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» 2019年09月17日 10時00分 公開

日本企業がデジタルトランスフォーメーションの波に飲み込まれないために:国内IT人材が不足、生産性向上で課題を解決する「ローコード開発」とは

企業ITを取り巻く人材不足という課題に「ローコード開発」と呼ばれるコンセプトで一石を投じるOutSystems。ローコード開発とは何か、OutSystemsジャパンのアーノルド・コンセンコ氏とSB C&Sの荒川直樹氏に話を聞いた。その模様を前編後編2回にわたってお届けする。

[PR/@IT]

 社会のあらゆる領域で「デジタル化」が進行する中、多くの日本企業が生き残りをかけて、「デジタルトランスフォーメーション」(DX)の取り組みを始めようとしている。その中で、今、盛り上がりを見せているのが、システム開発の「生産性」についての議論だ。ビジネス環境とユーザーニーズの急速な変化に、柔軟に対応できるシステムの開発と展開は、ウオーターフォール型を基本とした旧来の開発プロセスでは難しく、より迅速で生産性の高いプロセスの導入が求められている。

 そうした議論に「ローコード開発」と呼ばれるコンセプトで一石を投じるのが、ポルトガルのOutSystemsだ。同社の「OutSystems Platform」は、グラフィカルなユーザーインタフェース(UI)を使い、データベース、画面、ロジックの設計書(モデル)を作るだけで、各フレームワーク(Web、モバイルなど)に対応したソースコードを自動的に生成し、デプロイできるソリューションだ。モデルはテンプレート化が可能で、変更要求があった場合にも、修正を行うのはモデルだけでよい。ソースコードそのものの人手による記述や修正、管理を必要最低限に抑えることで、開発と運用の生産性を大幅に高められるのがローコード開発の大きな利点だ。

OutSystems Platformの画面 OutSystems Platformの画面

 今回、同社の日本法人であるOutSystemsジャパンの代表取締役社長であるアーノルド・コンセンコ氏と、OutSystems Platformのユーザーであり、販売パートナーでもある、SB C&S ICT事業本部 販売推進本部 技術統括部 統括部長の荒川直樹氏に、日本企業における「開発生産性の向上」と「OutSystems Platform」の可能性について聞いた。

――お二人のこれまでの経歴と、現在の主な業務をご紹介ください。

OutSystemsジャパン 代表取締役社長 北東アジア総括責任者 アーノルド・コンセンコ氏 OutSystemsジャパン 代表取締役社長 北東アジア総括責任者 アーノルド・コンセンコ氏

コンセンコ氏 私は、29年ほど前に米国から留学生として日本に来ました。それ以来、ずっと日本およびアジア地域に駐在し、幾つもの会社を立ち上げています。その中には、ビジネス向けのサービス開発企業やエンタープライズ系ソフトウェア企業なども含まれていました。

 OutSystemsに入社したのは2016年のことです。日本法人は、2人体制でスタートし、現在では25人に増え、製品の導入企業も日本国内で100社を超えるなど、ビジネスとして急速に成長しています。私は現在、日本法人の代表取締役社長と北東アジア総括責任者として業務に携わっています。


荒川氏 私が最初に入社したのは、PCの周辺機器の会社でした。11年ほど在籍し、最初の8年は米国市場、後の3年がアジアと日本でのビジネスに従事しました。その後、2001年に当時のソフトバンクコマース(現、SB C&S)に入社して今に至ります。

 2013年5月から2018年3月までは、ソフトバンクの米国シリコンバレーオフィスに赴任していまして、米国の携帯電話事業者であるSprintとの共同プロジェクトや、法人向け新規事業の開発などに携わりました。現職では、法人の事業部門で技術を担当しています。プリセールスの技術サポート、ポストセールスサポート、新規事業開発などが主なエリアです。新規事業開発の分野では、OutSystems Platformのような海外のソリューションを含めた新たなビジネスの立ち上げなどに従事しています。

