HashiCorpが「Terraform Cloud」のフルリリースを発表Terraform Open SourceとTerraform Enterpriseの中間ニーズに対応

HashiCorpは2019年9月10日(米国時間)、同社イベントHashiConf 2019で「Terraform Cloud」のフルリリースを発表した。同社はTerraform Cloudの第1弾として、2019年5月に「Remote State Management」機能を発表したが、今回は拡張機能を含めて正式リリースした。

» 2019年09月12日 08時07分 公開
[三木泉@IT]

 HashiCorpは2019年9月10日(米国時間)、同社イベントHashiConf 2019で「Terraform Cloud」のフルリリースを発表した。同社は2019年5月、その第1弾として、「Remote State Management(ステートファイルの遠隔管理)」機能を正式リリース(GA)した。今回は拡張機能を含めて正式リリースした。

 Terraform CloudはTerraformの構成ファイルをクラウド上で管理、これに基づいてチームによるワークフロー自動化、コラボレーション、ガバナンスを提供するサービス。HashiCorpはTerraform Open SourceとTerraform Enterpriseの間で満たされていないニーズに対応するためにTerraform Cloudを出したとも説明している。

 中心的な機能は以下の2つ。

自動化機能

 GitHub、GitLab、BitBucketといったバージョン管理システムに保存したTerraformの構成コードを、pullやmergeをきっかけとして自動的に遠隔適用する。ユーザーはコマンドライン、API、ユーザーインタフェースから起動することもできる。

コラボレーション機能

 バージョン管理システムにおけるレビューや承認のプロセスを通じ、開発者および運用エンジニアのチームがお互いに協力してTerraformによる構成を実行できる。

 Terraform Cloudは、5ユーザーまでのチームでは無償で利用可能。HashiCorpは今回、2つの有償アップグレードオプションを発表した。これらのオプションは2020年1月1日まで、無償で利用できる。

Team

 5ユーザー以上をチームに追加したり、複数のチームを構成したり、各ユーザーの権限を制御したりできる。

Team and Governance

 Teamアップグレートの内容に加え、「Sentinel」と「Cost Estimation」の両ツールが使える。Sentinelではインフラ構成についてきめ細かなルールを設定し、コンプライアンスやコスト管理につなげられる。Cost Estimationでは、インフラ構成を適用する前に、その構成の想定コストを提示する。SentinelとCost Estimationを組み合わせることで、ガバナンスの自動化が進められるという。なお、Cost Estimationは、HashiCorpが同日に発表した機能で、Terraform Cloudの他、Terraform Enterpriseでも提供される。

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