連載
» 2021年05月31日 05時00分 公開

Edgeの「IEモード」を、サポートが終了するIE代わりに使う方法Tech TIPS

社内にInternet Explorer(IE)専用の古いWebアプリが残っているせいで、Microsoft EdgeとIEを使い分けている、ってことはないだろうか。IEのサポートの終了も近い。Microsoft Edgeの「IEモード」を使って、Edge内でシームレスにIE向けのWebページを閲覧しよう。その方法を解説する。

[デジタルアドバンテージ,著]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

「Tech TIPS」のインデックス

連載目次

対象:Microsoft Edge(Windows 10)


Microsoft EdgeでIE専用Webページを表示できる「IEモード」 Microsoft EdgeでIE専用Webページを表示できる「IEモード」

 社内に古いInternet Explorer(IE)専用Webページ/アプリが残っているせいで、いまだにIEの利用が強いられている。しかも、IEでは利用できないネットサービスが増えていて、他のWebブラウザと併用せざるを得ず、面倒だ……。

 また、2022年6月にはIEのサポートが終了することから、IE専用のWebページ/アプリは利用が困難になる。

 このような場合、Chromiumベースの「Microsoft Edge(以下、Edge)」への移行を検討してみるとよいだろう。「IEモード」という機能により、EdgeのタブでIE専用のWebページ/アプリをシームレスに表示できるからだ。Webページ/アプリによって、いちいち手動でIEとその他のブラウザを使い分ける必要がなく、便利だ。

 本Tech TIPSでは、Windows 10を対象として、IEモードによってIE専用WebをEdgeで表示可能にするための一連の設定手順を説明する。以下では、細かい設定の調整などは可能な限り後回しにして、IEモードを実際に検証できる環境を速やかに実現することを優先している。なお、以前はMicrosoft提供の「Enterprise Mode Site List Manager」というツールが必要であったが、最新のEdgeではこの機能がEdge内の統合されており、GUI操作で比較的簡単にサイト一覧のXMLファイルを作成できるようになっている(後述)。

IEのサポートが終了してもIEモードのサポートは続く

 Microsoftは、2022年6月15日にIEのサポートを終了すると発表した(MicrosoftのWindows Blog「Internet ExplorerはMicrosoft Edgeへ - Windows 10のInternet Explorer 11デスクトップアプリは2022年6月15日にサポート終了」参照)。かねてMicrosoftは、互換性の向上やセキュリティの強化の面から、IEからEdgeへ移行を推進しており、2020年8月17日にはMicrosoft 365のIEのサポートを2021年8月17日に終了すると発表していた。今回、IE自体のサポートが終了することが発表されたわけだ。

 ただ、iexplore.exeはデバイスから削除されることはなく、IEにアクセスしようとするとIE11は起動せずに、Edgeにリダイレクトされるようになるということだ。また、IE11の基盤となるMSHTMLエンジン(Tridentエンジン、IEコンポーネントとも呼ばれる)は引き続きサポートされ、MSHTMLを利用するアプリには影響がないとしている。

 なお、業務で利用しているIEベースのWebシステムは、本Tech TIPSで利用方法を紹介しているEdgeのIEモードを設定することで、Edge内で利用可能だ。MicrosoftのWindows Blog「『Internet Explorer 11デスクトップアプリケーションのサポート終了』の発表に関連するFAQ」によれば、IEモードは少なくとも2029年までサポートされるということだ。

 IEベースのWebシステムが稼働している場合は、早急にEdgeのIEモードへの移行を行い、2029年までにはシステム自体をEdgeに移行するなどした方がよいだろう。


手順1――IEモードの設定と有効化(グループポリシーの場合)

 IEモードを使うには、機能の有効化が必要になる。グループポリシーとレジストリ編集のいずれかで設定を行う。推奨はグループポリシーで、Windows 10 Home以外のエディションなら設定可能だ。

