今こそ取り組む「デジタルビジネスのためのクラウド基盤」クラウド提供/クラウド利用、2つの顔で語る

NECは企業のクラウド活用を支援する「NEC Cloud Solutions」のメニューに「VMware Cloud on AWS」を加えている。どのような意義があるのか。ユーザーが得られるメリットは何か。同社の担当者に話を聞いた。

» 2020年06月01日 10時00分 公開
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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大により新たな環境・働き方へのシフトが急速に広まっている現在、ビジネスを支えるICT基盤にも変革が求められている。近年顕著な「デジタル化」の潮流と合わせ、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に向けた取り組みは、多くの企業にとって市場で競争力を維持し続けるための重要な経営課題となっている。

 DXはビジネス寄りの定義では「企業が最新のITを活用し、従来にはなかった製品やサービス、ビジネスモデルを通じて新たな価値を生み出すこと」とされているが、DXへの取り組みが順調に進んでいる企業が多いとは言えない現状だ。

 2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート」は、日本企業の多くがDXを進められないまま2025年を迎えた場合、日本全体で「最大12兆円」の経済的損失が発生するという最悪のシナリオを「2025年の崖」と表現している。

 この「2025年の崖」を回避するため企業に必要とされている取り組みの一つが、現在オンプレミスで運用されているレガシーシステムのクラウド移行だ。レガシーシステムの維持管理に、限られたIT予算やIT人材の大部分を割かねばならない状況が、DX推進の「足かせ」となっている。これがDXレポートの指摘だ。クラウドへの移行は、先に述べた新しい社会環境下でのICT基盤の在り方にも重なり合う。

 NECは、幅広い業種や業界でITソリューションを通じた価値創造を支援してきた老舗ベンダーの1社だ。ビジネスの基盤となるITシステムの企画から構築、運用までの包括的なサポートを通じてその変遷を助けてきた同社は、システムインテグレーター、そしてクラウド事業者といった複数の立場から企業のDXを支援していくことを現在のビジョンに掲げている。

NEC サービスプラットフォーム事業部 マネージャーの堀口智也氏

 NEC サービスプラットフォーム事業部 マネージャーの堀口智也氏は「ITインフラの選択肢として『クラウド』が登場してから既に15年ほどたっており、お客さまにも『IT資産を所有しない』ことのメリットが広く認知されるようになったと感じています」と話す。

 「当社はクラウドを利用したシステムインテグレーション(SI)案件も数多く手掛けてきましたが、お客さまがクラウドに感じている『困りごと』は、その間、実はそれほど大きく変化していないとも捉えています。つまり、インフラをクラウドに移行することで、これまでオンプレミスで築き上げてきたIT資産やノウハウが無駄になるのではないかといった懸念や、システムやデータがクラウドベンダーの管理下に移ることで生じるリスクやビジネスインパクトをどうマネジメントしたらよいかといった疑問です。現在でも多くの企業がこれらの課題を抱えています」(堀口氏)

ハイブリッドクラウドの選択肢としての「VMware Cloud on AWS」

 こうした課題を抱えながら、徐々にクラウドシフトを進めていく企業が増えていく中で従来の「オンプレミス」のみのインフラから、「プライベートクラウド」や「パブリッククラウド」が混在する「ハイブリッドクラウド」の存在感が高まりつつあるのが現在の状況だという。

 NECは、こうしたニーズに応えるために「NEC Cloud Solutions」関連のサービス群を整備し、それぞれの顧客に最適なソリューションを提供するためのラインアップ拡充を進めている。

VMware Cloud on AWS関連サービス/商材(NEC Cloud Solutionsより抜粋)(出典:NEC)

 そのメニューの一つが、2018年11月に提供を開始した「VMware Cloud on AWS」だ。VMwareがAWS(Amazon Web Services)東京リージョンから同サービスの提供を開始しており、NECはVMware Cloud on AWSに独自の付加価値を付けて自社サービスとして販売する「Managed Service Provider」として認定された国内6社のうちの1社となっている(2020年4月時点)。

 NECがVMware Cloud on AWSをNEC Cloud Solutionsのポートフォリオに加える意義は、先ほどの「クラウドを活用したい企業の困りごと」に対する効果的な解決策となり得る点にあるという。

 VMware Cloud on AWSは、AWSのベアメタルサーバに個々の顧客向けの仮想化環境を構築して提供する。AWSでオンプレミスと同じ「VMware vSphere」などを利用できるのだ。この環境はAWSにありながら、パブリッククラウドからは論理的に切り離されたプライベートなVMwareプラットフォームとして利用できる。つまり、これまで多くの企業がサーバ集約やプライベートクラウドの構築運用に活用してきたVMwareの仮想化テクノロジーと運用ノウハウを、AWSのデータセンターへ容易に展開できるサービスというわけだ。

 「VMwareの仮想化環境で動いているオンプレミスの業務システムを、クラウドへ移したいというニーズは非常に高いのですが、その際に使い慣れた『VMware vCenter』の機能を使ってシームレスに移行でき、これまでと変わらずに運用ができるというのはユーザーにとって大きなメリットです。また、AWSネイティブのさまざまな先進的なサービスとVMware Cloud on AWSとを連携させるための仕組みも用意されています。システムのモダナイゼーションを進めるための移行先として、多くの企業にとってVMware Cloud on AWSは有力な選択肢だと捉えています」(堀口氏)

