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» 2020年07月08日 10時00分 公開

コーチング・メソドロジー・協創空間提供:アフターコロナ時代のリモート×アジャイル開発も支援する、日立のアジャイル開発コンサルティングサービス

2025年の崖を越えるためにデジタル改革に取り組む企業が増えている。ビジネス変化に迅速に対応し、組織戦略に寄与するために、企業のIT部門は、エンジニアは、どう変わらなければいけないのか――。

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 アジャイル開発案件の市場での引き合いは、2018年ごろから増え始めている。「日立製作所」(以下、日立)ではそれまで、個別の顧客の要求に応じアジャイル開発をサポートしてきた。需要が増えたことで体系的なサービスに移行すべきと判断し、2019年2月に企業のアジャイル開発の実践を支援する「アジャイル開発コンサルティングサービス」の提供を開始した。

 ちょうどこのころ、経済産業省が「DXレポート」を公開して「2025年の崖」問題がクローズアップされる。2025年の崖を越えるには、企業は急ぎデジタル変革に取り組む必要があると認知される。そしてデジタル変革を実践するにはアジャイル開発手法を取り入れ、ビジネス変化に迅速に対応できるアプリケーション開発体制が必要となる。

 2025年の崖問題が注目されて以降、アジャイル開発に対する市場ニーズが急激に高まっている。結果、アジャイル開発を実現しデジタル変革に取り組む企業は、競争の激しい大手金融や製造などの企業はもちろん、公共などを含むあらゆる業種業態に広がり、大企業と取引を行う中小企業も例外ではなくなった。

 「これまでウオーターフォール型メインで開発してきた企業が、アジャイル化に取り組み始めました。もちろん中には、アジャイル開発が向かないケースもあります」と話すのは、日立製作所 アプリケーションサービス事業部 サービスソリューション本部 APトランスフォーメーション推進部 課長の向坂太郎氏だ。日立では、全てがアジャイル化すべきとは考えていない。そのため、アジャイル開発に向いているかどうかは、顧客へのヒアリングを基に判断している。

 これまで日立が関わってきた経験から「アジャイル開発は、ビジネスオーナーが積極的なケースで比較的うまくいきやすいです」と向坂氏。これはビジネスオーナー自身が、アジャイル開発の使いどころをしっかり認識していることでもある。

 アジャイル開発は、開発のための手法ではない。ビジネスを成功に導くための手法だ。そのためビジネスオーナーの理解は重要だ。ビジネスオーナーが持つべき責任まで、アプリケーション開発ベンダーに預ける丸投げ体質なところは、アジャイル開発には向かない。ビジネスオーナーがしっかりと目標を定め、その実現方法にアジャイル開発を選ぶ企業が成功するのだ。

コーチング、メソドロジー、協創空間提供 3つのアプローチでアジャイル化をサポート

 日立のアジャイル開発コンサルティングサービスは、「コーチング」「メソドロジーコンサルティング」「協創空間提供」という3つのサービスを提供している。これらを顧客ごとに適宜柔軟に変化させ対応している。

 コーチングは、アジャイル開発プロジェクトの立ち上げから定着化に至るまでをサポートする。アジャイル開発チームを立ち上げたばかりのタイミングでは、まずはメンバーの意識合わせから入る。そしてチームとして活動し始められるようにする準備部分を、コーチがファシリテートしながら進める。この時に、コーチは参加メンバー自身が考え判断するようサポートする。その後は、アジャイル開発が定着化するまで「アジャイル開発プロセスの中の肝となるイベント部分を、継続的にコーチングすることになります」と向坂氏。

 多くの場合、3カ月ほどでアジャイル開発の定着化をめざす。組織によっては、より短い1カ月ほどで定着化までこぎ着けることもある。コーチングは、「認定スクラムマスター(CSM)(※)」資格保持者である日立の経験豊富な技術者が担当する。ポイントごとに決めるべきことはしっかりと押さえ、ファシリテートとアドバイスは行うが、考え、選択し、決めるのはチームのメンバー自身となる。

※ CSM、Certified ScrumMasterは、Scrum Alliance, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標です

 「重要なのは、個々のメンバーに対しリーダーが指示をしないことです」と向坂氏。ここがウオーターフォール型との大きな違いだ。アジャイル型ではトップダウンではなく、ボトムアップでそれぞれのメンバーが考えていることを共有し、チーム全体で動けるようにする。これができないと、メンバーは指示待ちになりがちだ。

