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» 2020年08月17日 10時00分 公開

段階的なクラウド化も同時に実現したい:ハイブリッドクラウドへの第一歩、ファイルサーバのオールフラッシュ化

SB C&Sは、2020年4月からネットアップのオールフラッシュストレージを使ったファイルサーバを利用している。将来のファイルサーバのクラウド化を視野に入れている情報システム部門がなぜ、ネットアップを採用したのか。選定の理由、導入過程、採用の費用対効果などを聞いた。

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SB C&S 南田雄哉氏

 ファイルサーバにさまざまな課題を抱えていたSB C&Sは、ITインフラをクラウド化する計画を立てており、ファイルサーバもクラウド化したいと考えていた。「しかし、一気にクラウドに移行するとコストの心配がありますし、さらにうまく稼働しなければ生産性が下がり、重大なビジネス損失につながります。そのため段階的に移行する方法を模索していました」と話すのは、SB C&S 情報システム本部 プラットフォーム企画推進部 サービスマネジメント課の南田雄哉氏だ。

 SB C&SはWindowsに専用のソフトウェアをインストールした、いわば手組みのファイルサーバ3台で運用していた。だが、従業員数の増加や使用頻度の急増で当初想定していた性能では耐えきれなくなり、運用中にテストを実施すると「ファイルサーバが遅くなる。仕事ができない」という社内からのクレームが頻発していた。空き容量の逼迫(ひっぱく)も問題だった。部門ごとに別々のストレージサーバを利用しており、同じファイルがあっても重複排除機能がないため、データを減らせなかったのだ。

課題があった従来のファイルサーバ構成と新規の構成

 これらの課題を解決し、同時に段階的なクラウド移行を実現するにはどうすればいいのか――南田氏は、さまざまなストレージ製品の提案を行っている同社の販売推進部門にアドバイスを受けた。提案されたのは、ネットアップのオールフラッシュストレージ「NetApp AFF」シリーズだった。

オールフラッシュストレージの容量単価が下がり、幅広い用途での活用が可能に

SB C&S 羽尾和弘氏

 オールフラッシュストレージの一般的な利用は、2015年ごろに始まった。当初は、性能が高いが割高なためミッションクリティカルな用途に限定されており、ファイルサーバなどの用途では利用されていなかった。ところが「最近は容量当たりの単価が下がり、ファイルサーバとしても採用されやすくなっています」と話すのは、SB C&S ICT事業本部 販売推進・技術本部 販売推進統括部 パートナー販売推進部 部長の羽尾和弘氏だ。

 加えてネットアップは、ストレージOS「ONTAP」の重複排除や圧縮機能をオールフラッシュ向けに拡張し、投資対効果の高いオールフラッシュ製品を提供している。そのため「NetApp AFFならば、ファイルサーバ用途でも十分コストメリットを発揮できます」とネットアップ パートナーアライアンス営業本部 パートナー営業部 チャネルセールスマネージャーの川瀬喜嗣氏は言う。

ネットアップ 川瀬喜嗣氏

 NetApp AFFならば、クラウドと連携させる「FabricPool」機能も活用できる。これを使えばアクセス頻度の低いコールドデータやNetApp AFFの「Snapshot」のデータを安価な「Microsoft Azure」の「Azure Blob Storage」などへティアリング(階層化)可能で、オンプレミスのフラッシュストレージの使用量を減らすこともできる。

 このようにNetApp AFFであればHDDベースの「NetApp FAS」ストレージを使うのと同じコスト感で利用できると羽尾氏は判断した。

 さらにクラウドとの連携にも力を入れているネットアップ製品なら、まずはオンプレミスで稼働させ、後にクラウド上でオンプレミスと同じ使い方が可能な「Cloud Volumes ONTAP(CVO)」に対してレプリケーション機能である「SnapMirror」を用いることで容易にクラウドへの移行も実現できる。これが決め手となり、SB C&SはNetApp AFFの導入を決めた。

