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» 2019年10月18日 10時00分 公開

既存の課題も同時に解決:ほぼ初心者の“ひとり情シス”はストレージのリプレースをどう乗り越えたのか

サボハニの“ひとり情シス”に、サーバとストレージのリプレースという大仕事が降ってきた。既存のさまざまな問題も解決しなければいけない中、インフラの“初心者”がいかにしてこのピンチを乗り越えたのかを本人が語る。

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初心者の“ひとり情シス”に任された大仕事

田端氏 サボハニの田端友美氏

 サボハニはパチンコ・パチスロ機の映像制作を主力事業に据え、業界大手である大都技研のパートナー企業として東京と大阪に拠点を構えている。同社に情報システム担当者として入社した田端友美氏は、2年後には文字通り“ひとり情シス”となっていた。

 前職では、金融系システムの保守業務として汎用(はんよう)機およびWindows用アプリケーションの提供、保守をしていた田端氏。転職先のサボハニでは、当時東京2人、大阪1人の計3人体制だった情報システムグループに配属された。ところがその後、担当者が次々に退職し、入社2年後に同グループのメンバーは田端氏1人になっていた。さらに部署統合で情報システムグループもなくなってしまった。「これが今話題の“ひとり情シス”か……」と感慨にふけっていた矢先、2010年から2012年にかけて導入し、保守切れが迫ったサーバとストレージをリプレースするという大仕事に直面した。

 「前職で多少の経験はありましたが、サーバは何度か触ったことがある、『Linux』も名前は聞いたことがある、といったレベルでした。サーバ、ストレージ、ネットワークなどのインフラについては、初心者同然だったと言えます」(田端氏)

 東京約50人と大阪約20人の開発チームは、比較的サイズの大きなデータをそれぞれの拠点にあるストレージに保管していた。当然、両拠点のインフラは東京にいる田端氏が1人で面倒を見ることになり、例えば大阪のデータをリモートでバックアップするといった業務もあったという。加えて、サボハニのインフラは幾つかの問題を抱えていた。

旧環境が抱えていた4つの問題点

 リプレース前のシステム構成を図1に示す。サボハニでは常時複数の開発プロジェクトが動いており、各プロジェクトのデータは主担当者が自拠点のストレージに保管し、それぞれ別のストレージにデータを同期して障害発生に備えていた。だが、東京は「Dell EqualLogic」(以下、EqualLogic)2台、大阪はファイルサーバ2台とArcserveのバックアップ製品を併用していた。拠点ごとにレプリケーションの構成が異なっていたのだ。

図1 図1 リプレース前のシステム構成《クリックで拡大》

 その上で田端氏は、次の4点を当時の問題点として指摘した。

  1. バックアップが各拠点で完結している
    • 両拠点ともレプリケーションによるデータのバックアップはできているが、そもそも各拠点内で完結しているため、災害復旧(DR)対策としては効果が薄い。
  2. サーバ設定の意図が不明で誰も手を付けられない
    • 東京に設置したEqualLogicは、ベンダーの担当者から設定に問題があることを指摘されていた。だが前任者は退職しており“アンタッチャブルな領域”となっていたため、何かあっても対処できない状況だった。
  3. サーバルームの環境に問題がある
    • 東京のサーバルームはスペースが狭く、これ以上機器を増やせなかった。大阪の方も、スペースには余裕があるものの空調機がよく故障して止まるという問題を抱えていた。
  4. パフォーマンス低下を頻繁に指摘される
    • 開発チームから「データのアップロードに時間がかかる」「データのコピーが遅い」など、パフォーマンスに関するクレームが頻繁に寄せられていた。

「Dell EMC Unity」を採用した理由

 ストレージのリプレースでは、旧環境の問題点を踏まえて下記3点を要件とし、製品選定および構成の検討を進めた。

  1. 拠点間の相互バックアップによるDR対策
    • 業務の性質上サイズが大きいデータを扱うため、ファイルサーバは業務効率を優先して引き続き両拠点に置く。ただし、DR対策を考え拠点間で相互にバックアップしたい。
  2. できるだけ小さな機器で省スペース化
    • 大阪は、空調のトラブルが続いていたサーバルームを廃止し、ルーターやPBX(構内交換機)などを置いている小部屋に機器を設置することにした。そのため、できるだけ設置スペースが小さな機器にしたい。
  3. もう「遅い」と言われずに済む、高い処理性能
    • サーバとストレージ間の通信やストレージ自体の処理性能など、予算の許す限り高性能な構成を選び、開発チームから「遅い」と言われないようにしたい。

 その結果、東京と大阪の両拠点にDell Technologiesのユニファイドストレージ「Dell EMC Unity」(以下、Unity)の「350F」(オールフラッシュストレージモデル)を導入することが決まった。検討のポイントについて田端氏は「コストを考えてSSDとHDDのハイブリッドモデルも検討しましたが、処理能力を優先し、省スペース性も実現したい、ということでオールフラッシュストレージモデルを推しました」と語る。リプレース後の環境は図2の通りだ。

図2 図2 リプレース後のシステム構成《クリックで拡大》

 ストレージに関する知識を田端氏があまり持っていなかったこと、EqualLogicの設定問題については対処不能であることから、導入作業はDell Technologiesに依頼した。「初めて見るパラメーターシートには戸惑いました。仮想環境で試しにシステムを構築し、パラメーターシートと見比べることで理解を深め、なんとか作成することができました」と同氏は当時の苦労を明かした。

 田端氏には「全てDell Technologiesにお任せしてしまうと、後々自分一人で設定を変更できなくなるのではないか」という不安もあった。だが管理ソフトウェア「EMC Unisphere」(以下、Unisphere)のGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)が非常に分かりやすく直感的に操作できたため、取り越し苦労に終わったという。「旧環境のEqualLogicは管理画面が分かりにくく、とっつきにくい印象でした。Unisphereは画面がシンプルで分かりやすく、操作性もユーザーフレンドリーです。ほとんどの基本的な変更や設定がUnisphereでできるので助かりました」(同氏)

 リプレースの結果、以前は拠点内で完結していたバックアップを拠点間で相互に実施する体制が完成。それにより、どちらかの拠点でなんらかのトラブルが発生しても、少なくともデータについてはもう一方の拠点にバックアップを確保できるようになった。

 さらに、バックアップデータを読み取り専用でアクセスできるように設定したことで、例えば大阪にいる開発担当者の「大阪のファイルサーバにあるデータをコピーして東京のメンバーに渡してほしい」といったリクエストにも、迅速に応えられるようになったという。「大阪のファイルサーバにあるデータのコピーは、インターネットを介するため時間もかかり、何かと大変でした。新環境では相互にバックアップしたデータをローカルでコピーできるようになったので、格段に楽になりました」(田端氏)

増え続けるデータへの対処が今後の課題

 ストレージのリプレースによって、3つの要件のうち「1.拠点間の相互バックアップによるDR対策」と「2.できるだけ小さな機器で省スペース化」の2つを実現できた田端氏。残る「3.もう『遅い』と言われずに済む、高い処理性能」についても、今のところ問題なさそうだが、開発チームの利用状況と併せ引き続き様子を見るという。

 サボハニでは今後もデータが増え続けることが予想されるため、古いデータのアーカイブに関する運用ルールを早急に見直し、Unityに置くべきデータを明確にすることを検討している。限られた容量の中でUnityをフル活用し、無駄なく、効率良くデータを管理していく計画だ。

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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2019年10月29日

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