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» 2019年07月11日 05時00分 公開

特集:百花繚乱。令和のクラウド移行(3):15年間口コミサイトをオンプレで運用してきたウエディングパークが、コンテナ化、マイクロサービス化を見据えてAWSを選んだ理由 (1/2)

多数の事例取材から企業ごとのクラウド移行プロジェクトの特色、移行の普遍的なポイントを抽出する本特集「百花繚乱。令和のクラウド移行」。ウエディングパークの事例では、クラウドベンダーやコンテナサービスの選定を中心に移行のポイントをお届けする。

[廣瀬治郎,@IT]

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 2004年に口コミサイトをオープンし、約15年オンプレミスのシステムを継続的に利用してきたウエディングパーク。近年、社内でのクラウド化の機運が高まっており、クラウドベンダーの選定を行った。選定のポイントはどこにあったのだろうか。

 2019年6月に開催された「AWS Summit Tokyo 2019」のセッション「CAグループのウエディングパーク事例 コンテナ化に向けたクラウドベンダー比較選定そしてECS?EKS?」から探る。

No.1ブライダル技術チームを目指して技術を精錬

 ウエディングパークは、2004年に口コミサイトをオープンし、カップルが口コミ情報を参考にしながら結婚の準備を行うという新しい文化の醸成にチャレンジした。当初こそ苦労はあったものの、ブログやSNSなどの流行もあって、結婚準備における口コミ情報のチェックは当たり前の文化になっているという。

 現在の同社は、結婚する“カップル”と、結婚式場、フォトウエディングのスタジオ、結婚/婚約指輪ショップ、ウエディングドレスブランドやドレスショップといった、結婚時に利用されるサービスを提供する“クライアント”との「ベストマッチング」を提供する事業を中核としている。

“カップル”と“クライアント”との「ベストマッチング」を提供

 具体的には、複数の専門メディアをベースに、ブライダル業界向けにアレンジされたアドテク商品の販売と動画制作などのクリエイティブ支援を組み合わせ、ブライダル業界各社のデジタルマーケティングを総合的に支援している。結婚式場向けのサービスとしては、公式サイトを簡単に作成できるCMS「Webつく」も提供している。

ウエディングパーク メディア開発本部 技術責任者 西脇靖紘氏

 メディアの一つである式場口コミサイト「ウエディングパーク」には、全国5000件以上の式場がデータベース化されており、結婚式を経験したユーザーのレポート「ハナレポ」なども人気コンテンツの一つだという。

 ウエディングパーク メディア開発本部 技術責任者 西脇靖紘氏によれば、同社の開発チームは2020年に向けて「No.1 Bridal Tech Team By→20」というスローガンを掲げ、技術力や体制の強化に努めているという。2018年には「つくし(Technical KAIZEN Specialistの略)チーム」を結成し、開発現場から運用開発上での技術課題の発見と解決、制度や組織活性化の提案などへ積極的に取り組んでいるとのことだ。

オンプレミスの課題を解決、3ステップでマイクロサービス化を目指す

 ウエディングパークでは、約15年オンプレミスのシステムを継続的に利用してきたが、幾つかの課題を抱えていた。システム構築に当たり、サーバの納期やインフラの設定変更などに起因する負荷が大きいこと。バージョンアップやセキュリティアップデートの作業コストが大きいこと。共有システムに単一障害点が発生しており、トラブルのビジネスインパクトが大きいこと。こうした課題は、特にアプリケーション開発の領域で影響範囲が広がる一方だった。

多くの課題からマイクロサービス化へ

 これらの課題の解決に向けて、西脇氏が目指したのは「マイクロサービス化」だった。同社では現在、クラウド化の機運が高まっており、新しいサービスは全てクラウド上で構築するようになっている。アプリケーションをコンテナ化し、マイクロサービスとしてクラウド上で稼働させることができれば、こうしたインフラ構築や運用の課題を解決し、サービスのデリバリーを早めることができる。

 「当社では、ステップ1としてクラウド化、ステップ2としてコンテナ化、そしてステップ3としてマイクロサービス化という計画を立てました。現在は、クラウド化をメインに進めているところです」(西脇氏)

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