Special
» 2020年02月20日 10時00分 公開

パブリッククラウドへの一本化は正しいのか?:クラウドからオンプレミスへ──最新のITプラットフォームの選び方

企業が目指すべきITインフラの姿はパブリッククラウドに収束するのか? オンプレミスとクラウドの関係は? これらを支えるサーバには何が求められているのか? ニュータニックス・ジャパンが2020年1月に東京で開催した「インビジブルプラットフォームの実現 それはEnterprise Cloudの実現への近道 One Platform. Any App. Any Location.」から、登壇者の講演内容を紹介する。

[PR/@IT]
PR

企業ITが目指すべきは“広義のクラウド”

 “ビジネスを支えるIT”が当たり前になり、“新しいビジネスを生み出すIT”へと変化している昨今、多くの企業では今後のITをどのように創り上げていくか、苦慮しているに違いない。特にインフラ部分は、クラウドやコンバージドシステムなどさまざまな技術の発展によって選択肢が大きく広がり、選定に悩んでいるIT担当者も少なくないはずだ。

アイティメディアの三木泉

 アイティメディア プロフェッショナル・メディア事業本部 編集企画局 IT編集統括部 シニアプロデューサー 三木泉の講演「クラウド? オンプレミス? ハイブリッド/マルチクラウド? あなたの予想は5年後、外れている可能性が高い。そんな時代の指針とは?」では、タイトル通り、揺れ動く時代で何を選択していくべきか、どのように考えるとよいのかを示した。

 現在、パブリッククラウドを活用する企業が増え、メディアでも利点が声高に叫ばれている。だが、企業の全てのニーズを満たす、万能な白馬の騎士ではないと話した。

 例えば、パブリッククラウドの利点の一つとして「堅牢(けんろう)性」や「運用性」を強調する記事は多い。ファシリティを含めて可用性が極めて高く、インフラ管理を完全に任せられるという論調だ。だが、各データセンターの設備に特別なものを使用しているわけではなく、有能な運用エンジニアをどれだけ雇っているかも分からない。

 「ハイパースケールパブリッククラウドベンダーのビジネスは“スケールするIT”であり、その最も得意とするのは“自動化”です。多数の有能な運用プロフェッショナルを雇わなくても、運用管理できるように工夫しているのです。そしてこうした事業者は“最大多数の最大幸福”を目指しています。個々のサーバの散発的な故障は“障害”と認識しません。クラウドでは、落ちてはならないアプリケーションを落とさないようにするという意味での可用性は考えません。つまり、割り切って使えるかどうかがポイントなのです」(三木)

 パブリッククラウドは共有環境なので、スケール効果が働いてリーズナブルに利用できるというメリットが生まれる。だがスケール自体が、障害からの復旧における“敵”となることもある。例えばAmazon Web Services(AWS)の米国リージョンで2011年4月に発生したネットワークに起因する障害では、ストレージの冗長性を確保する自動メカニズムが生み出した大量のトラフィックがネットワークを飽和させ続け、復旧を遅らせることになった。

 また、AWSは以前、既存ITベンダーの高マージン体質を批判していたが、AWSの純利益率は最近二十数%を維持しており、他のITベンダーと比べて低いわけではない。その高い利益率で、Amazon本体を助けている状況だ。

 もちろん三木は、パブリッククラウドを否定しているわけではない。その逆で、複雑で高コストになった既存のITのしがらみを振り切るには有効な手段だ。また、ガートナーは日本がクラウド利用に関して“抵抗国”だと表現しているが、これはデジタルトランスフォーメーション(DX)など、新たなアプリケーションに日本企業がどれだけ取り組んでいないかを示しており、ここに危機感を持つべきだとする。

 「世の中のニーズは“広義のクラウド”──すなわち汎用(はんよう)のインフラコンポーネントを用いて運用を自動化し、技術を意識せずに活用できる環境へとシフトしつつあります。もしオンプレミスを“広義のクラウド”化できるのであれば、用途に応じてよりシンプルにインフラを選択できるようになるはずです。例えばNutanixの技術、製品は、オンプレミスの欠点を補って “広義のクラウド”を目指すものといえるのではないでしょうか」(三木)

オンプレミスでもパブリックでも“クラウド”が浸透する企業IT

 Nutanixは、主流のITインフラとなった「ハイパーコンバージドインフラ(HCI)」の“生みの親”といえる企業だ。クラウドの規模で動いているアーキテクチャを、そのまま持ちこむのではなく、オンプレミスの規模感へ最適化し、クラウドのメリットや使い勝手を再現したのがNutanixのHCIだ。その特徴は「特殊なハードウェアを用いないソフトウェアによる制御」「スケールアウトを前提とした設計」「自己修復/回復機能」「豊富な分析機能と自動化、自律化の追求」といった、いわゆるWebスケールエンジニアリングにある。

ニュータニックス・ジャパンの川田智史氏

 ニュータニックス・ジャパンのシニアシステムズエンジニア 川田智史氏は、「Nutanix Enterprise Cloudが展開するハイブリッドクラウドソリューション」と題した講演で、現代の企業に必要なクラウド技術をオンプレミスに取り込むNutanixのコンセプトと技術について解説した。

 Nutanixが予測するこれからの企業ITの姿は次のようなものだ。メインのデータセンターや各地域の拠点、IoTのようなエッジ、クラウドネイティブなアプリケーション、特定用途や補助などに用いるパブリックサービスといった、多様なクラウド技術とサービスを組み合わせたものになる。オンプレミスにもクラウド技術が応用されて、パブリックサービスを含めて相互に連携し、いずれもクラウドライクに利用できるというイメージだ。

