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» 2020年02月19日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(62):予測不可能なVUCA時代に「将来のキャリアが描けず不安」と悩んだら? (2/3)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

VUCA――不確実で曖昧な未来

 近年「VUCA(ブーカ)」という言葉を聞く機会が増えました。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったものです。

 かつてと比べて今は、市場や技術の変化がとても速い。社会の状況も、10年も経てばガラッと変わります。それだけに未来の予測が難しい……。

 例えば、2019年に多くのサービスがリリースされた「○○Pay」と呼ばれる電子決済サービス。2019年は「キャッシュレス元年」とも呼ばれました。でも10年後を想像しても、これらのサービスの何が生き残り、何が淘汰(とうた)されるか予測できません。同じキャッシュレスでも、現在の仕組みとは全く異なるものになっているかもしれません。

 働き方もそうです。AI(人工知能)やRPA(Robotic Process Automation)などの技術がさらに発達すると、「仕事がなくなる」とも言われています。終身雇用、年功序列も崩れつつありますし、40歳で早期希望退職の募集を始める企業も増えてきました。

 仕事、会社、経済、さまざまな仕組み……社会は変動し、不確実で、複雑で、曖昧です。そのため、この先どうなるのか予測が難しいのです。

 このような、予測しづらい社会の中で、どれだけの人が未来を描けるでしょうか? 10年後、あなたがどうなっているか想像できますか? 「やりたいことを見つけよう」「ビジョンを描こう」と思っても、「分からない」というのがむしろ普通ではないでしょうか。

「未来」よりも「今」を大切にする

 不確実性が高く、予測不可能な社会の中で、私たちはどのように働き、生きていけばいいのでしょうか。

 私は、不確実で見えにくい「未来」のビジョンよりも、「今」を大切にするのがいいのではないかと思います。

 「Will Can Must」というフレームワークを知っていますか? 自己分析のフレームワークとしてさまざまなところで紹介されているので、知っている、見聞きしたことがある方も多いと思います。

 Willは「やりたいこと」、Canとは「できること」、Mustは「やるべきこと」(あるいは周りの人が「やってほしい」と思っていること)で、「Will、Can、Mustの重なりが大きいほど、やりがいが生まれる」などといわれています。

 私はここに、「未来」と「今」の軸を加えたいと思います。Will(やりたいこと)は、これから実現したい「未来」です。一方のCan(できること)とMust(やるべきこと)は「今」です。

 「未来」のWillが見いだしにくければ、「今」のCanとMustを増やしていくのはどうでしょうか。つまり、あなたが「できること」で、今「やるべきこと」――つまり、あなたが「こうあるべき」と思うことや、周りが「やってほしい」と望んでいること――に取り組んでみるのです。

 あなたが会社の中で「これ、○○にした方がいいよな」「本来なら、□□であるべきだよな」と思っていることはありませんか? 相応の経験を積んできているのなら1つぐらいはあるはずです。それを実現できないか、取り組んでみます。

 あるいは周りから「○○して欲しい」「□□してもらえると助かる」と言われていることはありませんか? それがあなたのちょっとした努力でできそうなら、やってみます。

 そうすれば、今までよりも職場がより良くなるはずですし、同僚やお客さんから「ありがとう」と言われます。充実感も出てくるでしょうし、周りからの信頼も増すはずです。

 コツがあるとしたら、「言われたからやる」のではなく、「自分の意思で、主体的に取り組む」ことです。うまくいかなくても、失敗しても問題ありません。

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