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» 2020年07月20日 10時00分 公開

リモートワークで見えた新たな課題をどう解決できるのか:「リモートワーク対応業務連絡アプリ」の導入を機に、データ活用基盤の構築・整備、業務のデジタル化、DXの推進を

新型コロナウイルスの感染拡大を受けてリモートワークを採用した企業では、社員の管理やコミュニケーションに頭を悩ませたところもあっただろう。そうした中、日本マイクロソフトとインフォシェアがリモートワークで生まれた新たな課題の解決に役立つ「社内緊急コミュニケーションアプリ」と「リモートワーク対応業務連絡アプリ」をGitHubにて無償で公開した。それにはどんな背景があったのだろうか。

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COVID-19の影響でリモートワーク対応業務連絡が企業の課題に

 2020年春に始まり、今も続いている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行と、緊急事態宣言、外出や営業活動の自粛要請によって、人々は、否応なく「働き方」の変革を迫られた。場所や時間に縛られずに働ける「リモートワーク」(テレワーク)環境を、急きょ標準的な勤務形態として取り入れた企業もある。

 そのような企業が、場合によっては1カ月以上にわたって「出社しない働き方」を実施する中で、今後改善すべき課題が見えてきたケースもあるだろう。中でも、リモートワークにおいて、社員の管理(勤怠管理・健康管理)や、適切なコミュニケーションをどのように行えばよいのか頭を悩ませた経営者や管理職もいたのではないだろうか。

 このような中、日本マイクロソフトとインフォシェアは、両社が共同で開発した「社内緊急コミュニケーションアプリ(CDS対応版)」と「リモートワーク対応業務連絡アプリ」(以下、連絡アプリ)を2020年5月16日にGitHubで公開し、無償提供を開始した。

ALT リモートワーク対応業務連絡アプリの画面(出典:日本マイクロソフト)《クリックで画像を拡大》

 この2つのアプリは、Microsoftがクラウドサービスとして提供する業務アプリ開発プラットフォーム「Microsoft Power Platform」(以下、Power Platform)に含まれるローコード開発環境「Power Apps」のソリューションテンプレートとなっている。展開と運用にはPower Appsのライセンスが必要だ。

 社内緊急コミュニケーションアプリ(CDS対応版)は、Microsoftが2020年3月に公開した「危機対応コミュニケーションのためのPower Platformテンプレート」をベースに日本語化したもの。一方、連絡アプリは、PC上のWebブラウザや「Microsoft 365」のコミュニケーションツール「Microsoft Teams」のタブに埋め込んで利用することを想定し、日本向けのデザイン変更、機能追加を行った「進化版」に当たる。

 この2つのアプリを導入することで、企業はテレワーク環境を前提とした各種のマネジメント機能やコミュニケーション機能を利用できる。また、アプリは「テンプレート」として提供されているため、Power Appsで、自社でカスタマイズすることもできる。各アプリについては、データベースに「CDS(Common Data Service)」を利用する「CDS対応版」を日本独自に用意しており、「アフターコロナ」を視野に入れた長期的な運用にも耐え得る構造になっている。

 今回、日本マイクロソフトの御代知克氏(クラウド&ソリューション事業本部 モダンワークプレース統括本部 Power Platform 技術営業本部 本部長)と増田雄一氏(クラウド&ソリューション事業本部 モダンワークプレース統括本部 Power Platform 技術営業本部 テクニカルスペシャリスト)、インフォシェアでアーキテクトを務める北端智氏に、アプリの開発に至った背景や、このアプリでできることなどを伺った。

――今回、アプリを開発した背景を教えてください。リモートワークにおいて、企業のコミュニケーションには、どんな新しい課題やニーズが生まれたのでしょうか。

ALT 日本マイクロソフト
クラウド&ソリューション事業本部
モダンワークプレース統括本部
Power Platform 技術営業本部
本部長
御代知克氏

御代氏 COVID-19による社会環境の急な変化で、多くの企業が半ば強制的に「リモートワーク」を実施せざるを得ない状況になりました。長期にわたって大規模なリモートワークを続ける中、特に経営層や管理職には「従業員に対して、会社としてのメッセージや正確な情報を確実に伝えたい」「組織全体の状況を一括して把握したい」といったニーズが出てきました。後者は、就業状況の監視というよりも、社員の体温などを把握して健康管理の意識付けに役立てたいという意味合いが強いですね。

