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» 2019年12月16日 10時00分 公開

ニッチプレイヤーからメインストリームへ:マルチクラウド/ハイブリッドクラウド時代の要望に応えるオブジェクトストレージとは――Cloudian CEOが語る世界の動向と日本への期待

ハイブリッドクラウド化のトレンドから、エッジコンピューティング、オンプレミス回帰……さまざまなキーワードから、オブジェクトストレージを取り巻く現状について、CloudianのCEO、マイケル・ツォ氏に話を伺った。

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進展する「ハイブリッドクラウド化」へのアプローチ

ALT Cloudian
CEO(最高経営責任者)
マイケル・ツォ 氏

 「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)を筆頭に、活用する企業が増えているオブジェクトストレージ。少し前まではニッチなプレイヤーだったオブジェクトストレージも、今やメインストリームになったといっても過言ではない。

 人気の上昇に比例して導入企業も増えているが、中でも注目を集めているのが「Cloudian」だ。Amazon S3との100%互換をうたい、自社のオンプレミス環境にオブジェクトストレージを構築できるとして高い評価を受けている。最近では、VMwareやSeagateとのパートナーシップを発表するなど、IT業界の中でも異なる分野の企業との提携も目立つ。

 そして今回、日本市場での体制強化を目指し、ネットワールドとディストリビューター契約を締結。オブジェクトストレージを取り巻く現状から日本市場への期待まで、Cloudianの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のマイケル・ツォ(Michael Tso)氏に話を伺った。

 ツォ氏は「今、多くの企業が特に興味を持っているのが、ハイブリッドクラウドです」と話す。以前は「いずれパブリッククラウドへ全面移行する」という考えが主流だったが、ここ2年ほどで「ハイブリッドクラウド/マルチクラウドが理想形なのではないか」といわれるようになったという。

 2018年12月にはAmazon Web Services(AWS)がオンプレミス向けサービス「Amazon Outposts」を発表。パブリッククラウドで圧倒的なシェアを誇るAWS自身が、ハイブリッドクラウドの重要性を認めた証拠ともいえる。AWSがパブリッククラウドからオンプレミスへアプローチするのに対し、VMwareなどオンプレミスからクラウドへの展開を進める企業も増えている。

 Cloudian自身も2019年6月、VMwareがクラウドサービスプロバイダーに提供しているクラウド管理プラットフォーム「VMware vCloud Director」に対応したオブジェクトストレージソリューション「Cloudian Object Storage for VMware vCloud Director」を発表。これによってVMwareクラウドサービスプロバイダーは、ハイブリッドクラウド環境においても単一のインタフェースでオブジェクトストレージサービスをユーザーに提供することが可能になる。

 「Cloudianはオンプレミス、クラウドを問わず、同じビジョンで製品を展開しています。パブリッククラウドとオンプレミスの両方からハイブリッドクラウド化のアプローチが進む今、Cloudianへの注目が高まっているのを感じます」(ツォ氏)

 実際、以前は最新技術を積極的に取り入れる先進的な企業の導入が多かったCloudianだが、最近はあらゆる企業での導入が進んでいるそうだ。

オブジェクトストレージに求められる3つの「V」とは?

 オブジェクトストレージへの関心が高まる中、Cloudianの評価が高い理由はどこにあるのだろうか――。

 「非構造データを中心に膨大なデータを扱うオブジェクトストレージにおいて、重要なのが、『Velocity(迅速さ)』『Volume(容量)』『Variety(多様性)』の3つです。Cloudianはもちろん、全てをクリアしています」(ツォ氏)

 例えば、IoT(モノのインターネット)企業や半導体企業、自動車会社などでは、IoTセンサーや工場で収集したデータを全てCloudianに保管している実績がある。これら大量のデータを保管し、処理するには「Volume」と「Velocity」がなければ対応することができない。

 「Volumeの観点の事例として、北米男子プロバスケットボールリーグのNBAでは、これまでに制作した映像など、全ての歴史をCloudianに保管しており、その容量は数百PB(ペタバイト)に上ります。また、日本のドワンゴは、画像/映像をはじめ、あらゆるタイプのデータをCloudianに保管しています。まさに“Variety”です」(ツォ氏)

 それだけではない。「複数箇所で分散管理するとしても、1箇所で集中管理するとしても、データを移動しようとするとコストもエネルギーもかかって難しい。ですから、データはなるべく移動せず、保管場所の近くで処理することが理想です」(ツォ氏)。データを離れた場所まで移動(転送)するのではなく、データが生成された場所の近くで保管/処理した方がいい、ということだ。昨今注目を集める、エッジコンピューティングの考え方である。ここでもデータの保管場所としてCloudianは有効だ。

 さまざまな場所でデータを管理するとなると、セキュリティも課題になる。ユーザーのセキュリティ要件も高まっているが、「Cloudianは最も安全なストレージプラットフォームとなるべく努力してきました」(ツォ氏)と言う通り、暗号モジュールに関するセキュリティ要件の仕様を規定する米国連邦標準規格「FIPS 140-2」セキュリティ認定なども取得。セキュリティ要件の厳しい米国防省のクラウドプラットフォームにも採用されている。

