テレワークはコミュニケーションが不足するって本当かな?仕事が「つまんない」ままでいいの?(66)(4/4 ページ)

» 2020年06月17日 05時00分 公開
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主語は「あなた」から「私」に

 仕事をしていると、相手に行動の改善を求める必要がある場合があります。

 例えば同僚がスケジュール通りに報告書を出してくれないとき。「報告書の約束は昨日までだったよね? いつできるの? 約束までにちゃんと出さないとダメだよ」と責め立てるように伝えてしまいがちです。この場合、「なぜ、あなたは〜」のように、主語が「あなた」になっています。

 そこで、主語を「私」にすることを意識します。「報告書ですが、今日の15時までに出してもらえると(私は)うれしいです」のように。

 主語を「私」に変えることで、相手を責めるのではなく、自分の感情を伝える感じになって、柔らかい印象になります。

「命令」は「疑問文」にする

 相手に行動の改善を求める必要があるときは、「命令」を「疑問文」にしてみましょう。

 例えば、先ほどの報告書。「今日の15時までに出しなさい」という命令は、キツい印象です。これを疑問文にして、「報告書ですが、今日の15時までに出せますか?」や、「報告書ですが、今日の何時ごろなら出せますか?」とすると、「命令」が軽い「お願い」や「確認」のニュアンスになります。

誤解が生じていると感じたら、他の手段に切り替える

 繰り返しになりますが、テキストコミュニケーションは対面よりも非言語情報量が少なく、解釈を相手にゆだねる分誤解が生じやすい、という特徴があります。何かしらの誤解が生まれ始めているとき、テキストでやりとりを続けると、ますます誤解が広がり、感情的になってしまいがちです。

 そのような場合は、数分でも話をした方が、感情の糸をほぐせます。少しでも「伝わっていないな」と思ったら、「Webミーティングしませんか?」などと提案して直接話しましょう。

在宅勤務を「良好なコミュニケーション」を考える機会に

 在宅勤務、テレワークにおけるオンラインコミュニケーションのポイントを見てきました。

 在宅勤務やテレワークによって、私たちは強制的に、対面によるコミュニケーションが遮断されました。相手の存在を五感で感じられない、人間関係が分断されたような状態になったのです。

 逆に、このような制限を受けたことによって、今までのコミュニケーションが曖昧だったことに気付くと同時に、改めて、コミュニケーションの大切さを知る機会にもなりました。

 それならば、これを単なる「非常事態だから」とせずに、今まで以上にコミュニケーションを良好にし、働きやすい会社にするきっかけにしてみるのは、いかがでしょうか。

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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