 またActive Directoryドメインに所属する複数のPCに、一括で設定を反映するのも容易だ。そこで、まずはグループポリシーでの設定手順を説明する。レジストリ編集については後述する。

 以下では、IEモードの設定作業に使うPCを「作業用PC」、IEモードでWebサイトを閲覧するPCを「閲覧用PC」と区別して説明する。作業用と閲覧用を1台のPCで兼ねることも可能だ。

●Edge用グループポリシーテンプレートをインストールする

 グループポリシーで設定する場合、事前にEdge向けの「グループポリシーテンプレート」を作業用PCと閲覧用PCの両方にインストールする必要がある。それにはまず、以下のページから「ポリシーファイル」をダウンロードする。

 上記ページをWebブラウザで開いたら、[チャンネル/バージョンを選択]で安定版かつ最新版を、また[ビルドを選択]では最新ビルドをそれぞれ選ぶ。すると、「ポリシーファイルを取得」というリンクがクリックできるようになるので、クリックするとCABファイル(MicrosoftEdgePolicyTemplates.cab)がダウンロードされる。

Edge用グループポリシーテンプレートをダウンロードする Edge用グループポリシーテンプレートをダウンロードする

 そのCABファイルをエクスプローラー上でダブルクリックして、格納されているZIPファイル(MicrosoftEdgePolicyTemplates.zip)を展開する。

グループポリシーテンプレートのアーカイブファイルを解凍する グループポリシーテンプレートのアーカイブファイルを解凍する

 そのZIPファイルも展開する。インストールすべきグループポリシーテンプレートは、その中の「windows\admx」フォルダ以下にある。ローカルマシンにインストールする場合は、以下のように各ファイルをコピーする。

  • windows\admx\msedge*.admx → %systemroot%\PolicyDefinitionsフォルダへ
  • windows\admx\ja-JP\msedge*.adml → %systemroot%\PolicyDefinitions\ja-JPフォルダへ

 Active Directoryドメインに展開する場合、上記のファイルはSYSVOL共有内の所定のフォルダにコピーする必要がある(一般的なグループポリシーテンプレートと手順は変わらないため、詳細は省略させていただく)。この場合、Active Directoryの仕組みにより、各PCには自動的にグループポリシーテンプレートが配布される。いちいち各PCへ個別にインストールしてまわる必要はない。

 以上でグループポリシーテンプレートのインストールは完了だ。この作業は1回だけ実施すればよい(IEモードの設定を変えるたびに行う必要はない)。

●グループポリシーでサイト一覧をEdge上で作成できるように設定する

 IEモードで開くサイト一覧はXML形式でファイルに保存する必要がある。それにはまず、Edge内蔵のサイト一覧作成ツール「エンタープライズサイトリストマネージャー」を利用できるように有効化する。これは作業用PCだけで実施すればよい。

 [Windows]+[R]キーで「ファイル名を指定して実行する」ダイアログを開き、「gpedit.msc」と記入して実行する。グループポリシーエディタ(gpedit.msc)が起動したら、[コンピューターの構成]−[管理用テンプレート]−[Microsoft Edge]−[エンタープライズモードサイトリストマネージャーのツールへのアクセスを許可する]で[有効]を選ぶ。

「エンタープライズサイトリストマネージャー」を利用できるようにする(1/2) 「エンタープライズサイトリストマネージャー」を利用できるようにする(1/2)
「エンタープライズサイトリストマネージャー」を利用できるようにする(1/2) 「エンタープライズサイトリストマネージャー」を利用できるようにする(2/2)

●グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する

 次に、サイト一覧のXMLファイルのありかをEdgeに設定する。これは閲覧用PCで実施すればよい。

 サイト一覧ファイルのパスを指定するには、gpedit.mscの[コンピューターの構成]−[管理用テンプレート]−[Microsoft Edge]−[エンタープライズモードサイトリストを構成する]で[有効]を選びつつ、サイト一覧ファイルのパスを指定する。

グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する(1/2) グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する(1/2)
グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する(2/2) グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する(2/2)