日本に限らず、企業の課題は、コーディングに明るい人材の不足

――今の日本における、企業ITを取り巻く環境はどのように変化しているとお考えですか。

コンセンコ氏 テクノロジーが進化するスピードが高まる中で、日本と諸外国の企業が共通して抱える課題は、ITに関する知識を持った人材、中でもコーディングに明るい人材の不足ではないでしょうか。テクノロジーだけではなく、ビジネスのスピードも加速する今、そのスピードに対応できるシステム開発の体制を整えなければ、競合に勝つことは難しくなっています。

 OutSystems Platformは、プログラミング言語のコーディングに熟達したエンジニアではない、いわゆる「シチズンデベロッパー」が、ビジネスに求められる機能を持ったシステムを開発できる点で、開発者やIT人材の不足という課題を抱えた企業の解決策となるテクノロジーです。

SB C&S ICT事業本部 販売推進本部 技術統括部 統括部長 荒川直樹氏 SB C&S ICT事業本部 販売推進本部 技術統括部 統括部長 荒川直樹氏

荒川氏 日本全体の課題であり、われわれ自身の課題でもあるのが、先ほどコンセンコさんも指摘された「技術者の不足」です。先立って、2025年にはIT人材が国内で43万人不足し、企業に残されたレガシーシステムの老朽化によって膨大な経済的損失が生まれるという「2025年の崖」(参考PDF)が話題ですが、われわれ自身、そしてITディストリビューターの立場としても、その最悪のシナリオをどのように回避するかを課題と捉えています。

 IT人材が不足するとされている一方で、ソフトウェア開発はより迅速に、システムはより柔軟なものにならなければいけません。そのジレンマを克服するに当たり、OutSystemsのローコード開発に基づいた「システム開発の民主化」と呼べるアプローチは、素晴らしいものだと思います。

 実は、導入に当たって、自分自身でもOutSystemsを触ってみましたが、「マクロが作れる」「ビジネスプロセスが理解できている」といったレベルのユーザーであれば、ある程度のトレーニングを受けることで、十分に使いこなせる製品だという印象を受けました。

企業ITを取り巻くエコシステムにおける日米の違い

――海外の状況との違いを感じているようでしたら、それもお聞かせください。

コンセンコ氏 日本と米国の大きな違いとして感じるのは、企業ITを取り巻くエコシステムの違いです。米国では、IT部門のアウトソーシング率が約3割なのに対し、日本では、ITに関する業務を外部に委託する率は7割ほどに達していると思います。日本企業が自社のITを迅速に進化させようとするとき、この外注比率の大きさは、一つの課題になるのではないでしょうか。

 近年、自社内にエンジニアを抱え、内製の比率を上げるトレンドも出てきていますが、まだITに関して、旧来のプロセスから脱せていない企業も多いようです。

 「アジャイル」というキーワードも注目を集めていますが、「実践しているアジャイル型開発が本当にアジャイルと呼べるものかどうか」については、再考の余地があるように思います。アジャイルとは呼べない開発プロセスで生産性を上げられずにいるうちに、DXの波に飲み込まれてしまうかもしれません。

――日本企業のDXや生産性向上に向けた取り組みについて、幾つかの課題を指摘されましたが、ソフトバンクグループでは、これらについてどのような考えを持っていますか。

荒川氏 まず、ソフトバンクグループ全体としては、AI、IoT(Internet of Things)、ロボットなど、これから先の成長領域にフォーカスしたビジネスに注力しています。われわれ、SB C&Sは、グループ内でITディストリビューションの事業を担っていますが、お客さまのITによる変革をビジネスとしてサポートするだけではなく、自分たちの企業としての在り方も変えていこうとしています。

 ソフトバンク株式会社のCEOである宮内謙が掲げる「Half&Twice」というスローガンがあります。「仕事にかかる時間を半分にして、生産性を倍にする」という意味です。これを実現するためには、われわれ自身が、新しいテクノロジーやプロセスに次々とチャレンジし、改革し続けることが必要です。DXの本質は、そこにあると思っています。

 このように対談では、日本における企業ITを取り巻く環境について、人材不足やエコシステムといった開発生産性の課題が浮き彫りになったが、日本企業は、DXの波に飲み込まれずに、チャレンジし、変革することができるのだろうか。対談は後編に続く。

※後編はこちら



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提供:OutSystemsジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2019年9月30日

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