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» 2019年06月27日 13時58分 公開

Denodo Technologiesが日本での活動を本格化:大手重機メーカーも予防保守で活用、「ETLの欠点をカバーできる」データ仮想化とは

データ仮想化のDenodo Technologiesが、日本における活動を本格化している。ETLに代えてデータ統合に使え、複数データソースをクラウド移行やマルチクラウド利用、IoTソリューションの構築を容易にするという。同社チーフマーケティングオフィサーのラヴィ・シャンカール氏は、大手重機メーカーがIoTによる予防保守サービスに活用している事例もあると話す。

[三木泉,@IT]

 データ仮想化のDenodo Technologiesが、日本における活動を本格化している。ETLに代えてデータ統合に使え、複数データソースをクラウド移行やマルチクラウド利用、IoTソリューションの構築を容易にするという。同社チーフマーケティングオフィサーのラヴィ・シャンカール氏は、大手重機メーカーがIoTによる予防保守サービスに活用している事例もあると話す。

 データ仮想化は、データアクセスに関するプロキシのような役割を果たす技術だ。ユーザー/ユーザーアプリケーションからのデータ問い合わせを、さまざまなデータソースに合わせて「翻訳」して実行する。ユーザーは各データの場所や形式を意識することなく、あたかも単一のデータであるかのように扱える。

 「データ仮想化では各種データソースのスキーマを読み取り、メタデータを管理する。データ管理担当者は、このメタデータから、仮想的に単一のデータソースを構成して社内ユーザーに提供できる。データ自体は管理しない、そして、ユーザーからの問い合わせを受け、これを各データソースへのクエリーに書き換えてリアルタイムでアクセスし、結果をまとめて返す(注:データのキャッシュも可能)。これまで広く行われてきたETLではデータ複製が必要なため、多数のシステムに散在するデータを統合しようとすると、作業が複雑化すると共に、単一システムへの保存や管理にコストがかかる。また、リアルタイムでのアクセスができない。データ仮想化を使えば、こうした課題を克服できる」(シャンカール氏)

 Denodoは、JDBC経由でリレーショナルデータベースやビッグデータにアクセスできる他、Apache CouchDB、MongoDB、CSV、Excelスプレッドシート、XML、PDFやWordなど、幅広いデータソースに対応する。対応データソースの豊富さと高速性のため、Tableauと併用するユーザー組織も多いという。

クラウド移行やIoTで、Denodoはどう使われているのか

 Denodoの面白い活用方法として、シャンカール氏はクラウド移行やマルチクラウド、IoTを挙げる。

 まず、ユーザーの利便性を損なうことなく、データを社内からクラウドへ移行できる(その逆も可)。

 「例えば、ビジネスデータが100%オンプレミスに存在する状態から、徐々にパブリッククラウドへ移行できる。Denodoによってデータアクセスは抽象化されるので、ユーザーアプリケーション側での設定変更は不要だ。オンプレミスとパブリッククラウドのデータ比率が半々になろうが、パブリッククラウドが100%になろうが、関係ない。Denodoがデータアクセスを抽象化しているので、ユーザーアプリケーションは元データソースの場所を知る必要がない」(シャンカール氏)

 マルチクラウドに関しては、例えばGDPR(EU一般データ保護規則)など、個人情報保護の観点から保管場所が限定されているデータを、他の場所に管理されているデータとリアルタイムで組み合わせ、活用している例が多数あるという。

 IoTに関連した興味深い使い方として、ある著名な重機メーカーの事例をシャンカール氏は説明した。

 この重機メーカーは、製品の価値を高めるため、故障の兆候を検知し、故障が実際に発生する前に部品を交換するサービスを行っている。このために、全世界で稼働する自社製品のセンサーデータを吸い上げ、自社データセンターのHadoopクラスタに順次蓄積する。これをサービスにつなげるため、各種システムで管理されている顧客やディーラー、利用者の情報、重機の稼働場所、部品情報とひも付けて分析する必要がある。このためのデータ統合を、Denodoで行っている。そしてセンサー情報をTableauで予測分析した結果から、「あなたの利用している重機の部品が1カ月後に故障する可能性があるので、その前に該当部品を送り、到着に合わせてサービススタッフを手配しましょうか」といった連絡を顧客に届けられるようにしているという。

 「Denodoのデータ仮想化製品は最近、大幅に進化している」(シャンカール氏)

 インメモリでの並列処理とクエリーの最適化で大量データの高速な活用を実現する一方、ユーザーのセルフサービスを促進するためにデータカタログ機能を強化。機械学習のための利用もしやすくなっているという。また、コンテナアプリケーションとしてAmazon Web ServicesやMicrosoft Azureのマーケットプレイスでも提供され、容易に自動スケーリングができるようになっているという。

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