます。エッジ側で処理できるので、データセンターなどにデータを移動させなくても、その場で活用できるようになります。

 例えば現在エッジ側のPCで「Microsoft SQL Server Express」を無償で使っているという企業の場合、PCが不要になります。コストが安いエッジデバイスに切り替えて、データベースソフトウェアの方にコストをかけられるようになります。そうすれば、エッジ側の処理を効率化、高速化できますので他社に対する優位性(アドバンテージ)を得られるでしょう。その点でIoT向けのデータベースである「Actian Zen Edge」を、低コストのRaspberry Piに組み込み、データ活用する仕組みはIoTの理想の形だと考え、すぐに活用(体感)できる評価キットを準備しています。

パフォーマンスを維持したまま拡張可能なデータベースが必要

――Actianは、ハイブリッドデータの活用に向けて、どのようなビジョンを掲げているのか

デソーサ氏 近年、あらゆる業界でさまざまな変化が起こっています。車の自動運転や製造業のロボット、医療の急速な発展などです。こうした変化の中で共通して求められているのは、エッジから得られるデータの処理、つまり大規模なIoTデータを素早く管理して分析するという能力です。

 IoT開発に当たっては、エッジと中央にあるシステムの間を接続し、処理を統合することが7割を占めるといわれます。ここで重要なのは「システムがエッジのトランザクションの速度に合わせたパフォーマンスを出せる」ことです。従来のデータベースシステムやデータレイクは、この要件を満たす設計になっていないことがあります。

 実際に、当社が企業のデータマネジャーに対して調査したところ、データベースに最も求められていた要件は「パフォーマンス」でした。2番目に「データセキュリティ」、3番目に「データアジリティ」(敏しょう性)が挙がりました。いずれもトランザクションとアナリティクス(分析)がアプリケーションレベルで一緒になりつつあることが背景にあります。

 そこで、当社では、こうしたニーズに対応するために「Gen 3」(第3世代)となる「Actian Avalanche」(TCO<総保有コスト>やパフォーマンスに優れたセキュアな管理型クラウドサービス)やエッジ用のActian Zen Edgeを含む次世代のハイブリッドデータベースシステムのポートフォリオを提供しています。

データ活用を促進する「次世代のハイブリッドデータベースシステム」とは

――Gen 3とはどのようなデータベースシステムなのか

デソーサ氏 まず、「Gen 1」はコモディティハードウェア(機能が一般化されたハードウェア)を使って、クラウドにデータベースを乗せたシステムです。ただ、セキュリティや性能はほとんど保証されていませんでした。

 「Gen 2」はストレージとコンピュート(処理部分)を分けることで、コンピュート部分を必要に応じて制御できるようになりました。クラウドのデータベースを止めたり、再始動したりすることもできるようになりました。

 Gen 3は、システムを制御できるだけでなく、複数のクラウドにまたがって利用できるようになりました。クラウド間だけではなく、オンプレミスとクラウド間でも利用できます。セキュリティと性能も保証しており、IoT時代に求められる要件をほとんど満たしたハイブリッドデータベースシステムだと考えています。

 このハイブリッドデータベースシステムには3つの大きな差別化ポイントがあります。

 1つ目は、高性能なコモディティハードウェアを活用することで分析の性能が向上している点。2つ目は、素早い統合を可能にするために柔軟性のあるテクノロジーを活用している点。3つ目は、エッジ側での性能を高めるためにフットプリントを極小化し、データベース管理者が不要な組み込み方式を採用している点です。

 今回のイベントをきっかけに、当社のハイブリッドデータベースシステムを、エージーテックなどのパートナーを通じて日本市場でも広げていきたいと考えています。

IoT活用は日本で進むのか

――日本企業は、業務でのIoTのデータ活用については、まだPoC(概念実証)の段階で、本格的な導入はこれからといわれているが、どう考えるか

デソーサ氏 私は日本でも本格的にIoTの導入を進める企業が増えてきていると感じています。IoTといっても、自動車や特定のエッジデバイスに限定するのではなく、コンピュート能力をエッジ側に持っているシステムを含めて広くIoTと捉えていますが、当社は日本市場で多くの導入実績があります。

 例えば、日本の製薬会社では、当社のエッジ製品を使って、データベース能力を病院やクリニックなどに展開し、さまざまな医療情報を集めて、実際に活用しています。大手鉄道会社の事例では、高速分析データベースの「Actian Vector」が使われています。さらに、組み込み型データベースについては、多くの業務アプリケーション開発をするISV(独立系ソフトウェアベンダー)、SIer(システムインテグレーター)、顧客企業など、幅広いジャンルでの活用が広がっています。

――エッジ領域でリアルタイムにハイブリッドデータを処理しているような事例はあるか

デソーサ氏 セージソフトウェアは、当社製品を使って、建築現場の車両のアクティビティーをリアルタイムでモニタリングするサービスを提供しています。製薬会社向けのアプリケーションで、患者の情報をモニタリングして、リアルタイムに近い処理で更新作業をしている事例もあります。これによって、患者の治療状況とシステムの情報にほとんど差異が出ない環境を実現しています。他にもイギリスの自動車協会による保険料見積もりシステムや、大手銀行の企業リスク評価システム、工作機械レンタル会社のWebオペレーションシステムなどで、リアルタイムに近いハイブリッドデータの活用をしています。

画像 Actian Zen Edgeを含む「Actian Zen Embedded Database」(出典:エージーテックのデータベース製品ページより)

――最後に、日本企業へのメッセージを

デソーサ氏 これからの企業は常に新しいビジネスのやり方を受け入れ、学んでいく必要があると考えています。当社は今後も先進のテクノロジーを提供していきますが、そのためには新しいテクノロジーを学ぶだけではなく、過去に学んだものをもう一度学ぶことが重要だと感じています。

 未来学者であるアルビン・トフラーの言葉に「21世紀の“読み書きができない人”とは、過去に学んだことを捨てる、もしくは再び学ぶことができない人のことを指す」というものがあります。この言葉は、現代のテクノロジーに置き換えてみても、とても良いアドバイスになると思っています。

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提供:株式会社エージーテック
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2019年7月23日

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