 誰かに指示してもらうのを待つのではなく、自分で考え共通認識のもとにコラボレーション型で進める。それが、アジャイル開発の重要なコンセプトだ。日立では既に、顧客企業の20以上のアジャイル開発チームを育てている。今ではそれらのチームは、独立しアジャイル開発を自ら回せるようになっている。

 2つ目のメソドロジーコンサルティングは、これからどうやってアジャイル開発に取り組むかの段階で実施する。具体的には、アジャイル開発を進める上で必要となる、社内規定や社内標準などの作成から始めることが多い。解決すべき課題および解決方法を日立が一緒になって考え、チームとして解決できるようにしていく。「手法を提供するだけでなく、顧客企業と日立が並走していく形になります」と向坂氏は説明する。

 日立では既に長い年月にわたりアジャイル開発を社内外で実践しており、アジャイル開発のノウハウはしっかりと蓄積されている。それを、日立のシステム開発方法論「HIPACE」として整備している。方法論の中身は、世間一般のスクラム開発と同様だが、そこに日立が実践してきたノウハウを注ぎ込んでいる。

 3つ目の協創空間提供は、アジャイル開発を実践するための「場」を提供する。他社のアジャイル開発サポートのサービスでも、ラボと呼ばれるような場の提供はある。それらの多くは都内などに環境が充実した空間を用意し、そこにメンバーを集め活動することになる。一方、日立の協創空間提供サービスでは、都内60カ所から選べるレンタルオフィスを活用し、顧客にとって利便性の良い場所に、必要な器具をそろえ、開発環境の構築を支援する。リモートでのアジャイル開発に必要な開発環境の構築のみも可能であり、顧客のニーズに合わせた場で、すぐにアジャイル開発を実践できる。

 アジャイル開発には、短い単位の開発サイクルを回して開発するスプリント期間がある。「スプリント期間の開発にはスピードが求められます。構築をしてテストをして品質を確認してというサイクルを、短期間で回さなければなりません」と、日立製作所 アプリケーションサービス事業部 サービスソリューション本部 APトランスフォーメーション推進部 技師の山中隆博氏は言う。

 一連のサイクルを、人手でやるのは難しい。なるべく小さい単位に分け、それぞれを自動化できるようにする必要がある。日立ではそのためのCI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)環境をプロジェクトごとに構築支援することを、サービスとして提供している。

取材はオンラインで行った。

キヤノンITソリューションズが日立のコンサルサービスを受けアジャイル化を実践

 「キヤノンITソリューションズ」(以下、キヤノンITS)は、日立のアジャイル開発コンサルティングサービスを受け、アジャイル開発に取り組んだ企業の1つだ。同社はビジネスのデジタル化にシフトすることを決め、そのためには従来のウオーターフォール型では俊敏性が出ないのでアジャイル化を考えた。自社だけで日立のようなアジャイル開発サービスをすぐに展開できればよいが、「自社の『Web Performer(※)』と日立の協創空間提供のサービスを組み合わせれば、より価値の高いサービスが提供できると考えました」と話すのは、キヤノンITソリューションズ デジタルビジネス開発本部 デジタルビジネス推進部 部長の新正三氏だ。

※ Web Performerは、キヤノンITソリューションズの日本における登録商標です

 Web Performerは、超高速、ローコード開発が行えるプラットフォームで、既に14年の歴史があり、1200社以上に採用されている。2020年2月には新たに「WebPerformer Cloud」の提供も開始した。クラウド版の提供は2019年から検討していたもので、エンジニアが会社に行かなければ開発ができないのはおかしいとの発想から生まれたものだ。

 キヤノンITSでは、まずは自分たちの開発体制をアジャイル化するために、2019年12月に日立のアジャイル開発コンサルティングサービスの利用を開始した。自社体制をアジャイル化し俊敏性を得るのと同時に、SI企業として外部にアジャイル開発のサービスを提供することも視野に入れた取り組みだ。

 キヤノンITSの5人ほどのメンバーが参加し、日立のコーチングを受けWeb Performerと日立のCI/CD環境を組み合わせて利用する環境構築をアジャイル開発で実践した。このプロジェクトでは、キヤノンITSのメンバーが、スクラムマスターとして活動できるようにするコーチングを日立から受けることになる。