 さらに、「ストレージに保管するデータが決して変化しないこと。これが、企業が重視することであり、われわれはこれを保証できなければいけないと考えます」(ツォ氏)として、データ保護ソリューションを展開するVeeam Softwareとも提携。ランサムウェア対策などを含めた、さらなるセキュリティ向上を図っている。「日本企業特有のニーズや、かなりニッチな要望に応える機能も実装済みです」(ツォ氏)という点は、日本生まれであるCloudianだからこその特長といえる。

「オンプレミス回帰」においてもCloudianが有効な理由

 最近のトレンドとしては、AWSやMicrosoft Azureなどから自社環境へ戻す“リパトリエーション”ユーザーの増加が挙げられる。この点に関しても、Cloudianならば問題ないという。

 「米国でビデオ会議を展開するある企業は、AWS上にシステムを構築していましたが、Cloudianに移行しました。最初は1箇所でしたが、その後12カ国に展開して稼働しています」(ツォ氏)

 このような移行がスムーズに進むのは、やはりAmazon S3への100%互換があるからだ。他社のオブジェクトストレージはゲートウェイで互換性を担保するにとどまり、内部処理までは準拠していない。Cloudianはネイティブに互換性を持ち、全ての動作でAmazon S3に準拠する。

 「もちろん、クラウドを完全にやめよう、と言うつもりはありません」とツォ氏。オンプレミスのCloudianを“セーフティネット”として活用し、クラウドとオンプレミスを自由に行き来すればよいのだ。

 「繰り返しになりますが、データの移動は難しく、コストもかかります。そのため、最近ではデータのコピーをオンプレミスに持っておきたいという需要が増えています。データのコピーさえあれば、クラウドを使わなくなったときに転送料を払ってデータをダウンロードする必要がなく、削除するだけでよくなります。こういった用途においても、Cloudianのメリットは大きいでしょう」(ツォ氏)

大きなポテンシャルを秘める日本市場に期待することは?

ALT ネットワールド
代表取締役社長
森田 晶一 氏

 先進的な取り組みを進める企業から一般企業へと、オブジェクトストレージのニーズと市場が広がる現在、Cloudianは日本における販路拡大に向けてネットワールドと提携した。

 「VMware vCloud Director対応ソリューションを展開するなど、VMwareとの連携を深める今、VMwareも含めたソリューション提案をできるパートナーネットワークを持つネットワールドと提携できた意味は大きく、まさにベストなタイミングだったといえるでしょう。ネットワールドは日本での幅広い企業へのシステム導入を手掛けてきた実績も多く、そのエコシステムに大きな期待を寄せています」(ツォ氏)

 ネットワールドの代表取締役社長 森田晶一氏は、Cloudianとの提携の背景を次のように語る。

 「われわれも顧客に対して、ハイブリッドやマルチクラウドなどのオンプレミス/クラウドのインフラを提供したいと考えてきました。その中で、特に注目をしてきたのがAmazon S3互換のオブジェクトストレージです。オブジェクトストレージの利用は、ピラミッドの頂点にいる技術的に先進性を持つ企業から、今後は普通の企業にまで確実に広がると考えています」

 森田氏は、また、VMware製品などオンプレミス環境を手掛けるシステムインテグレーター(SIer)にとっても「どのようにしてオンプレミスにクラウドライクなストレージ環境を構築するかが求められています」と指摘。「その有力な選択肢がオブジェクトストレージです」と強調した。その上で、ユーザー企業の広がり、SIerの支持もあり、ネットワールドとCloudianとの提携は「ベストなタイミングでの、ベストなパートナーシップです」と評価する。

 ネットワールドでは、Cloudianに関するハンズオンセミナーを開催する他、自社で提供するPoC(概念実証)ガレージや、プリインテグレーションセンターという自社データセンター内にデモ環境を構築する予定だ。

 「本当にAmazon S3互換で動くのかどうかを確認していただくことができます。これによってユーザーに本当の安心感を与えることができると考えています」(森田氏)

 10年前、ストレージはただのデータの置き場所だったが、今は違う。データの内容や性格、用途に合わせたストレージが求められるようになったのだ。

 「ここ2年ほどで日本の環境も大きく変わり、高額なストレージに保存するのではなく、低コストで保存する方法へと大きくシフトしています。その結果、大量のデータを保存して活用したいという意向も強くなり、非常に面白い案件も増えています」(ツォ氏)

 さらに、AI(人工知能)のトレンドもある。AIを成長させるにはそれだけデータも増やさなければならない。データを保存しなければ何も始まらないのだ。

 「高齢化社会などの課題を抱える日本ではAIのニーズも高く、率先して導入が進むのではないでしょうか。こうした新技術の活用が進むことで、世界のITリーダーになれるポテンシャルがあると感じています」(ツォ氏)

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提供:株式会社ネットワールド
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年1月15日

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