 これらニーズを満たそうと、ある企業が自製したツールを見せもらったことが、今回のアプリをより多くの企業に提供しようと動いたきっかけです。

体温管理や称賛(kudos)システムもある社内緊急コミュニケーションアプリ/リモートワーク対応業務連絡アプリ

――アプリでは具体的にどういったことができるのでしょうか。

北端氏 普段行っている業務に関するコミュニケーションと、リモートワークに必要な、あるいはあると便利なコミュニケーションを統合的に行える機能を持たせています。特に、現場は「普段使っているツールと、リモートワーク用のツールを使い分けるのは不便」という意識が強いので、クライアントとしては、Webブラウザだけではなく、Teamsの一部として組み込んで連携した時に便利な機能が提供できるようにしています。

ALT リモートワーク対応業務連絡アプリの利用シナリオ(出典:日本マイクロソフト)《クリックで画像を拡大》
ALT インフォシェア
アーキテクト
北端智氏

 主な機能は「会社から従業員への情報伝達」「セルフHR」「勤怠報告」「体温管理」「仕事場所の共有」「称賛(kudos)システム」「マイ付箋ボード」の7つです。

 「会社から従業員への情報伝達」は、会社から従業員へ伝えたい情報を発信できる機能です。リモートワークの規定やツールの使い方、全社通達、あるいは政府発表のCOVID-19に関する正しい情報などを従業員に発信できます。

 「セルフHR」は、従業員に関する人事情報の一部を取り出し、必要に応じて本人がその内容を更新できる機能です。急なリモートワークの実施で、自宅で業務をする従業員が増えた一方、人事が管理している従業員情報、特に個人の住所や緊急連絡先などに関するデータが最新のものではなかったことが顕在化するケースがあります。この機能を利用することで、従業員自身に情報をアップデートしてもらえます。

 「勤怠報告」は、出退勤情報を通知する機能です。必要に応じて「日報」の提出や、検温の有無を確認する「検温チェック」機能などを付加できます。「検温管理」は、従業員の健康状態を把握する必要がある企業で、検温チェックと併用して、37.5度以上の発熱が数日続いている従業員がいないかどうかなどを確認できる機能です。

ALT 「勤怠報告」「体温管理」機能(出典:日本マイクロソフト)《クリックで画像を拡大》

 「仕事場所の共有」は、各従業員が今「どこで」「どんな業務をしているか」を他の社員に共有する機能です。「称賛システム(kudos)」は、日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、従業員間で、互いの貢献に対して「ありがとう」「助かった」といった気持ちを伝えるショートメッセージング機能です。業務上のコラボレーションを可視化するので、業務評価の参考にもなります。「マイ付箋ボード」は業務時にあると便利な一時的な個人メモを保存する機能です。

ALT 「称賛システム(kudos)」機能(出典:日本マイクロソフト)《クリックで画像を拡大》

 一部の機能については、企業側のニーズに応じてオン/オフが可能です。また、これらの機能で蓄積されたデータは、管理者側で一括して参照したり、「Microsoft Power BI」で分析したりできるようになっています。

ALT Power Apps上のマネジメント画面(従業員管理画面)の例(出典:日本マイクロソフト)《クリックで画像を拡大》

アプリの基盤となったCDS、Power Platform、Power Appsとは

――「CDS対応版」と非対応版の違いは何でしょうか。

北端氏 このアプリのベースとなった当初のテンプレートは、全社規模ではなく部課単位での使用が想定されたので、データストアには「Microsoft SharePoint」が使われていました。今回、日本で進化版を作るに当たって、より大規模で、長期間使ってもらいたいという思いがあり、Power Appsに含まれるデータベースサービスであるCDSを使う形に変更しています。

御代氏 CDSは、「Microsoft Access」ライクで使いやすく、データ構造はRDBMSに準じており、柔軟なセキュリティコントロールも可能です。例えば、今回のアプリで扱える従業員の「体温に関する情報」は比較的デリケートなデータであるため、セキュリティポリシーに応じて、ユーザーロールごとにアクセス可能なデータの範囲を制限するといった細かい設定ができます。

 またCDSを利用したことで、今後、このアプリで集めた全社規模のデータをPower BIで可視化するなど、Power Platform上の他のモジュールと連携させて再利用することもできます。

