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» 2020年08月25日 05時00分 公開

AI・機械学習の独学リソース:機械学習/ディープラーニングが無料で学べる、米国有名大学の「オンライン講座/講義動画」

アメリカのスタンフォード大学/MIT/ハーバード大学/コロンビア大学/ニューヨーク大学といった有名大学の一部では機械学習や深層学習のオンライン講座/講義動画を無料で配信している。その概要と特長をまとめる。

[一色政彦,デジタルアドバンテージ]

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 機械学習やディープラーニング(深層学習)を大学講義(特に海外の有名大学)レベルで徹底的に学びたい。でも本当に留学したり大学に入学したりするのは大変なのでしたくない(ましてや今はコロナ禍なのでできない)。

 ……そのように思っている本格志向の人には、有名大学が提供する良質なのに無料のオンライン講座(もしくは講義動画とスライド資料)がお勧めだ。本稿ではその中でも特に有用だと考えられる米国の有名大学(下記の5つ)のものを紹介する。ただし、いずれも当然、講義は英語である(日本語字幕が付いている場合もある)。

 ちなみに、大学講義を大規模に(Massive)公開した(Open)オンライン講座(Online Courses)はMOOCと呼ばれ(その日本版のJMOOCについては本稿の最後で紹介)、世界中で人気を博している。上記の「オンライン講座」とはMOOCの一種である。MOOCでは、学期ごとに参加者が募集される(頻繁に学期が開催されているので、ほぼいつでも参加できる)。主に週単位で学んでいき、その週ごとに確認テストがある。また、理解できないことなどがあれば、掲示板を使って参加者同士で教え合いながら解決することが求められる。最後の実力テストをクリアしてコースを修了すると、修了証書(Certificate)を有償で入手することもできる。

 また、上記の「講義動画(+スライド資料がある場合も)」は大学講義(+資料)がそのまま誰でも閲覧できる状態で公開されているものだ。確認テストなどはないが、より気軽に視聴/閲覧できるメリットがある。

 それでは、大学ごとに紹介していこう。

スタンフォード大学

オンライン講座(Coursera)

図1 オンライン講座「機械学習」(スタンフォード大学) 図1 オンライン講座「機械学習」(スタンフォード大学)

 本稿で紹介する中で一番有名なオンライン講座だ。機械学習やディープラーニングを取り組む人なら知っている人も多いだろう。

 講師は、「教えるのがうまい」と定評があり有名なAndrew Ng(アンドリュー・ング)氏だ。構成内容は、

  • 第1週「はじめに」「線形回帰」「線形代数」
  • 第2週「多変数の線形代数」「Octave/Matlabのチュートリアル」
  • 第3週「ロジスティック回帰」「正則化」
  • 第4週「ニューラルネットワーク:表現」
  • 第5週「ニューラルネットワーク:学習」
  • 第6週「機械学習の実践適用へのアドバイス」「機械学習のシステム設計」
  • 第7週「SVM(サポートベクタマシン)」
  • 第8週「教師なし学習」「次元削減」
  • 第9週「異常検知」「レコメンデーション」
  • 第10週「大規模な機械学習」
  • 第11週「アプリケーション例:写真OCR」

となっており、「<対象>」項目それぞれは合計で約60〜90分の動画となっている。

 この講座の特長は、基礎的な数学から分かりやすく教えてくれることだ。欠点は、Octaveというマイナーなプログラミング言語を用いることである。「機械学習の基礎」を学びたいなら、取りあえずこの講座を履修するとよい。

 同じAndrew Ng氏が提供するオンライン講座に、

もありお勧めではあるが、スタンフォード大学が提供する講座ではないので(deeplearning.aiが提供)、本稿では説明を割愛する。

講義動画(YouTube)

図2 講義動画「深層学習」(スタンフォード大学) 図2 講義動画「深層学習」(スタンフォード大学)

 スタンフォード大学では、以下の通り、過去の講義動画をYouTubeに一般公開してくれている(余談:日本の大学も国内産業発展のためにも、これくらい大盤振る舞いをしてくれたらうれしいなぁとは思う。アメリカは本当にうらやましい)。

 これらの講義動画の特長は、YouTubeで気楽に視聴できること。欠点はその裏返しで、講座形式で学友とともに学んだり質問したりできないことだ。

 ちなみに、スタンフォード大学は「Stanford Online」というオンライン大学を開校しており、オンラインで日本に居ながら大学のコース(講座)に出席でき、スタンフォード大学工学部の人工知能学士号(=卒業証書)も取得できる。基本的にコースは有料であるが(コースごと約60万円で、卒業するには最低4コースを修了する必要があり、1〜3年で数百万円はかかる)、例えば上記のYouTube動画にもあるCS221など一部のコースは無償で参加できる。ただし、これは「大学講義への出席」であり、手軽ではないことに注意してほしい。

