システム開発プロジェクトに存在する複数種類の契約形態同じPJで同じ(ような)仕事をしているけれど(3/3 ページ)

» 2019年08月14日 05時00分 公開
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労働形態も異なる

 さらにややこしいことに、システム開発プロジェクトの現場には、「労働者」と「個人事業主」が混在していることが往々にしてあります。

 労働者は、SIer、二次請け企業、SESなどの「社員(正社員、契約社員、派遣社員)」です。会社と「雇用契約」を締結し、労働契約に基づいて契約先で開発業務などを実施します。

 自営業者として「請負契約」などを締結して、契約先で開発業務などを実施する人は「個人事業主」です。

 フリーランスエンジニアは、個人事業主です。労働者ではないので、請け負った業務や仕事の進め方に関して、契約先と直接話し合っても問題ありません。その分、自分の責任と判断の下に契約を締結している「自営業者としての自覚」が必要です。

フリーランスエンジニアとは

 フリーランスエンジニアとは、「自営業者として開業しており、適正に確定申告を実施している人」です。

 フリーランスとして働くメリットは、「報酬が高くなる傾向にある」「やりたい仕事、生かしたい、習得したいスキルなど希望に沿った案件を選べる」「評価が上がると契約金額が上がる(報酬が上がる)可能性がある」など、自身の価値観や環境に合わせた働き方ができる点です。

 一方で、技術の研さんを怠ったり、自営業者としての自覚なく場当たり的にプロジェクトを渡り歩いたりすると、上記のメリットを生かせなくなります。

プロジェクトを渡り歩くエンジニアの注意点

 以下は、フリーランスに限らず、プロジェクトを渡り歩く全てのエンジニアに共通する注意点です。

 長期契約で同じ現場、同じ業務に就いていると、技術トレンドに疎くなりがちです。自己啓発を意識的にしていかないと、気が付けばスキルが陳腐化するリスクがあります。

 その状態が長期間(4、5年以上)続けば、レガシースキルと評価され、契約満了後にも同じような案件でしか契約ができなくなります。それを繰り返していくうちに、やがて案件の選択肢がなくなる可能性があります。

 フリーランスも社員エンジニアも、スキルアップやキャリアアップは自分が主体的に考えるべきでしょう。世の中には、勉強会、セミナー、交流会など、さまざまなコミュニティーやミートアップがあります。日頃から技術トレンドを追いかけ、スキルアップへの取り組みを習慣にしておきましょう。

高山典久

PE-BANK 取締役 ビジネスプロモーション部長

2007年首都圏コンピュータ技術者(現:PE-BANK)入社。

関西営業所、西日本統括、全国統括マネージャー、取締役営業部長を経て、2018年1月より現職。


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