クラウド活用で医療は劇的に変わる――社会に大きなインパクト生み出すDXを主導する2020年の新しいエンジニア像医療ITはいまだ2000年代を生きている

医療従事者の慢性的な人材不足、いまだに紙ベースでの運用が主流の非効率な情報管理、連携不足で個別最適な情報システム――医療業界の「負」をテクノロジーで解決するために、本気のエンジニアたちが集結した。

» 2019年12月26日 10時00分 公開
[PR/@IT]

エンジニア民族大移動の歴史

 コンピュータや情報システム、ましてや電子計算機ではなく、「IT」という言葉が一般にも広く浸透しはじめたのは2000年代の初めごろだ。Webが身近なメディアとなってGoogleやYahoo!といった検索エンジン(ポータルサイト)が一気に普及。これに伴い、従来のシステムエンジニアやプログラマーの枠では捉えられない、おしゃれでカッコいいエンジニアやデザイナーが登場し、注目されるようになった。

 2010年代に入って盛り上がってきたのは、「ソーシャル」というキーワードだ。FacebookやTwitterなどのSNS、DeNAやGREEに代表される“ソシャゲ”の企業がもてはやされ、大量のエンジニアやデザイナーが集まった。さらに2010年代後半は、メルカリに代表されるC2Cやエンターテインメント系の企業にスポットが当たるようになり、エンジニアやデザイナーもそうした企業に大移動した。

 ――2000年以降のIT業界をざっくり振り返ってみると、エンジニアやデザイナーの人気を集めたのは、toC系のサービスやコンテンツ、エンターテインメントを手掛ける企業だったように思える。

 しかし、時代は変化していく。2020年代は、これまでとは違ったタイプの企業が注目されるようになるだろう。

 次のトレンドを読み解く上で重要なヒントとなるキーワードが「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。クラウド、IoT、AIといった最新のデジタルテクノロジーを駆使して新しいサービスやビジネスモデルを創出する企業が台頭し、社会の仕組みそのものを変えていく。この流れは今後ますます加速し、本格化していくと考えられる。

2000年代を生きる医療ITの現状

 DXは伝統的な業界にこそ求められている。その代表が医療業界だ。

 2025年、1947年から1949年生まれの団塊の世代が75歳以上になる。その人数は約800万人に上ると見られ、さらに上の世代の1500万人と合わせると2300万人、実に国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢社会が到来する。

 このいわゆる「2025年問題」で最も大きな影響を受けると考えられているのが医療業界だ。後期高齢者の人口が急増する一方で、若い世代の人口と労働力は減少を続ける。50年前までは、65歳以上の高齢者を1人支えるのに約10人の現役世代がいたが、2020年にはそれがわずか2人になってしまうという推計もある。医療業界も需要と供給のバランスが崩れ、医師や看護師など医療従事者の労働環境が、さらに過酷になっていくと予想されている。

 また、後期高齢者が急増する中では、これまでと違った医療や介護サービスの拡充が求められる。

 例えば、足を骨折して救急病院に受け入れた高齢の重症患者が、その後に肺炎を併発する、認知症が進行するなど容体が変化していく。また、退院可能な状態になっても引き取る家族がいない、これまで入っていた高齢者福祉施設にも戻れないなどの事情で、そのまま救急医療で対応せざるを得ないケースも増えている。こうした超高齢化社会の問題が医療の現場で顕在化しているのである。

 医療費は既に増加の一途をたどっており、国家財政における社会保障費の圧迫は避けられない。実際、2012年に40兆円だった医療費は、2030年には60兆円以上に膨れ上がると試算されている。この流れにどこかで歯止めをかけなければ、やがては国民皆保険制度の存続さえも危ぶまれる。

 だが、医療業界自体にこれまでどんな変革が行われてきたかというと、ほとんど動きがなかったのが実情だ。特に遅れていると言わざるを得ないのが「IT活用」だ。

 「日本の医療ITは、いまだに2000年代を生きています」と指摘するのは、「メドレー」取締役CTO(最高技術責任者)の平山宗介氏である。

 大規模な医療機関では電子カルテなどITシステムの導入がそれなりに進んでいるように見える。しかし、その電子カルテの中身をよく見れば、極論すれば診療報酬の計算用のデータをまとめているにすぎないのが実態だ。

 ある大学病院の医師も「臨床業務において必要な、職種間でのリアルタイム情報共有や経時的な患者状態記録管理、研究や教育において必要な高度な臨床情報の蓄積などの機能には限界がある」と語っている。要するに電子カルテに蓄積された情報だけでは、スムーズな多職種間連携や地域医療連携、信頼性の高い臨床研究を行うことが現状はできないのである。

