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» 2020年05月18日 10時20分 公開

その約半数がスキルの陳腐化を心配していない:先端IT“非”従事者は、スキルアップ意欲が低い傾向に――IPA「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」

IPAは、「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」の結果を発表した。企業ではデジタル型ビジネスモデルへの転換が進んでいないことや、個人では先端IT以外の業務に従事している人のスキルアップ意欲が低いことなどが課題として浮かび上がった。

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 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2020年5月14日、「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」の結果を発表した。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み状況や先進事例、先端デジタル領域で不足が懸念されるIT人材の流動実態やスキルアップなどについて調べた。

 今回の調査によると、企業では「既存のビジネスモデルや業務スタイルから脱却できておらずデジタル型ビジネスモデルへの転換が進んでいない」ことや、個人では「自身を取り巻くデジタル技術環境の変化に対する感度の低さや危機感の欠如から、先端IT以外の業務に従事している人のスキルアップ意欲が低い」ことなどが課題として浮かび上がった。

 詳しい調査結果は次の通り。

企業のDXへの取り組み

 企業のDXへの取り組みについては、企業規模によって差が見られるものの、DXに取り組んでいる企業は全体の41.2%を占めた。特に従業員数が1001人以上の企業では、77.6%がDXに取り組んでいた。その半面、従業員数が100人以下の企業でDXに取り組んでいる企業の割合は29.2%にすぎなかった。業種別に見ると、DXへの取り組み率が高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」「金融、保険」。「電気・ガス・熱供給・水道業」は81.8%に及んだ。

 成果が出ているDXの取り組み内容では、「業務効率化による生産性向上」がトップ。次いで、「既存製品やサービスの高付加価値化」「新規製品やサービスの創出」と続いた。こうした傾向は前年(2018年度)の調査と同様だ。

 成果が出ている企業には、「全社戦略に基づいて全社的に取り組んでいる」「IT業務が分かる役員が存在する」などの特徴が見られた。特に、IT業務が分かる役員の比率が高いほど、DXへの取り組み成果が出ている企業の割合が高かった。これに対してDXの成果が出ていなかったり、DXに取り組んでいなかったりする企業には、危機感の浸透や変革に対する社内の抵抗、社内人材の育成といった、いわゆる内向き問題の課題を抱えている傾向が見られた。

求められる人材

 求められる人材のタイプについて、ユーザー企業とIT企業のどちらも共通して重要度が高いのは、「プロダクトマネージャー」「ビジネスデザイナー」だった。加えて、ユーザー企業では「データサイエンティスト」、IT企業では「テックリード」「エンジニア/プログラマ」の重要度が高かった。

 ユーザー企業に重要な人材タイプについて、「プロダクトマネージャー」と回答した割合は77.9%(複数回答)、「ビジネスデザイナー」は73.1%、「データサイエンティスト」は74.0%だった。IT企業では、「プロダクトマネージャー」が80.6%、「エンジニア/プログラマ」が80.2%、「テックリード」が73.5%。これに対してDX先行企業に限ると、「プロダクトマネージャー」を挙げた割合が93.0%、「ビジネスデザイナー」は91.9%、「テックリード」と「データサイエンティスト」がどちらも89.2%だった。

人材タイプ別の重要度(出典:IPA

 なお、「先端技術エンジニア」を重要と回答した企業の割合は、ユーザー企業の52.9%、IT企業の68.5%、DX先行企業の76.2%で、他のタイプと比べて低い。この点についてIPAでは、企業内部で確保するよりは必要に応じて外部から調達する形態が中心だからと推測している。

人材の流動性

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