 「Nutanixの技術は、既存のオンプレミスITをクラウドへ移植したり、オンプレミスとパブリックサービスを併用するため一元的に管理したり、特定の用途向けのクラウドサービスを活用したりする際に有用です。“1つのプラットフォームで、あらゆるアプリケーションを、あらゆる場所(one platform. any app. any location)”で活用できるようにするための技術なのです」と川田氏は強調する。

 Nutanixは、例えばマルチクラウド環境の管理には、アプリケーションや仮想マシンの展開と運用を含めたライフサイクル全体の管理の自動化を図る「Nutanix Calm」、コストやセキュリティ、コンプライアンスを可視化して統制する「Xi Beam」などを提供している。

 特定用途のクラウド活用をサポートするのは、クラウドサービス上にディザスタリカバリ(DR)環境を構築できる「Xi Leap」や、スタッフが日常的に利用するデジタルワークスペース/DaaS(Desktop-as-a-Services)を展開、運用するための「Xi Frame」などだ。

 パブリッククラウド環境でNutanixの技術を活用する手段も開発中だ。Amazon EC2のベアメタルインスタンスにNutanixのコアOSであるAOSをデプロイできる「Nutanix Clusters on AWS」である。

 一方で、パブリッククラウドでよく使われる技術をオンプレミスへ取り込む機能も豊富である。例えば「Nutanix Karbon」は注目を集めるコンテナオーケストレーションソフトウェア「Kubernetes」のクラスタをNutanixのHCIへ展開、管理するためのソリューションである。データベース管理プラットフォーム「Nutanix Era」は、各種データベースアプリケーションを統合的かつシンプルに運用でき、バックアップや容量最適化といった機能も備えている。巨大なデータ群を保管するためのオブジェクトストレージが必要な場合は、Amazon S3互換の「Nutanix Objects」も有用な機能といえるだろう。

 これまで多くの企業は“オンプレミスからクラウドへ”という視点でITインフラの活用を考えていたかもしれない。しかしNutanix製品を見ていると、“クラウドからオンプレミスへ”という新しい視点に気付く。これからは、こうした新しい考え方が求められているのかもしれない。

NutanixのHCIに最適化されたDellの「XC」ファミリーとは

 NutanixのHCIはソフトウェア製品であり、特定のハードウェアに依存することはない。とはいえ、Nutanixに最適化されたハードウェアの方が、理想的な環境を構築するのにふさわしいだろう。では、HCIに対するニーズを満たすハードウェアとはどのようなものだろうか。

 サーバハードウェアで採用例が多い「Dell EMC PowerEdge」をベースに、幅広いHCIポートフォリオを展開しているDell Technologiesは「One Platformを実現する XC Family 何故選ばれるのか?」と題して講演した。

Dell Technologiesの池亀正和氏

 「最新のPowerEdgeは、HCIとして稼働することを前提に設計、開発されており、多くのハイパーバイザーとHCI製品を組み合わせて利用できます」と、Dell Technologies DCC/ESA XC Family製品担当 兼 ビジネス開発マネージャの池亀正和氏は述べる。

 数あるHCI製品をみると一見、似たような機能を搭載しているように思えるだろう。だが、ユーザーには妥協できないポイントがあるから、いずれかの製品を選択している。Dell Technologiesが多様なHCI製品を提供しているのは、そうした自社の運用やこれまでのノウハウの視点から妥協できないニーズへ応えるためだ。実際に、Nutanixに着地した案件においては、Dell TechnologiesはNutanixのOEMベンダーとして国内ではトップの販売実績を3年連続達成したと、同社から表彰を受けている。

 池亀氏は、NutanixのHCIが備える数ある特徴の中で「お客さまに選択されるポイント」とするものを挙げた。「ハイパーバイザーとSDS(Software Defined Storage)機能の依存度」「同一クラスタ上にデータストアを複数持てるか」「オールフラッシュとハイブリッドで機能差はないか」「特殊なハードウェアへの依存性」など複数あるという。そこで、HCI選定のためのチェック表を更新し、随時顧客へ提供している。カタログだけでは分かりにくい、妥協できないポイントを探ることができるはずだ。

 Dell Technologiesは2014年にNutanixとパートナーシップを結び、現在は第14世代PowerEdgeをベースとした「XC Series」と「XC Core」を提供している。

 前者はNutanixのライセンス込みで提供され、サポートも一元化されており、シンプルに運用できる。ただし、一部の追加/拡張機能ライセンスに制限がある。後者はNutanixのライセンスは別だが、全ての追加/拡張機能を搭載することができ、将来にわたって長く活用、展開していきたい場合に向いている。ハードウェアアーキテクチャは同等だ。そのため、XC Seriesを既に利用しているユーザーがXC SeriesをXC Coreへコンバートできるプログラムを用意している。

 XC Seriesは9モデル、XC Coreは11モデルをラインアップにそろえており、さまざまな用途に最適化して導入できる。例えば高耐久性モデル「XCXR2-8」は、工場や船上、寒冷地など厳しい環境でもNutanixを活用できる。大容量のデータを格納したい場合には、1ノードで240TBまで搭載可能でNutanix Objectsに対応した「XC740xd2-24」が有用だ。今後はファイルサーバ機能の「Nutanix Files」にも対応する予定だ。

 「XCファミリーでは、増設時にはどのモデルでも、ストレージやメモリの量が異なっていても混在可能で、自由に組み合わせて拡張できます。当社は保守部品を含めてHCL(Hardware Compatibility List)を順守していますし、パーツのラインアップも豊富です。プロアクティブな障害サポート『Dell EMC SupportAssist Enterprise』も提供しており、導入から運用まで安心して利用できるので、ぜひXCファミリーをご活用ください」(池亀氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:Dell Technologies 、ニュータニックス・ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年3月19日

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。