オールフラッシュでファイルサーバの課題を解決、将来のクラウド化にも備える

 導入作業ではネットアップのストレージの構築経験が豊富で、さまざまな知見を蓄積しているジェット・テクノロジーズのサポートを受けた。南田氏は、ジェット・テクノロジーズが用意したパラメーターシートに、ホスト名やIPアドレス、Snapshotの取得時間などの情報を埋めただけで、その後の構築作業を任せることができたという。

ジェット・テクノロジーズ 齋藤貴裕氏

 ジェット・テクノロジーズ システムソリューション本部 基盤ソリューション部5課 課長の齋藤貴裕氏は「これまで弊社はONTAPの構築で多数の実績がありましたが、今回は『FabricPool』や『CVO』といった弊社にとって新しいソリューションを含んでいたためチャレンジングな案件でした。しかし新しいソリューションにもかかわらず設定が容易であるため、大きなトラブルもなく構築できました。重複排除、圧縮の効果が効きやすい種類のファイルをまとめるなどのアドバイスもさせていただきました。FabricPoolで階層化する対象のデータでは、実データをクラウドへ送るとパフォーマンスに影響があるため、使用頻度の少ないSnapshotのデータを対象にするようにアドバイスしました」と話す。

 Windows Serverベースの既存ファイルサーバからのデータ移行は、南田氏を中心に情報システム本部で実施した。移行後も使い勝手が変わらないよう同じパス、同じファイル名を維持するバッチを作成し、「robocopy」を使って深夜の時間帯に移行した。移行するデータの容量が17T(テラ)Bほどあったため、移行には1.5カ月ほどの時間を要した。robocopyには、Windowsのファイル名制限や200万ファイル以上をコピーすると止まる問題があり、それらを手作業で回避し移行したという。

 「バックアップサーバを用いたバックアップ、リストアによるデータ移行を試しましたが、リストアに時間を要し、その間にデータが書き込まれて差分が発生すると、さらにリストアを行わなければならないので、作業として現実的ではありませんでした。次回NetApp AFFからクラウドに移行する際には、ネットアップのレプリケーション機能である『SnapMirror』を活用すれば、こういった手間はなくなり、楽に移行できるはずです」と南田氏は振り返る。

 SB C&Sは、2020年4月から新たなNetApp AFFのファイルサーバを利用している。「スピードは格段に上がっており、社内ユーザーからもかなり速くなったとの声があります」と南田氏。運用面でも手間が大きく削減された。

 従来は3台のストレージサーバを運用していたが、NetApp AFFでは論理的なストレージコントローラーを複数展開可能な「SVM」を利用し、物理アプライアンス1台で仮想的に3つのファイルサーバ環境を実現している。構成がシンプルになることで管理の手間は大きく削減された。物理的には1つだが、内部は以前と同じIPアドレスを持つファイルサーバとなっており、ユーザーからはこれまでと同じように見えるのだ。

 ハードウェア障害時にも手動の切り替えが必要なくなった。「NetApp AFFでは自動フェイルオーバー/ギブバックにより、自動で切り替えが行われます」と南田氏。フェイルオーバー時にもCIFS(Common Internet File System)セッションは切れずに使い続けることができ、「事前検証でもコントローラーの切り替わりは体感では全く分かりませんでした。もし障害が発生しても社内ユーザーは切り替わったことを意識しないでしょう」と話す。

 運用面における導入メリットは他にもある。データの復元だ。従来は社内ユーザーが誤ってファイルを消した場合、その都度申請を出し、情報システム部門担当者がバックアップデータから復元する社内フローになっていた。NetApp AFFであれば社内ユーザーがSnapshotから自分で復元できるため、社内フローを修正し、情報システム部門の工数を大幅に削減できた。

 これまでのファイルサーバはWindowsベースであったため、定期的なWindows Updateの実行が必須であり、無駄な管理工数と停止時間が発生していた。「ファイルサーバがNetApp AFFに変わったことでストレージOSのアップグレードの際もコントローラーのローリングアップグレードを用いて無停止で実行できます。さらにパフォーマンスにも影響がないため運用中に実施できることもメリットです」と南田氏は話す。

