【Excel】数式の入力効率を大幅アップするショートカットキーTech TIPS

Excelでワークシート関数を入力する際、関数名があいまいだったり、引数の書式が分からなかったりすることも多いだろう。そのような場合でも、Webページなどで調べることなく、関数の入力が可能な方法がある。Excelの数式入力を格段に向上させる方法を紹介しよう。

» 2020年03月19日 05時00分 公開
[塩田紳二]

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Excelでワークシート関数を素早く入力する Excelでワークシート関数を素早く入力する
[Shift]+[F3]キーを使うことで、[関数の挿入]ダイアログが表示される。ここで関数を選択することで、素早い関数の入力が行える。

 「Microsot Excel(エクセル)」の「ワークシート関数」(以下、関数と略す)には、VLOOKUP関数のような引数が複雑なものや、似たような関数名で違う機能を持つようなものがある。利用頻度の低いものなどは、毎回Webページを検索して調べるということもあるだろう。

 このような場合でも、幾つかのショートカットキーを覚えておくと、Excelの入力支援機能によって、いちいちWebページなどで調べなくても関数を使いこなすことが可能だ。その方法を紹介しよう。

数式の入力効率を上げる

 数式はもちろん、キーボードから直接全部入力してもよいが、Excelには数式入力を簡単にする方法が提供されており、これを利用すると効率が上がる。ただし、少し複雑なため、数式内のキャレット(文字カーソル)位置を把握していないと混乱することがある。このとき、セル内編集よりも数式バーを使う方が分かりやすい。

 セルには、数式か値を入力することができ、このうち、入力が「=」「+」「-」で始まったものが数式であり、そうでないものが値である。

Excelのセル入力ルール Excelのセル入力ルール
Excelでは、セル入力が「=」で始まるものを数式と解釈とする。先頭が「+」「-」で後続文字が数字のみからなる場合は値になる。先頭が「+」「-」で数字以外が含まれる場合には数式になり、入力後に先頭に「=」が補われる。

 正確に言うと、先頭の「+」と「-」は「単項演算子」であり、後続の数式の符号を決めるための演算子で、「=」を省略した入力である。入力が結果的に数式と理解された場合、「-」は、「=-」に、「+」は「=+」に置き換えられる。また、後続するものが単なる数値と判断されると、それぞれ負数、正数として解釈され、数式にはならず先頭に「=」が追加されない。このため、数式とは先頭が「=」で始まるものと定義できる。

 数式を構成するのは「関数(ワークシート関数)」「セル参照(セルを示す『A1』などの表記。セル範囲参照や外部参照を含む)」「演算子」「定数値」である。このうち、先頭の「=」の後ろは、関数かセル参照、あるいは定数のどれかになる。しかし、定数については特に支援機能はないが、入力に困るということはないだろう。

 最初に関数を入力するなら、大きく2つの方法がある。1つは、関数名をキーボードから入れていく方法だ。もう1つは、[Shift]+[F3]キーを使い[関数の挿入]ダイアログを使って入力する方法である。

 前者は、関数名(のつづり)が分かっている場合に使う。おそらく慣れたユーザーはこちらを使っているだろう。

 これに対して[Shift]+[F3]キーは、関数名を検索したり、カテゴリーを絞り込んでリストから選択したりする。関数名が分からないときに説明などから関数を探すことができる。また、この方法では、最近使った関数がリストとして提示されるので、同じ関数を繰り返し使うような場合に向いている。

 セルが入力編集状態でなくても、[Shift]+[F3]キーを押すと、自動的に「=」が先頭に入力されるため効率的だ。関数名を入力した後、自動的に[関数の引数]ダイアログが開き、引数を簡単に入力できるというメリットもある。

[Shift]+[F3]キーを使って関数を入力する [Shift]+[F3]キーを使って関数を入力する
関数を入力したいセルを選択し、[Shift]+[F3]キーを押すと、[関数の挿入]ダイアログが開く。このダイアログで利用したい関数を選択すると、自動的に[関数の引数]ダイアログが開き、引数の入力が簡単に行える。

 そのため関数名が分かっていても、[Shift]+[F3]キーを使う方が効率的な場合が多い。例えば、前述のように前回使った関数をもう一度使うような場合だ。なお、[関数の挿入]ダイアログの詳細に関しては後述する。

 数式のうち、加算や乗算は、交換法則により、最初の項がセル参照でも先に関数を入力することができる。数式を入力するときには、その全体を見通して、もし先頭に関数を入力できるなら、迷わず[Shift]+[F3]キーを押した方がいい。

関数名を補完する

 関数名を入れる方法では、「=」「+」「-」の後に入れた文字から候補がポップアップリストで表示される。

関数名を補完する(1) 関数名を補完する(1)
「=x」と入力すると、「x」で始まる「関数名」と「名前」がポップアップリストで表示される。[↓]キー/[↑]キーで選択する。
関数名を補完する(2) 関数名を補完する(2)
[Tab]キーを押すと、関数名と開き括弧までが入力される。

 また、このリストには、セル範囲に付けた「名前」も候補に上がる。使う名前やどの関数を入力すべきか分かっている場合、先頭の数文字を入れることで候補を絞り込むことが可能だ。もちろん、いつでも[↑]/[↓]キーでポップアップリストから候補を選択できる。候補が決まれば[Tab]キーで関数名と開き括弧が入力される。ここでは必ず[Tab]キーを使う。[Enter]キーを押しがちだが、それでは、セル入力、編集が終了してしまい、たいていの場合、不完全な数式になってしまいエラーが出てしまう。

 これは、普段からセル入力の後に[Enter]キーを押しているため、習慣化していて、つい[Enter]キーを押してしまうからだ。それには、普段から[Enter]キーだけでなく、[Tab]キーなどを併用して、セル入力後に上下左右のセルへの移動するようにすると、いつでも[Enter]キーを押す癖を直すことができる。

 これを覚えれば、横方向に式を入力していくような場合に[Enter]キーを押して下のセルに移動した後、カーソルキーで右隣に移動するといったムダをなくして、直接右側のセルへ移動できる(Tech TIPS「【Excel】マウスは使わず、キーボードだけでワンランク上の高速操作」参照のこと)。

 開き括弧まで入力したら、後は[Shift]+[F3]キーか、[Ctrl]+[A]キーで[関数の引数]ダイアログを開く。後述するが、これは説明付きで関数の引数が入力できるので、いちいちヘルプなどを調べる必要がない。

[関数の引数]ダイアログを使う [関数の引数]ダイアログを使う
関数名が入力されたら、[Shift]+[F3]キーか[Ctrl]+[A]キーを押し、[関数の引数]ダイアログを表示する。このダイアログで順番に引数を入力していけばよい。

引数名を自動で入力する

 ある程度Excelの関数を使い慣れているなら、[Ctrl]+[Shift]+[A]キーという技も使えるだろう。これは、関数の「引数名」を自動で入力してくれるものだ。ただし、引数名はあくまでも単なる文字列で必要な引数を示すだけなので、後からこれを置き換える必要がある。このため、引数名を見ただけで何を入れればいいのかを知っている人向けだ。

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