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» 2019年10月23日 10時00分 公開

HCI製品選定の過程と決め手は:省スペース、強力、シンプルな仮想化環境をコムテックはどうやって手に入れたか

コムテックはオンプレミスのハードウェアの老朽化という課題に直面。クラウド移行を含むさまざまなリプレース策を検討した結果、Dell TechnologiesのHCIアプライアンス「Dell EMC VxRail」の導入に至った。製品選定の流れや選定理由、導入後の効果は。

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後藤氏 コムテックの後藤昂軌氏

 コムテックは、主に金融やヘルスケア企業、IT企業を対象に、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業、システム開発および運用受託、顧客関係管理(CRM)システムの販売などを手掛けている。オンプレミスで複数の仮想化環境を運用する同社は、サーバ、ファイバーチャネル(FC)スイッチ、ストレージの3層(3Tier)で構成したハードウェアを設置して約6年が経過し、老朽化するリソースでは増え続けるタスクの処理が追い付かなくなっていた。それを解消するためにリソースの拡張を考えたものの、ラックスペースに余裕がなかったのでハードウェアを全面的にリプレースする方針で移行計画を検討した。以下、同社の後藤昂軌氏(情報システムグループ マネージャー)が「Dell Technologies ソリューション事例セミナー」で語った、比較検討の流れを見ていこう。

クラウドとオンプレミス、5つの選択肢×7つの評価軸

 まず後藤氏らが検討したのは、「クラウドに移行するか、しないか」という点だ。クラウドに移行する場合、「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」などのパブリッククラウドと、ホスティング型のプライベートクラウドが選択肢に挙がった。クラウドに移行しない場合、コムテックが従来運用していたブレードサーバ、FCスイッチ、ストレージで構成する3層型のハードウェアか、それらを統合したHCI(ハイパーコンバージドインフラ)が候補となった。

 このうちHCIについては、利用できるハイパーバイザーの違いに注目して、さらに2つを比較対象とした。1つ目は従来利用していた「VMware vSphere」(以下、vSphere)が利用できる製品、2つ目は「Hyper-V」など、それ以外のサーバ仮想化ツールも利用できるマルチハイパーバイザー対応製品だ。

 これらの選択肢を合わせると、以下の5つが比較検討の対象になった。

  • クラウドの場合
    • パブリッククラウド
    • プライベートクラウド
  • オンプレミスの場合
    • vSphere対応HCI
    • マルチハイパーバイザー対応HCI
    • 3層型ハードウェア

 加えて後藤氏らは次の7つを評価項目とした。まとめると表1のようになる。

  1. 占有スペース
  2. シンプルさ
  3. 移行のしやすさ
  4. 管理ツール
  5. 保守
  6. コスト
  7. ネットワーク
表1 表1 リプレース時の比較検討項目。OVFはオープン仮想化フォーマットの略《クリックで拡大》

7つの評価項目で重視したポイント

 この7つの評価項目についてどのような評価をしたかを、後藤氏は次のように振り返った。

1.占有スペース

 オンプレミスでデータセンターにラックを借りる場合であっても、ラックユニット単位でコストがかかるため占有スペースは小さいに越したことはない。この点で比較すると、クラウドならばユーザー側で設置する機器はネットワーク機器程度なので幅を取らず「○」。これに対しオンプレミスのHCIはサーバ、FCスイッチ、ストレージが統合され、それぞればらばらにラックに設置する3層型よりはスペース効率が高い。よってHCIが「△」、最もスペース効率の悪い3層型が「×」の評価となった。

2.シンプルさ

 一口にシンプルと言っても、構造が簡単で分かりやすいこと、新たなシステムの導入・運用に際して習得すべき技術や知識が少ないことなど、さまざまな要件がある。まずパブリッククラウドは、従来のオンプレミスとはシステムの構造が異なる上、各クラウドサービス固有の“お作法”を覚えなければならないので「△」。これに対しプライベートクラウドは、vSphereベースのサービスであればこれまでとさほど変わらないと考え「○」とした。オンプレミスについては、3層型は機器が多い分複雑なので「×」。HCIについてもプライベートクラウド同様、vSphereベースであれば変わらないため「○」の評価となった。

3.移行のしやすさ

 従来システムから仮想マシン(VM)を移行する際、オンプレミスへの移行ならば同一ネットワーク内で高速かつ安定して移動できるので、評価は「○」。クラウドへの移行は、さまざまな移行支援ツールや機能を利用できることがある。ただしパブリッククラウドの場合はネットワークの安定性に欠け移行に時間がかかることがある。プライベートクラウドの場合もフォーマット変換やシステムインテグレーション(SI)などが発生し、課題が生じる恐れがある。従って、両方とも「△」の評価となった。

4.管理ツール

 パブリッククラウドは、管理用Webサイトに加えてCLI(コマンドラインインタフェース)でも操作可能なサービスが複数あり、管理のためのAPIも充実している。さまざまな方法で操作できて自由度が高いことから「○」とした。これに対しプライベートクラウドは、パブリッククラウドと比べて自由度の低いサービスが多いと考え「△」とした。オンプレミスについては、HCIも3層型も機器が手元にある点は共通しているが、3層型は機器ごとに管理ツールが異なるケースもある。従ってHCIは「○」、3層型は「△」と評価した。