 サイト一覧ファイルのパスとしては、ドライブ名から始まるローカルファイルのパス名の他、「\\server1\share\sites.xml」のようなファイル共有のUNCや、「https://example.jp/sites.xml」のようなURLも指定可能だ。いずれの場合も、後述する手順でサイト一覧ファイルを作成したら、ここで指定したパスにそれを保存する必要がある。

●グループポリシーでIEモードを有効化する

 最後にIEモードを有効化する。これは閲覧用PCで実施すればよい。

 gpedit.mscの[コンピューターの構成]−[管理用テンプレート]−[Microsoft Edge]−[Internet Explorer統合を構成する]で[有効]を選びつつ、動作モードとして[Internet Explorerモード]を選ぶ。

グループポリシーでIEモードを有効化する(1/2) グループポリシーでIEモードを有効化する(1/2)
グループポリシーでIEモードを有効化する(2/2) グループポリシーでIEモードを有効化する(2/2)

手順1’――IEモードの設定と有効化(レジストリ編集の場合)

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリエディターの操作は慎重に行うとともに、あくまでご自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。


 Windows 10 Homeの場合、グループポリシーが利用できない。その代わりにレジストリを直接編集することでIEモードを利用できるようにする。具体的には、以下のレジストリエントリで、サイト一覧ファイルのパス指定とIEモードの有効化を設定する。

項目 内容
キー HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge
■エンタープライズサイトリストマネージャーの有効化  
値の名前 EnterpriseModeSiteListManagerAllowed
REG_DWORD(DWORD 32ビット)型
値の内容 1: 有効化
0: 無効化
■IEモードの有効化  
値の名前 InternetExplorerIntegrationLevel
REG_DWORD(DWORD 32ビット)型
値の内容 1: 有効化(Internet Explorerモード)
0: 無効化
■サイト一覧ファイルのパス指定  
値の名前 InternetExplorerIntegrationSiteList
REG_SZ(文字列)型
値の内容 <該当のXMLファイルを保存したパス>
IEモードを設定するためのレジストリエントリ

 [EnterpriseModeSiteListManagerAllowed]は作業用PCに、[InternetExplorerIntegrationLevel][InternetExplorerIntegrationSiteList]は閲覧用PCにそれぞれ設定する。

 レジストリエディターの場合、「ファイル名を指定して実行する」ダイアログで「regedit」と指定して起動した後、以下のように設定する。

レジストリエディターでのIEモードの設定手順 レジストリエディターでのIEモードの設定手順

 コマンドラインで設定するには、管理者権限でコマンドプロンプトを起動してから以下のようにreg addコマンドを実行する。

reg add HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge /v EnterpriseModeSiteListManagerAllowed /t REG_DWORD /d 1 /f


コマンドラインでのレジストリ設定(作業用PC向け)

reg add HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge /v InternetExplorerIntegrationLevel /t REG_DWORD /d 1 /f
reg add HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge /v InternetExplorerIntegrationSiteList /t REG_SZ /d <サイト一覧ファイルのパス> /f


コマンドラインでのレジストリ設定(閲覧用PC向け)

 以上でレジストリ編集による設定は完了だ。

手順2――IEモードで開くサイト一覧を作成する

 IEモードで開くサイト一覧を作成するには、作業用PCでEdge起動し、「edge://compat/sitelistmanager」を開く。前述のグループポリシーまたはレジストリの設定が済んでいれば、「エンタープライズサイトリストマネージャー」の画面が表示されるはずだ。下画面のように、[]または[サイトの追加]をクリックし、IEモードで開くサイトのURL(ドメイン名やパス、スキーム)やIEの互換モードを設定、追加していく。

IEモードで開くサイトを追加する(1/2) IEモードで開くサイトを追加する(1/2)
IEモードで開くサイトを追加する(2/2) IEモードで開くサイトを追加する(2/2)

Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.

編集部からのお知らせ

6月16日にフォーマット統一のため利用規約を変更します

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。