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» 2019年10月16日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(58):「違和感駆動」で目標を見いだそう (3/3)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]
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目標の言葉を「問題」から「理想」に変える

 「これって、何かおかしいんじゃないか?」という違和感から、目標を見いだす方法をお伝えしました。

 可能な人にはさらに、「これって、何かおかしいんじゃないか?」から「本来なら、○○だったらいいな」へと、目標の言葉を「問題」から「理想」に変えると良いでしょう。

 というのも、「これって、何かおかしいんじゃないか? そのおかしさを正したい」「○○は問題だと思う。その問題を解決したい」という目標も、悪くはないのですが、「○○はおかしい」「○○は問題だ」のようなネガティブな言葉を使っていると、意識は、問題にばかり向いてしまいます。その結果、湧いてくるのは、怒りのようなネガティブな感情です。

 ネガティブな感情はエネルギーが強いので、「絶対解決してやる」といった使命感を抱くのにはいいのですが、前向きな気持ちにはなりにくいものです。

 また、目標を実現しようとするとき、自分一人の力では足りなくて、周りの友人や知人の力を借りたくなることもあるかもしれません。

 そのような場合に、「○○は問題だと思う。その問題を解決したい」というネガティブなメッセージに共感し、「そうだ! 問題だ! みんなで解決しよう。エイエイオー!」と協力してくれる人はいるでしょう。

 けれども、ネガティブで批判的なメッセージに共感するのは、ネガティブで批判的な人であることが多く、一致団結している間はいいのですが、ちょっとしたトラブルが起きると、批判的であるが故に、いざこざに発展しがちです。

 そこで、目標を立てる際は、言葉を「問題」から「理想」に変えることをオススメします。

「ストレスを抱えた人を減らしたい」→「楽しく働く人を増やしたい」

 例えば、先ほど、しごとのみらいのテーマ「もっと『楽しく!』しごとをしよう。」と、私の目標「楽しく働く人を増やす」を紹介しました。

 しごとのみらいのテーマは法人設立当初から変わっていないのですが、以前は「ストレスを抱えた人を減らしたい」「ストレスチェックをしてもストレスがなくなるわけではない」「ストレスは職場のコミュニケーションによって起こるのだから、本来は、コミュニケーションから解決すべきだ」といった表現をしていました。

 けれども、あるとき、「ストレスを減らすことも大切かもしれないけれど、そもそも、やりたかったことは何だったっけ?」と考えたら、「そうだ、私は楽しく働く人を増やしたかったんだ」ということに改めて気が付いたのです。

 それから、「ストレスを減らす」という言葉はあまり使わないようにして、「楽しく働く」ということを伝えるようにしてきました。

 すると、「楽しく働くっていうのは、いいね」と共感して協力してくださる人が現れたり、「楽しく働く職場を作るための、コミュニケーション研修はできますか?」といった問い合わせがきたりして、活動が理想の方に向きだしました。

 このように、言葉を「問題」から「理想」に変えることで、目標に対する自身の意識も前向きになりますし、理想に共感した人たちが協力してくれるようになります。

問題だらけの日本だからこそ、目標にしよう

 今回は「目標の描き方」についてお話ししました。

 このお話はTips的なもので、目標を見いだすためにはそれほど役に立たないかもしれないし、「生涯の目標」にまでたどり着くのは、そんなに簡単ではないかもしれません。

 けれども、目標を見いだす上で、違和感を大切にするのは、結構大事なのではないかと私は思います。

 また、今、日本社会は問題だらけです。それだけ、解決すべき課題がたくさんあるということ。「目標」とか、「やりたいこと」というと、ワクワク、ドキドキみたいなものを期待するかもしれませんが、問題を解決していくことも、立派な目標だと思います。

 そして、問題を前向きに取り組むためにも、「問題」のままにしておくのではなく、言葉を「理想」に置き換えること。そうすれば、前向きに、使命感を持って、目標に取り組むことができるでしょう。

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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