 「一般企業では2000年ごろから、仮想化技術の進化を背景としたITシステムのクラウド化が進んできたのに対し、医療業界では2010年にようやく診療録の院外持ち出しに関するガイドラインが変更され、クラウド電子カルテに関する議論が始まったばかりです。10年遅れで社会を追い掛けている状態です」と平山氏。

 医療は社会保障であり、一般経済とは同じ尺度で測れない部分もある。ただ、IT活用という側面において、医療業界は独自の進化を遂げてしまった。「厚生労働省、総務省、経済産業省の3省が定めた医療情報システムに関する法令や規制、古くからある商慣習、医師とベンダーの関係性など、多岐にわたる課題が複合して今の状態を作り出しています」と平山氏は語る。

取締役CTO 平山宗介氏

医療機関⇔医師⇔患者がつながるオープンな医療

 冒頭の話に戻ると、Web〜ソーシャル〜エンターテインメントと「民族大移動」を行ってきたエンジニアやデザイナーたちの動きに、変化が起きている。

 キーワードは「社会貢献」だ。これまでの「JOY」を追求する方向から、さまざまな「社会課題を解決する」事業に、優秀なIT人材が集まってくるという新たなトレンドが生まれつつある。

 医療という社会貢献性の強い領域で事業展開する「メドレー」もその一つだ。2009年に創業したメドレーは、その後の10年をかけて、医療領域の課題をテクノロジーで解決することに挑んできた。

 医療介護福祉の人材採用システムの「ジョブメドレー」に始まり、オンライン医療事典「MEDLEY」、医療に強い介護施設、老人ホームの検索メディア「介護のほんね」、オンライン診療システム「CLINICS」、クラウド型電子カルテ「CLINICSカルテ」と、インターネットを活用して提供してきた多様なメディアやサービスがこれまでの実績だ。2018年11月には、医療ヘルスケア分野における技術のオープン化および情報の利活用を推進するプロジェクト「MEDLEY DRIVE」を発表した。

 「医療機関、医師、患者がつながるオープンな医療を実現する」というグランドデザインを描き、医療領域におけるIT活用支援に注力。「紙や、ローカルネットワークを使ったオンプレミス型のシステムでは、いつまでもオープンな医療は実現できません。医療に関する全システムのクラウド化を通じた、テクノロジーによる医療の変革を本気で目指しています」と平山氏は強調する。

それぞれのキャリアをへた“挑戦”

プロダクト戦略室 プロダクトマネージャー 波切雅也氏

 メドレーは最終的に、医療に関わる全ての「紙」を電子化&クラウド化し、シームレスにシステム連携させることで、患者と医療機関の双方がテクノロジーの恩恵を受けられるプラットフォームやエコシステムを構築することを目指している。クラウド医療支援やオンライン診療などのサービスは、その一環だ。

 こうしたメドレーのビジョンを具現化していくフラッグシップ的なチームが「プロダクト戦略室」だ。少数精鋭のプロフェッショナル集団である同チームには、どんなエンジニアが集まっているのだろうか。

 プロダクトマネージャーを務める波切雅也氏は、もともとはデザイン会社でエディトリアルデザインやグラフィックデザインに携わっていたクリエイターだ。

 「Webサイト作りから派生したUI(ユーザーインタフェース)を手掛けるようになり、その知見を生かして社会に貢献できる仕事をしたいという思いが高まってきたのが、メドレーに転職したきっかけです」と語る波切氏。

 自らのテーマとするのは、医療のさまざまな現場で発生している“滞留”の解消だ。「医師や看護師、介護士が減少していく中で手が回らなくなってしまいます。拡大していく医療サービスの需要と供給のギャップを埋めるのがテクノロジーであり、私たちには誰もが安心できる医療を現在の社会保障制度と共に、次の世代に渡していく使命があります」と波切氏は語る。

プロダクト戦略室 エンジニア 牧俊男氏
メドレーは、技術者を全員「エンジニア」と呼んでいる(平山氏のブログTHE エンジニアより)

 エンジニアの牧俊男氏は、日本を代表する大手電機メーカーから中小企業向け基幹システムを開発しているベンチャー企業を経て、メドレーへ転職してきた。

 「なかなかDXを受け入れられない業界に対するもどかしさを自分のモチベーションに昇華できる場として選んだのが、メドレーです」と牧氏は語る。現在は新規事業のアプリケーション開発を担当し、「患者サイドにも役立つ仕組みづくりを進めています」と話す。

 「テクノロジーで社会課題の解決に貢献したいという意識を持つ優れたエンジニアが、メドレーに集まってくれました」と平山氏。今後も同じ思いを胸に抱くエンジニアと積極的にジョインしながら、医療業界のDXをリードしていく考えだ。

写真:山本華漸

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