5.保守

 ハードウェア障害発生時や、不明点・疑問点が生じたときの助けとなるのがベンダーのサポートによる保守だ。クラウドは自社でのハードウェア管理が不要なため、自社で管理する場合と比較して問い合わせる場面が少なくなりやすい。問い合わせに対するベンダーのレスポンスも早いため「○」とした。オンプレミスについては、3層型およびマルチハイパーバイザー対応HCIは、少なくともハードウェア関連とVMware関連で窓口が分かれてしまうため「△」。一方vSphere対応HCIの中でも「Dell EMC VxRail」(以下、VxRail)は、窓口がDell Technologiesに一本化されていることから「○」の評価となった。

6.コスト

 パブリッククラウドにシステムを移行する際、コストを減らすにはパブリッククラウドに適した構成に変更することが欠かせない。今回のリプレースではシステムを見直す計画がなかったため、最適化した場合よりもコストがかさむことになり「△」。プライベートクラウドの料金は、オンプレミスでハードウェアを購入するのと変わらないので「×」。よって、自分たちの手元にシステムを置くオンプレミス、中でも高価な外部ストレージが不要なHCIが安いという評価に落ち着いた。

7.ネットワーク

 パブリック/プライベート問わず、クラウドはIPsec VPNで拠点間をつなぐだけでは速度が出ず、通信も不安定なため、専用の接続サービスを契約するのが一般的だ。そうなると手間やコストがかかるため、評価を「△」とした。これに対しオンプレミスは、既存LAN内で稼働でき、ネットワークを補強する必要があったとしてもスイッチを追加購入する程度で済むので全て「○」の評価になった。

結論

 今回のリプレース対象となったシステムは、大幅なスケールアップ、極端な高可用性、人工知能(AI)技術を含む最新技術は求めていない。そのような“シンプルに粛々と”運用する情報系サービスは「無理してクラウドに載せる必要はない」という結論に至った。とはいえ、スタッフが2人しかいない後藤氏らの情報システムグループにとって、3層構成のシステムを扱うのは手間が掛かり過ぎる。そこで、ノウハウを蓄積してきたvSphereベースのHCIに候補が絞られた。

 「正直、『3層構成のシステムはもうやっていられない、そこにエネルギーをかけたくない』という強い思いがありました」と後藤氏は語る。HCIは省スペースかつ構成もシンプルで、外部ストレージが不要なためコストも抑えられる。ノードを追加するだけで簡単に拡張でき、アプライアンスなので購入してすぐ使え、アップデートも専用管理ツールで実行できるという手軽さがある。こうしたメリットを踏まえ、「HCIを選定したのは当然の結果だったと思います」と同氏は振り返った。

VxRailを選んだ理由と導入効果

 コムテックが、数あるvSphere対応HCI製品の中からVxRailを選定した理由は何だろうか。その一つは、安定感・安心感だ。サーバ「Dell EMC PowerEdge」とソフトウェア定義ストレージ(SDS)「VMware vSAN」(以下、vSAN)の組み合わせによるVxRailは、ハードウェア/ソフトウェアの主要コンポーネントがDell Technologies製品で完結し、構成に圧倒的な安定感・安心感がある。そして最も重要なポイントは、保守窓口が一本化されており、問い合わせの応対で“たらい回し”される心配がない点にあったという。これ以外にも、他のHCI製品と異なりコントローラーVM(管理用VM)が必要なくサイジングの際に優位である点、VMの容量や数を入力していくだけで推奨構成が分かるサイジングツール「VxRail Xpress Sizer」が有用な点などを後藤氏らは評価した。

 今回のリプレース対象システムは、先々データが増加する見込みがあり、順次拡張できる構成が必須だったという。そこで後藤氏らは拡張しやすい1Uの「E560F」(オールフラッシュモデル)を5ノード導入した。この結果、従来の3層構成に比べ、ラック使用スペースを15U分削減できたことに加え、以下の通り大幅なリソース増強に成功した。

  • CPU:259.1GHz→415.04GHz
  • メモリ:1.5TB→3.74TB
  • ディスク容量:43TB→140TB(RAW)
表2 表2 VxRailの導入効果《クリックで拡大》

 パラメーターシート作成、受け入れネットワーク構成、導入・設定(現地設置とテスト)、検収というプロセスを経て、プロジェクト全体に要した期間は2週間程度。それまで利用していた3層構成システムを導入したときの半分程度の日数しかかからなかったという。導入・設定作業は専用のウィザードを使ってユーザー自身で実施することも可能だが、後藤氏らの場合は人的リソースに余裕がなかったこともあり、Dell Technologiesに依頼した。移行済みのVMは70個ほどだが、懸念点だったvSANの遅延などパフォーマンスに関する問題は全く発生しておらず、安定稼働している。導入後は管理ツール「VxRail Manager」のダッシュボードで環境全体の健全性をチェックする程度だという。

 「HCIは、より少ない負荷でオンプレミス環境を実現する優れた選択肢です。その中でもVxRailは、“純正”vSphere環境を提供する数少ないアプライアンスだと言えます。3層構成でvSphere環境を利用している企業にはお薦めの製品です」(後藤氏)

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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2019年11月8日

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