 「プロジェクトは、ある意味右も左も分からない状況から始まりました。そこからコーチングを受け、自分たちで考え進めるベースを作ることができました」と話すのは、キヤノンITソリューションズ デジタルビジネス開発本部 デジタルビジネス推進部の石塚裕氏だ。メンバーのスキルも経験も異なり、当初は互いが理解できず混乱もあった。振り返ればその混乱を乗り越えたことが、アジャイル開発を進める上での良い経験となっているとのことだ。

 「アジャイル開発ではリーダーの指示を待つのではなく、自分が考えなければ前に進めません。それを実感できました。今はスクラムマスターとして、自分で考え進めることが実践できるようになりました」と石塚氏。またメンバーの得意分野も異なる中「アジャイル開発ではエンジニア同士が信頼し合うことが重要です」と新氏も言う。

 キヤノンITSは、今回のアジャイル化プロジェクトの成果として、日立のアジャイル開発コンサルティングサービスとWeb Performerを組み合わせた「Web Performerアジャイル開発支援サービス」の提供を2020年6月15日から開始した。このサービスではシステム企画フェーズで、キヤノンITSと日立が共同で策定した「アジャイル開発アセスメント」を用い、顧客とともに価値を創造するためのビジネステーマをヒアリングし、テーマに基づき、システムの最適な開発方法を提案する。続いてシステム構築フェーズでは、WebPerformer Cloudを核としたアジャイル開発環境と、他に必要なリソースをワンストップで提供する。

日立アジャイル開発コンサルティングサービスとキヤノンITSの合同チーム。良い雰囲気がメンバーの笑顔から伝わってくる。キヤノンプラザ S内で撮影

アフターコロナではリモートでのアジャイル開発が当たり前に

 現状、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のために、大勢が1カ所に集まることが難しくなっている。一方でアジャイル開発では、メンバーが集まり信頼して協創できなければならない。この2つの要件を満たすために、今後のウィズコロナ、アフターコロナの時代には、アジャイル開発の進め方にも変化が必要だとリモートでのアジャイル開発の実践経験のある向坂氏は指摘する。そして「今回提供するWeb Performerアジャイル開発支援サービスを活用すれば、集まらずともリモートでのアジャイル開発が実現できます」と新氏も言う。

 多くの企業が新型コロナウイルス対策を実践したことで、改めて働き方改革について考えた。そしてリモートで業務を行うことにはメリットがたくさんあることも実感した。今後はアプリケーション開発においても、リモートな手法を取り入れるのは必然となるだろう。そのためのより便利な環境を、日立と協力して提供していきたいと新氏。

 またアフターコロナの世界ではさらなるデジタル化が企業には求められ、アジャイル開発への需要がさらに高まると考えられる。そのため、開発の内製化にかじを切る企業も増えるだろう。しかし、それを実践できる人材が不足する状況も生まれそうだ。「特にスクラムマスターなどは、採用も育成もままならないでしょう」と向坂氏。

 日立としては、そういった状況にも対応するために、企業でアジャイル人材を増やすことをサポートする。例えば課題検討のワークショップなどを開き、アジャイル開発における課題の明確化を提案する。その中では、アジャイル開発人材の育成がキーワードとなることも多い。その場合は、中長期的な人材育成の提案も合わせて行うことになるのだ。

 人材育成については、アジャイル開発の体系的な講座を受けてもらい知識を付けてもらう。さらに、ワークショップなどでロールプレイングを行い実地で身に付けてもらう。日立ではこれら両方を用意している。また組織で短期的にアジャイル開発人材が足りなければ、スクラムマスターを代行するサービスも提供する。

 それぞれの企業に合った、アジャイル開発のやり方があるはずだ。それを適切に見極め、組織としてアジャイル開発を回せる企業がさらに増えることが望まれる。そして今は都会のオフィスに集まりアジャイル開発を行うのが一般的だが、今後はリモートでのアジャイル開発が当たり前になるはずだ。このトレンドにいち早く対応し、「野望は、アジャイル開発チームの立ち上げで、全国制覇することです」と向坂氏は話すのだった。

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提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年7月20日

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