――アプリの基盤となっているPower PlatformおよびPower Appsの概要をあらためて紹介してください。

ALT 日本マイクロソフト
クラウド&ソリューション事業本部
モダンワークプレース統括本部
Power Platform 技術営業本部
テクニカルスペシャリスト
増田雄一氏

増田氏 Power Platformは、クラウドで提供しているビジネスアプリのプラットフォームで、Microsoftが今、非常に注力している領域です。アプリの開発、プロセスの自動化、データの分析といった機能を一気通貫で備えており、さらにそれらを支える共通のデータベースとしてCDSがあります。

 Power Platform内に含まれる製品は個別に提供されますが、これらを統合プラットフォームとして提供している背景には、ユーザーがデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現していくに当たっては、蓄積された「データ」をビジネス横断的に活用しながら、データのつながりの中から「インテリジェンス」を発見し、それを基にビジネス成果を改善していく「アクション」を起こすという「デジタルフィードバックループ」の実現が重要だとMicrosoftが考えていることがあります。

ALT データを蓄積して、そこから新しいインテリジェンスを引き出し、そのインテリジェンスを次のアクションにつなげて、そのデータをまた蓄積するという「デジタルフィードバックループ」(出典:日本マイクロソフト)《クリックで画像を拡大》

 先ほど話に出たCDSやPower Apps、Power BIの他にも、集めたデータの処理やワークフローを自動化する「Power Automate」、AIを搭載したチャットボットをコーディング不要で作成できる「Power Virtual Agent」といった機能が含まれていることで、「集めたデータを蓄積する」だけではなく、データから得られる価値を社員やお客さまへフィードバックし、改善を続けていくループを迅速に回せます。

ALT Microsoft Power Platform(出典:日本マイクロソフト)《クリックで画像を拡大》

ビジネスを変えるためのアプリをPower Platform/Power Appsで

――今回、パートナーとしてアプリの開発に携わったインフォシェアとしては、Power PlatformやPower Appsをどう評価していますか。

北端氏 インフォシェアでは、企業に対して、ITを通じた業務改善の提案やコンサルティングといったサービスを提供しています。その経験から、業務の「分析」は比較的容易にできるものの、それに基づいて、お客さまのニーズに最適なソリューションを市場から見つけ出すことは難しいと感じていました。

 Power Platform/Power Appsを利用すると、既に市場にあるものではなく、お客さまにとって最も使いやすい形の業務改善アプリを、お客さまと一緒に作るという新しい価値を提供できる点が魅力的だと感じました。

 Power Appsでは、デザインを含めて、ユーザーの使い勝手にこだわったアプリ開発が迅速に行えます。また将来、業務やビジネスの状況が変わった際にも、自分たちの手で変更できるため、スピード感もあり、コスト的にも割安です。

――最後に、日本マイクロソフトからもメッセージをお願いします。

増田氏 今回、COVID-19をきっかけにアプリを作りましたが、今後も、テレワークが標準となった企業では、これまでにないニーズがいろいろ見えると思います。そうしたニーズに早く対応する環境を作り、ビジネスを成長させるための武器として、Power Platformを使ってほしいと願っています。

御代氏 今回の件に限らず、今後「変えなければいけない」ことは次々と出てくると思います。その際に重要なのは、やはりスピード感です。ビジネスを変えるためのアプリを、数カ月、数年かけて作るようでは変化に追い付けません。翌週、翌月といった、短期間で生み出すためには、アプリを一部でも内製することも必要になるでしょう。そのためのツールとして、ぜひPower Platformをご検討いただければと思います。

 また、今回のアプリでは特に人事に関わるデータなどを独立して持たせることで、将来的な業務のデジタル化、ひいてはDXの推進を視野に入れて動き出す際にもデータを有効活用できる設計にしています。今回のアプリを、長期的な視野で競争優位性を生む仕組みの一部として活用してほしいですね。

Power Appsを使った「社内緊急コミュニケーションアプリ」を試せるWebセミナーが公開中

 現在、「Power Platformを用いた社内コミュニケーションアプリのテンプレート展開方法」と題して、「社内緊急コミュニケーションアプリ」を社内展開したり、自社の状況に合わせてカスタマイズしたりする方法を解説するWebセミナーが公開中だ。Power Platformの試用ライセンスですぐに試せるのでぜひ体験してほしい。


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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年7月30日

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