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» 2020年07月01日 05時00分 公開

その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(163):Windows 10 HomeはDocker Desktop for Windowsの夢がかなう

Windows 10 May 2020 Update(バージョン2004)がリリースされ、Windows Subsystem for Linux(WSL)において、従来のWSL 1に加えて、次世代のWSL 2が正式にサポートされました。WSL 2はHomeエディションでも利用可能であり、これにより2020年5月にリリースされた安定版(Stable)のDocker Desktop for Windows 2.3.0.2からはWindows 10 Homeでも利用できるようになりました。

[山市良,テクニカルライター]

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「Windowsにまつわる都市伝説」のインデックス

Windowsにまつわる都市伝説

正式リリースに間に合ったDocker DesktopのHomeエディション対応

 本連載第157回では、「Windows 10」の「Windows Subsystem for Linux(WSL)」における次世代版「WSL 2」について説明し、これをバックエンド(WSL 2バックエンド)とした「Docker Desktop for Windows」のLinuxコンテナサポートについて説明しました。

 そして、WSL 2はHomeエディションでも利用できるようになりますが、Docker DesktopがHomeエディションで利用できるようになるには少し時間がかかるかもしれないと予想しました。

 しかし実際には、正式版のWSL 2に対応したWindows 10 May 2020 Update(バージョン2004、ビルド19041)が一般向けにリリースされる前、2020年5月11日(米国時間)にリリースされた「Docker Desktop for Windows 2.3.0.2」において、Homeエディション対応が行われました。つまり、Windows 10 バージョン2004が一般ユーザーに公開されたときには既にDocker DesktopはWindows 10 Home対応済みとなったわけです。

 「Visual Studioサブスクリプション」(旧称、MSDNサブスクリプション)向けにWindows 10 バージョン2004が公開されたのは2020年5月12日(米国時間)であり、開発者はその日から試すことができたのです(Homeエディションを利用している開発者はいないと思いますが……)。本連載第157回の予想が外れてしまって申し訳ありません。おわびがてら、Windows 10 Home(x64)バージョン2004にDocker Desktopをインストールする手順を紹介します。

WSL 2バックエンドのLinuxコンテナ環境が既定に

 これまでのDocker Desktop for Windowsは、Hyper-VのLinux仮想マシンでバックエンドの「Docker Engine」を提供するLinuxコンテナ環境と、Hyper-VおよびContainersのWindowsコンテナ環境の2つのモードに対応し、切り替えて使用できました。

 Windowsコンテナ環境では「Linux Container on Windows(LCOW)」というExperimental機能を有効にすることで、WindowsコンテナとLinuxコンテナの両方を同時にサポートすることもできます。

 また、安定版バージョン「2.2.0.0」からは、WSL 2バックエンドのLinuxコンテナ環境にもExperimental機能として対応しました。いずれの環境もHyper-Vに依存するため、Hyper-Vを利用できないWindows 10 Homeエディションはシステム要件の対象外であり、インストールすることすらできませんでした(画面1)。

画面1 画面1 Experimental機能としてWSL 2に初めて対応した安定版「Docker Desktop 2.2.0.0」のインストール。LinuxコンテナとWindowsコンテナのどちらもHyper-Vに依存するため、Hyper-Vは必須。つまり、この時点ではHomeエディションには非対応

 2020年5月11日(米国時間)にリリースされた安定版バージョン「2.3.0.2」(5月27日にバージョン「2.3.0.3」がリリースされています)ではWindows 10 バージョン2004におけるWSL 2の正式対応に合わせて、WSL 2に関する大きな変更があります。それは、WSL 2と互換性のあるOSであれば、Linuxコンテナ環境の既定としてWSL 2バックエンドを使用するように変更されたことです。これにより、Hyper-Vへの依存は必須ではなくなり、Windows 10 Homeエディションにも対応しました。

 新バージョンのインストーラー(Docker Desktop Installer.exe)は、従来とは異なり、LinuxコンテナとWindowsコンテナどちらの環境を使用するか(後から切り替え可能)というオプションは存在せず、エディションによって提示されるオプションが異なります。

 Pro以上のエディションであれば「Enable Hyper-V Windows Features」が提示され、おそらくこれを選択すると従来のHyper-VベースのLinuxコンテナ環境がインストールされるはずです(後でWindowsコンテナ環境に切り替えることができるはずです)。選択をオフにするとWSL 2バックエンドのLinuxコンテナ環境がインストールされるはずです。断言しないのは、筆者はアップデートでこのバージョンを使用しており、Pro以上のエディションへの新規インストールはしていないからです。

 ちなみに、WSL 2を利用できない環境(バージョン1909など)で「Enable Hyper-V Windows Features」をオフにしてもインストールは進み完了しますが、Docker Desktopを開始する際にエラー(An error occurred Required Windows feature(s)not enabled: Hyper-V...)で終了します。

 Homeエディションの場合、インストーラーは「Enable WSL 2 Windows Features」のオプションを提示します。これにより、WSL 2バックエンドのLinuxコンテナ環境をインストールすることができます(画面2)。

画面2 画面2 「Docker Desktop 2.3.0.2」からはWSL 2と互換性がある場合はLinuxコンテナの既定のバックエンドとしてWSL 2を利用。同じインストーラーをProエディションで実行した場合(画面左)とHomeエディションで実行した場合(画面右)

Homeエディションへのインストールを開始する前に

 Windows 10 HomeエディションにDocker Desktop for Windowsをインストールする場合は、インストーラー(Docker Desktop Installer.exe)を開始する前に必要なハードウェアとWindowsの機能を準備しておきましょう。Hyper-Vのシステム要件と同じ、以下の要件を満たしている必要があります。これらの要件に対応しているかどうかは、Windowsの「システム情報」(Msinfo32.exe)で確認できます。

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