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» 2019年09月04日 05時00分 公開

その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(143):消えたWindows 10の「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」オプションの行方

「Windows Update for Business(WUfB)」を使用して機能更新プログラムや品質更新プログラムの受信を延期している場合、Windows 10 バージョン1903の機能更新プログラムによるアップグレードが完了したら、延期設定を再確認することをお勧めします。「設定」アプリの「詳細オプション」で延期設定を行っていた場合、そこにあるはずの設定項目が……。

[山市良,テクニカルライター]

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「Windowsにまつわる都市伝説」のインデックス

Windowsにまつわる都市伝説

WUfBの旧SAC向けにバージョン1903の配布開始

 「Windows Update for Business(WUfB)」は、Windows 10のHomeエディションを除くエディションにおいて、機能更新プログラムや品質更新プログラムを受け取るタイミングを制御できる企業向け機能の一つです。企業向けには従来の「Windows Server Update Services(WSUS)」の更新管理機能もありますが、WUfBとWSUSは全く別のものであり、通常、併用することはできません。

 完全に併用できないわけではありませんが、例えば、Windows 10の更新プログラムをWindows Updateから取得し、ドライバやMicrosoftアプリケーションの更新プログラムをWSUSで提供するというように、併用する利用シナリオは限られています。これは、WUfBが常にWindows Updateから更新を取得するのに対し、WSUSクライアントはWSUSで管理者が承認した更新プログラムを受け取ることからくる制約です。

 企業向けのWUfBのポリシー設定は、Active Directoryドメインの「グループポリシー」で配布することもできますが、エンドユーザー個人が「ローカルグループポリシーエディター(Gpedit.msc)」を使用して構成することもできます。

 また、Windows 10 バージョン1703(バージョン1703および1709は、Enterprise/Educationエディションを除いて既にサポート終了)からは、「設定」アプリの「Windows Update」の「詳細オプション」にある「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」で、エンドユーザー個人が手軽に構成できるようにもなりました。しかしながら、「詳細オプション」にある「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」が、WUfB由来のものであることを知っているユーザーは少ないと思います。

 Windows 10の最新バージョンである「Windows 10 May 2019 Update(バージョン1903、ビルド18362)」は2019年5月21日(米国時間)にリリースされました。Windows 10 バージョン1809のWUfBで「半期チャネル(対象指定)」(SAC-T)を選択している場合の延期設定の基準日は、この日になります。

 そして、その60日後の次の火曜日である2019年7月23日(米国時間)、「半期チャネル」(SAC)に対する配布がスタートしました。5月21日はSAC-Tの基準日、7月23日はSACの基準日となり、そこから0〜365日の延期設定に従ってバージョン1903の機能更新プログラムを受け取ることになります。

 Windows 10 バージョン1903ではSAC-TとSACの区分はなくなり、SAC向けに一度だけリリースが宣言されるようになりますが、Windows 10 バージョン1903に対しては1回限り、このように従来と同じSAC-T、SACの宣言が暗黙的に行われています。

Windows 10 バージョン1809以前からは延期日数のみが引き継がれる

 Windows 10 バージョン1903にアップグレードすると、SAC-TとSACの設定は引き継がれず(全てSACになります)、機能更新プログラムの延期設定0〜365日、品質更新プログラムの延期設定0〜20日の延期設定のみが引き継がれます。

 旧SACだったからといって、0〜365日に60日が加算されることはありません。これは、機能更新プログラムではなく、アップグレードアシスタントやインストールメディアを使用したWindows 10 バージョン1809以前からのアップグレードの場合も同様です。

 実際に試してみましょう。「設定」アプリの「詳細オプション」で「半期チャネル」(つまり、旧SAC)を選択し、機能更新プログラムの受信を最大の365日延期し、品質更新プログラムを延期しない(0日延期)するように構成済みのWindows 10 バージョン1809を、手動でWindows 10バージョン1903にアップグレードしてみます。

 アップグレード完了後に「設定」アプリの「詳細オプション」を開くと、機能更新プログラムの365日と品質更新プログラムの0日の延期設定が引き継がれました(画面1)。SAC-TとSACの選択オプション(ブランチ準備レベル)は、Windows 10 バージョン1903には存在しません。Insider Previewプログラムに参加していない限り、WUfBのクライアントは全てSACとして扱われます。

画面1 画面1 Windows 10 バージョン1903にはWUfBの延期日数の設定のみが引き継がれる。SAC-TとSACの選択オプションは廃止(全てSAC扱い)

「更新プログラムをチェック」をクリックすると延期設定の表示が消える問題

 実は、Windows 10 バージョン1903のグループポリシーやローカルコンピュータの「Windows Update for Business」ポリシーを使用しない、「設定」アプリの「詳細オプション」によるWUfBの延期設定には、筆者は重大と考えるバグが存在します。

 Windows 10 バージョン1903にアップグレードした直後は前出の画面1のように設定を確認できるのですが、機能更新プログラムまたは品質更新プログラムの延期設定に「0」以外の日数が設定されている場合、その後に自動更新による更新の確認や「更新プログラムのチェック」のクリックによる手動確認が行われると、「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」のタイトルと「0」日以外に設定した項目が非表示になってしまうのです(画面2)。

画面2 画面2 自動または手動更新の確認を実施すると、「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」とともに「0」日以外に設定した項目が消えてしまう

 この問題は、グループポリシーや「ローカルコンピューターポリシー」で「Windows Update for Business」ポリシーを構成していないPCでは、いつでも再現できます。

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