MIT(マサチューセッツ工科大学)

講義動画(YouTube)+スライド資料

図3 講義動画「ディープラーニング入門」(MIT) 図3 講義動画「ディープラーニング入門」(MIT)

 MITでは、講座「6.S191」の講義動画(YouTube)とスライド資料が無料で一般公開されている。筆者もいくつか視聴してみて、講義の分かりやすさがとても気に入った。それが特長であり、「入門」と名付けられているように、全10講義+全5演習だけ(下記の箇条書きを参照)でかなり広範な内容が学べるようになっているのもメリットだ。特に、「ディープラーニングの基礎」を短時間でより幅広く学びたい人にお勧めだ。

  • 第1講「ディープラーニング入門」
  • 第2講「ディープシーケンスモデリング」
  • 演習1「TensorFlowの紹介:音楽の生成」
  • 第3講「ディープコンピュータビジョン」
  • 第4講「深層生成モデリング」
  • 演習2「顔認識システムのデバイアス」
  • 第5講「深層強化学習」
  • 第6講「限界と新境地」
  • 演習3「ピクセルから制御の学習」
  • 第7講「神経記号的ハイブリッドAI」
  • 第8講「ロボティクスにおける一般化可能な自律性」
  • 演習4「最終プロジェクト」
  • 第9講「ニューラルレンダリング」
  • 第10講「香りのML」
  • 演習5「最終プロジェクトと表彰式」

ハーバード大学

オンライン講座(edX)

図4 オンライン講座「データサイエンス:機械学習」(ハーバード大学) 図4 オンライン講座「データサイエンス:機械学習」(ハーバード大学)

 ハーバード大学(edX)も、スタンフォード大学(Coursera)と同様にオンライン講座を開設している。多数のコンテンツを無料で提供しているが、その中の一つがこの講座である。構成内容は、

  • 本講座の紹介と歓迎
  • 第1節「機械学習入門」
  • 第2節「機械学習の基礎」
  • 第3節「予測のための線形回帰、平滑化、行列処理」
  • 第4節「距離、Knn、クロスバリデーション、生成モデル」
  • 第5節「2つ以上のクラスを持つ分類とcaretパッケージ」
  • 第6節「モデルフィッティングとレコメンデーションシステム」
  • 第7節「最終評価とコースのまとめ」

となっている。ただし、この講座は

という(下記の全9講座で構成される)プログラムの8番目の講座である。つまり、事前に7つの講座を受講することが前提条件となっているので注意してほしい。

 これらの全講座が無料である(特長)。自分のペースで進めることもできるが、全てを指定されたペースで受講すると、1年5カ月かかる(人によっては欠点)。

 それだけ時間をかけて学んだのなら、転職などによるキャリアアップ時に「取得済み資格の一つとしてアピールしたい」ということもあるだろう。そんな場合は、修了証書を取得すればよい。プログラム全体の証書取得には491米ドル(2020年8月現在は441.90米ドルに割引中)がかかるものの、約5万円程度であれば非常に安価といえるだろう。

講義動画(YouTube)/オンライン講座

図5 講義動画「Pythonで始める人工知能入門」(ハーバード大学) 図5 講義動画「Pythonで始める人工知能入門」(ハーバード大学)

 ハーバード大学の「CS50」は、「コンピュータサイエンス(CS)とプログラミング技術という知的研究分野への入門」のための講座である。上記の講義動画は、その講座の一部であり、

  • 「はじめに」(約2分の紹介動画)
  • 第0講「検索」
  • 第1講「知識」
  • 第2講「不確実性」
  • 第3講「最適化」
  • 第4講「学習」
  • 第5講「ニューラルネットワーク」
  • 第6講「言語」

という8本の講義動画で構成されている。

 このオンライン講座/講義動画の特長は、約2時間×7本というちょうどよいボリューム感である(特長)。若い講師がメインで登壇しており、勢いがよいので、攻撃的に(=モチベーション高く)勉強できる感じが筆者は好きだ。「人工知能の基礎」について、効率的に学びたい人にお勧めできる。

コロンビア大学

オンライン講座(edX)

図6 オンライン講座「データサイエンス&分析のための機械学習」(コロンビア大学) 図6 オンライン講座「データサイエンス&分析のための機械学習」(コロンビア大学)

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