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» 2020年02月05日 05時00分 公開

Go AbekawaのGo Global!〜Juan Martinez編(前):「全く分からないけど、しょうがないので超スピードで学んだ」――勉強嫌いの少年がスーパーマンに (1/2)

エルサルバドル出身のJuan Martinez(ファン・マルティネス)氏。大学院に行くまでプログラムとは無縁だった同氏が「新しい言語を覚えるのが苦じゃなくなった」理由とは何か。

[取材・文:阿部川久広(Go Abekawa), 構成:中村篤志,@IT]

 世界で活躍するエンジニアの先輩たちにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回はクラウド名刺管理サービスを提供する「Sansan」のJuan Martinez(ファン・マルティネス 「i」の上にアクセント符号が付く)氏にご登場いただく。

得意分野は「勉強」

阿部川“Go”久広(以降、阿部川) お生まれはどちらですか。

マルティネス氏 エルサルバドルです。中央アメリカに位置する一番小さな国なんですよ。1986年生まれなので2019年で33歳になります。つまり「Sansan」(サンサン)です(笑)。

阿部川 すごいPR力ですね(笑)。小さいころは、どんな子どもでしたか。

マルティネス氏 とてもうるさい子どもでした。それは大きくなっても変わっていませんね。大学の教授にはいつもうるさいと言われていましたし(笑)。高校に入学するくらいまで、勉強が好きではなかったのでいつも騒いでいました。

阿部川 そのころはどんなことに興味があったのですか。

マルティネス氏 ビデオゲームをやったり、友達とサッカーをしたり。それと恐竜が大好きでした。ビデオゲームでよくやっていたのが、“Age of Empire”で、ご存じですか? リアルタイムストラテジーゲームです。国内では結構うまかったと思うんですが、オンラインで他の国の人と対戦すると全然ダメでしたね。

 近所の友達とサッカーもよくやりました。道路の端と端に石を置いて、ゴールに見立てて試合などをして遊んでいました。

阿部川 プロサッカー選手になろうとは思いませんでしたか。

マルティネス氏 いいえ。ただ楽しくてやっていただけでしたから。今思えばクレージーですが、当時の私の夢は医者やデザイナーでした。結局どれにもなっていませんが(笑)。

画像 Sansan」のJuan Martinez(ファン・マルティネス)氏

阿部川 いえいえ、現在マルティネスさんはエンジニアじゃないですか。コンピュータの医者(ドクター)みたいなものですよ。

マルティネス氏 まあ、経済学のドクター(博士)ではありますが(笑)。

阿部川 ははは。最初に「高校までは」とおっしゃっていましたが、高校に入学してからは勉強が好きになったのですか。

マルティネス氏 そうですね。高校で先生に「もっと勉強すれば、きっと奨学金がもらえるぐらいになれる。外国で勉強する機会もきっと訪れるだろうから、もっとしっかり勉強した方がいい」と言われたんです。それがきっかけで「じゃあ勉強を頑張らないとな」と決意しました。

阿部川 良い先生ですね。得意な教科はありましたか。

マルティネス氏 特に得意な教科はなかったですね、あえていうなら「勉強すること」自体が得意でした。

阿部川 勉強すること自体が得意とはすごいですね。

マルティネス氏 自分の知らないことを学ぶこと、あるいは自分がそれまでできなかったことができるようになることがとても好きなのです。だから趣味も多いのですよ。例えばギター。高校のときは、プログレッシブロックやメタルロックが大好きで、ギターで弾けるようになりたくて独学で勉強しました。この手のロックが好きな理由は曲の構成やテクニックがとても複雑だからです。難しいパートがあると燃えるじゃないですか(笑)。

阿部川 なるほど(笑)。

ギターと勉強に明け暮れた大学時代

阿部川 その後大学に入学されますね。大学名は、ええと、発音が正しいか不安ですが、エスキュールスペリア……。

マルティネス氏 Escuela Superior de Economia y Negocios(※注)。ビジネスと経済学の上級学校といった意味です。ビジネスと経済専門の大学で、日本で言えば一橋大学がイメージに近いと思います。

※正しくはEconomiaの「i」の上にアクセント符号が付く

 当時は専科がビジネス経済学部と法律学部の2つしかありませんでした。この大学は3学期制で、それぞれの学部が、互いの学部の教科を学ぶシステムになっていました。だから、私はビジネス経済学の学生でしたが、会計学や法律学も学ばなければなりませんでした。

阿部川 「社会科学に関する教科の全て」といった感じですね。勉強は大変でしたか。

画像 阿部川“Go”久広

マルティネス氏 そうですね、あまり楽しくない勉強はありました。専攻は経済学だったんですが、経済学を理解するためには統計学の素養が必要なんです。でも、最初は統計学の勉強がとても嫌でした。だから、早く終わらせたいと思い、集中して勉強しました。そしたら知らず知らずにできるようになりました。

阿部川 知らず知らずにですか……「勉強することが得意」というのも納得です。なぜこの大学を選ばれたのですか。

マルティネス氏 非常に高いレベルで経済学を教えてくれることに定評がありましたし、シカゴ大学からのサポートもあったので、将来とても役に立つだろうと確信し、入学しました。

阿部川 大学ではどのように過ごされたんですか。

マルティネス氏 時間に余裕のあるときはギターの練習をしました。でも、アカデミック的に大変厳しい大学でしたので、ほとんどの時間は勉強していました。一番好きだった学科は計量経済学で「統計学的な手法で経済学を考える」ところが面白かったです。

阿部川 プログラミングなどは学ばれたのですか。

マルティネス氏 いいえ、全く学びませんでした。だから大学を卒業したときにはコンピュータに関する知識や、例えばBASICなどのプログラミング言語の知識がほとんどありませんでした。

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