 新たなファイルサーバでは、FabricPool機能でコールドデータをAzure Blob Storageに転送し、オンプレミスでの使用量を最適化している。オンプレミスからSnapMirrorでAzureのCloud Volumes ONTAPにデータを転送して冗長化も図っている。加えてCloud Volumes ONTAPでも、FabricPoolでデータの階層化を実施し、容量の効率化を実現している。

NetApp AFF導入後のファイルサーバ構成

 セキュリティ面でも導入効果があった。細かい頻度でSnapshotを取得して、ランサムウェア対策を実現したのだ。ONTAPでは、最大1023世代のSnapshotの取得が可能なため、SB C&Sは営業日には1時間ごとにSnapshotを取得している。1時間前の正常状態にすぐに復元できるという。

 「今回の導入でビジネスクリティカルなファイルサーバでも可用性と安全性を確保し、ランサムウェア攻撃を受けた際や災害発生時にもビジネスの継続を可能としています」(南田氏)

NetApp AFFとAzureの組み合わせ、さらにMicrosoft 365を含めてワンストップでサポートできる

 今回の事例に加えて、前出のネットアップのクラウドストレージソリューションである「CVO」であればクラウド環境でもストレージの有効活用ができるという。

ネットアップ 青柳博史氏

 「CVOはクラウドでも重複排除や圧縮、データのティアリングなどの独自機能を全て利用できるため、オンプレミスと同じ環境がAmazon Web Services(AWS)やAzureで実現できます」と、ネットアップ ソリューション技術本部 SE第2部 担当部長の青柳博史氏は言う。

 さらにネットアップは、「Microsoft 365(Office 365)」を保護する「SaaS Backup for Office 365」も提供している。というのも、Microsoft 365には冗長性があるが、バックアップ機能は提供されていないからだ。「Microsoft 365のバックアップニーズは高いのです。例えば退職した従業員のMicrosoft 365のデータは、IDが削除されると消えてしまいます。メールデータに関しては『訴訟ホールド』機能で保持できますが、『OneDrive』など他のMicrosoft 365サービスはバックアップがなければデータが失われてしまいます」と青柳氏。リモートワークで利用頻度が高まっている「Microsoft Teams」についても、チャットのやりとりや添付データなどは別途バックアップを取得しておかなければ保存されない。これらのデータもSaaS Backup for Office 365を活用すれば、クラウド領域やオンプレミス環境に保存できるのだ。

 今回SB C&Sの情報システム部門で導入したNetApp AFFとAzureを組み合わせた構成は、ネットアップやジェット・テクノロジーズと協業しているSB C&Sの販売推進部門で導入を支援する体制が整っている。「ネットアップ製品単体でも、Azureとの組み合わせでも大丈夫です。さらにはMicrosoft 365も含め、ワンストップで提供できるのがわれわれの強みとなります」と羽尾氏は話す。

 デジタルトランスフォーメーションを進める企業に対しデータマネジメントの用途で提案する機会がSB C&Sでは増えている。その際にネットアップと協業することで、クラウドを活用したデータ保護ソリューションも加えた提案が可能だという。クラウド上で保護しているデータを企業の経営戦略に生かすところまで、トータルに支援している。

 企業が扱うデータ量は増えており、複雑な処理を行うAIの活用も求められる。その際にはオールフラッシュの高性能が必須となるだろう。その意味でも、今回の3社が協業することで、最適な課題解決策を提案できるという。

 今回の事例で紹介したように、オールフラッシュは既に幅広い用途で使える製品となっている。NetApp AFFにはエントリーレベルの「AFF C190」というモデルも用意されており、エントリーレベルからNetAppのクラウドソリューションとの連携が可能なため、オールフラッシュの導入のハードルが低くなり、ハイブリッドクラウド促進にもつながる。

 ネットアップのソリューションを活用するための支援体制や検証機の貸し出しなどをSB C&Sは行っており、「ストレージに何らかの課題を抱えているならば、気軽に問い合わせてほしい」と羽尾氏は話していた。

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提供:SB C&S株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年9月9日

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