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» 2019年12月19日 05時00分 公開

コンサルは見た! 情シスの逆襲(最終回):1億2000万円を着服しようとしたのは誰だ!――仁義なき戦い 大連謀略編 (2/3)

[ITプロセスコンサルタント 細川義洋,@IT]

黒幕はアナタね

murakami

 そのとき村上が立ち上がり、会議室の外に向かって走り出した。

 しかし出口には、美咲の同僚の白瀬が立ちはだかっていた。ラガーマンだった白瀬の巨体に跳ね飛ばされ、村上はひざまずいてしまった。

 「見苦しいぞ、村上君!」

 声を上げる鈴木の横顔を、村上はにらみつけた。

 同じく鈴木の顔を見ながら、「あら、『私は被害者ですー』って顔ね」と、からかうように美咲が言った。

suzuki

 「何を!」

 鈴木が美咲をにらんだが、美咲はひるまない。

 「私どもは本田支社長から、全て伺っております。全てのシナリオを書いたのは、鈴木さん、アナタですね。村上さんを社長に据えて、自分も会長に復帰しようと画策なさった。本田さんは大学のゼミの後輩なんですってね」

 鈴木が目をつり上げたが、美咲は続けた。

 「私たちがルッツ・コミュニケーションズの日本支社を訪ねたときに、本田さんが電話で話していたのは、アナタだったんですね。『プロジェクトを打ち切るのが早過ぎる。あれでは不自然だ』と責めるアナタに、『こちらだって台所が苦しい、早々に決着させて金をもらいたい』と反論した。そんな内容だったそうですね」

 会議室内の怒号は一層大きくなったが、鈴木は目を閉じて座ったままだった。



 数日後。

 鈴木は自分が保有する株式を会社に無償で譲渡し、二度とラ・マルシェに近づかないことを約束させられた。村上は退職金なしでの依願退職となった。

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