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「Google Chrome」(以下、Chromeと略)でインターネット上のWebページを開いて調べごとなどをしていたら、タブが増えすぎて収拾が付かなくなったことはありませんか?
1つのウィンドウでたくさんのページを開くと、各タブが小さくなって、何のページなのかタブを見ただけでは分からなくなります。そこでChromeのウィンドウを増やし、タブをジャンルや用途別に分類しつつ、複数のウィンドウに分散させる人も多いでしょう。
しかし、今度はウィンドウが増えてきて、「このウィンドウは何のタブを集めたんだっけ?」ということになりがちです。
こうした問題を解決できそうなのがデスクトップ版Chromeバージョン83で登場した「タブグループ」機能です。本稿ではWindows OS版Chromeを対象として、この機能でタブを整理整頓する方法を紹介します。
本稿執筆時点で、タブグループ機能は全てのChromeユーザーが利用できるようにはなっていません。Googleによれば、バージョン83のリリースと同時かつ一斉ではなく、ゆっくりと各ユーザーのChromeに本機能を展開していく、とのことです。もし、Chromeのバージョンが83以降なのに、タブを右クリックしても[新しいグループを追加]というメニューが表示されない場合は、タブグループ機能がまだ有効化されていないと判断できます。
そのような場合、Chromeの「Experiments」ページ(chrome://flags)で強制的にタブグループ機能を有効化できます。このページでは、まだ正式には実装されていない試験的(実験的)機能を有効化して、試用できます。タブグループ機能を有効化するには、このページにある「Tab Groups」という項目を[Enabled]に設定します。
設定後、ウィンドウ右下に[Relaunch]ボタンが表示されるので、それを押してChromeを再起動します。今度はタブを右クリックすると[新しいグループを追加]メニューが表示されるはずです。
本稿では、上記の設定でタブグループを有効化したChrome 83安定版と、Chrome 83ベータ版で挙動を確認しました。特に不具合は見当たりませんでしたが、もし何か問題が生じたら、上記設定を[Default]に戻しましょう。
何はともあれ、まずはグループを作ってみましょう。タブを右クリックして表示されるメニューで、[新しいグループに追加]をクリックします。
もし[新しいグループに追加]が表示されなければ、まずChromeを最新版にアップデートしてください。それでも表示されない場合は、前述の「強制的にタブグループ機能を有効化する」の設定を試してください。
[新しいグループに追加]をクリックすると、そのタブの左側にグループの見出しが作成されます。また、クリックしたタブの境界線が、グループの見出しと同じ色の太線に変わります。
このままグループを増やしていくと、何のグループなのか分からなくなりそうです。そこでグループに名前を付けつつ、好きな色に変えてみましょう。それにはグループの見出しをクリックして表示されるメニューを、以下のように操作します。
グループに付けた名前は、その見出しに表示されます。そのため、あまり長い名前にすると、見出しが横に長くなってタブの横幅を縮めさせてしまうため、タブを操作しにくくなります。短くても識別しやすい名前を心がけた方がよいでしょう。絵文字を活用するのもよいかもしれません。
グループを作ったら、ひとまとめにしたいタブを加えましょう。それには2種類の方法があります。1つは、追加したいタブを右クリックして表示されるメニューで、[既存のグループに追加]をクリックし、表示された一覧からグループを選ぶ、という方法です。
もう1つは、追加先のグループへタブをドラッグ&ドロップする、という方法です。
ドラッグ&ドロップは、グループ間でタブを移動したり、グループからタブを外したりする際にも使えます。慣れればメニューを用いるより素早く操作できて便利でしょう。
[Shift]キーや[Ctrl]キーを押しながら複数のタブを選択した後で、上記のように操作すれば、複数のタブを一括でグループに追加できます。
グループに新規タブを加えるには、グループ内のタブを右クリックして、[右隣に新しいタブを開く]をクリックします。
あるいは、グループの見出しをクリックして、[グループをタブに追加]をクリックしてもよいです。
以前から新規タブを作るには、[Ctrl]+[T]キーというショートカットキーが使えます。しかし、これだと、どのグループにも属さない状態で新規タブが作成されます。そのため、[Ctrl]+[T]キーを押してタブを作成後、グループに加える操作が必要です。
あるグループのタブを別のタブへ移動するには、そのタブをドラッグして移動先のグループにドロップします。
あるいは、対象のタブを右クリックして[既存のグループに追加]を選び、表示された一覧から移動先グループをクリックします。
グループに入っているタブをそこから外すには、タブをドラッグして、その境界線がどのグループの色にならないところまで移動してからドロップします。
あるいはタブを右クリックして[グループから削除]を選びます。
タブを増やしすぎて操作しにくくなったら、グループごと別のウィンドウに移動することでタブを整理できます。
それには、対象のグループの見出しをクリックして[グループを新しいウィンドウに移動]を選びます。すると、新たなウィンドウが作成され、そこに対象のグループが丸ごと移動します。
グループに入ったままタブを別のウィンドウへ移動する場合は、上記のように[グループを新しいウィンドウに移動]メニューを用いる必要があります。単にタブをドラッグして元のウィンドウから移そうとすると、その時点でグループから外れてしまいます。グループごとタブを移動する場合、従来のようなタブのドラッグ&ドロップは通用しないので注意しましょう。
グループ内のタブがいずれも不要になったら、グループの見出しをクリックして[グループを閉じる]を選ぶと、グループとその中の全タブが閉じられます。
グループでタブをまとめる必要はなくなったけど、各タブは閉じたくない場合は、そのグループの見出しをクリックして[グループを解除]を選びます。すると、タブはそのまま残りつつ、グループは削除されます。
よく参照するページ(タブ)をグループでまとめたら、今後も使い回せるように保存したくなります。しかし、執筆時点のChrome(バージョン 83)には、明示的にグループとその中のタブを保存/復元する方法はありません。
それでも、似たような代替策はあります。
Chromeが終了するときに表示されていたタブを、次回起動時に自動で開くように設定すると、グループも復活します。
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