VMware Cloud on AWSとは(出典:NEC)

 NEC Cloud Solutionsの多彩なポートフォリオの中から、顧客の課題に応じた組み合わせでハイブリッドクラウドソリューションを提供できる体制をNECは整えている。そうした中、ユーザー企業からVMware Cloud on AWSを指名して相談を持ち掛けられるケースもあるという。

 「現在VMwareのソリューションを活用しているお客さまから、『既存システムのクラウド移行を1カ月以内に検証したい』というご相談を頂くことも増えています。その際、NECがVMware Cloud on AWSを使って2〜3日でPoC(概念実証)環境を用意するといった対応も実際に行っています。新しいことをやりたいと思った際に、こうしたスピード感で実現できるというのも、VMware Cloud on AWSならではのメリットでしょう」(堀口氏)

NECのサービス提供イメージ(出典:NEC)

「お客さまの安心」を支えるSI、クラウド事業者としての実績

 一方、VMware Cloud on AWSのプロバイダーとしてユーザー企業がNECを選択する理由もある。システムインテグレーターとして、クラウド事業者として多様なソリューションを提供してきたNECの実績とノウハウ、その中で築き上げてきたVMware、AWS双方との緊密なアライアンスだ。

 NECは、オンプレミスの時代から数多くの案件において、VMwareの技術や商材を活用したソリューションを提供してきた。また、AWSについても、NEC自身の「NEC Cloud IaaS」や他のメガクラウドベンダーが提供するクラウドサービスに並ぶメニューの一つとしてSIでの活用、リセール、運用のアウトソースなどを手掛けてきた。

 VMwareとの関係では、2017年に「Empower the Digital Workspace Global Partner of the Year」を受賞。2018年にはNEC Cloud IaaSが日本国内で6社のみが持つ「VMware Cloud Verified」認定を取得した。AWSについては、国内で9社のみ(2020年4月時点)が認定されている「APNプレミアコンサルティングパートナー」を2016年に取得しており、両社にとっても、NECが重要なパートナーに位置付けられていることがうかがえる。

 「VMware Cloud on AWSの提供に当たってVMwareとAWSの双方に関するこれまでの実績をベースに、計画から設計、導入、移行、運用までを包括的に提供できる総合力がNECの強みだと考えています」(堀口氏)

 「VMwareのソリューションに関するエキスパートチームは、クラウドに限らずさまざまな案件の中で同社のテクノロジーについてのノウハウを蓄積し、定期的に共有しています。こうした体制を取ることで、例えば、VMwareが提供するあるコンポーネントにアップデートが掛かり、それが特定のお客さまの環境で不具合を起こすようなことがあれば、影響がありそうな他の案件でも先がけて検証し、問題が起こる前に対処しておくことが可能になります。同様の体制はAWSについても整えており、NECだけでなくAWSとのバーチャルチームなども通じて緊密に連携を取りながら、お客さまに安心してサービスを利用していただける環境をつくっています」(堀口氏)

顧客が本当に「やりたいこと」を実現できる総合力がNECの強み

 VMware Cloud on AWSは、オンプレミスにあるVMwareのソリューション上で稼働してきたシステムを、ハードウェアライフサイクルに縛られないクラウドに容易に移行させることができる。

 同時に、将来を見据えるとAWSが提供する最先端のテクノロジーを活用したシステムのモダナイゼーション、ビッグデータの有効活用といった、DXに向けた取り組みへステップを進めやすい環境であるという点も大きな特徴だ。いわば、企業がオンプレミスで築き上げてきたIT資産と、パブリッククラウドで提供され続ける先進技術との「中間拠点」のような位置付けにあると言える。

 「NECのお客さまには、パブリッククラウドで提供されている最新のサービスを次々とビジネスに取り入れ、新しいことをやろうとされている先進的なところもあれば、その前の段階で、クラウドの活用レベルをどう上げていくかを検討されているところ、さらにその前の段階で、社内に多数残っている物理サーバをどうやって仮想化していくかに苦心されているところなど、本当にさまざまです。NECは、それぞれのお客さまにとって最適なDX実現に向けたロードマップの策定、そのためのソリューションの提供を通じて、ハイブリッドクラウドを生かした新しい価値の創造に一緒に取り組んでいきたいと考えています」(堀口氏)

 VMware Cloud on AWSについてはNECのソリューションを構成する有力なコンポーネントの一つとして、VMwareから次々に提供される新たな機能やサービスへの対応を遅滞なく行っていきたいという。

 「VMware Cloud on AWSは価値の高いサービスですが、それだけを単独で導入してもお客さまにとってのメリットはスケールしません。お客さまが本当に困っていること、やりたいことを正しく捉え、それを解決したり実現したりするためのシステムとサービスがセットになっていることで、より大きな価値を生み出すことができます。それが可能な技術力と体制の両方を持っていることが、NECの最大の強みだと自負しています」(堀口氏)


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提供:NEC
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年6月30日

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