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» 2020年09月02日 05時00分 公開

Tech TIPS:Chromium版Edge内でIE専用Webページを開く「IEモード」の簡単設定法

社内にInternet Explorer(IE)専用の古いWebアプリが残っているせいで、Microsoft EdgeとIEを使い分けている、ってことはないだろうか。Chromium版Edgeなら「IEモード」を使うことでEdge内でシームレスにIE向けのWebページが閲覧できる。その方法を解説しよう。

[デジタルアドバンテージ,島田 広道]

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Chromium版EdgeでIE専用Webページを表示できる「IEモード」 Chromium版EdgeでIE専用Webページを表示できる「IEモード」

対象:Windows 10、Chromium版Edge


 社内に古いInternet Explorer(IE)専用Webページ/アプリが残っているせいで、いまだにIEの利用が強いられている。しかも、IEでは利用できないネットサービスが増えていて、他のWebブラウザと併用せざるを得ず、面倒だ……。

 そのような場合、2020年にリリースされた「新しいMicrosoft Edge(Chromium版Edge)」への移行を検討してみるとよいだろう。「IEモード」という機能により、Chromium版EdgeのタブでIE専用のWebページ/アプリをシームレスに表示できるからだ。Webページ/アプリによって、いちいち手動でIEとその他のブラウザを使い分ける必要がなく、便利だ。

 本Tech TIPSでは、Windows 10を対象として、IEモードによってIE専用WebをChromium版Edgeで表示可能にするための一連の設定手順を説明する。以下では、細かい設定の調整などは可能な限り後回しにして、IEモードを実際に検証できる環境を速やかに実現することを優先している。

手順1――Chromium版Edgeがインストール済みか確認する

 まずは対象マシンにChromium版Edgeがインストールされていることを確認しよう。[スタート]メニューから「Microsoft Edge」をクリックして起動し、「edge://settings/help」を開いてみる。そこで「このブラウザーは、Chromiumオープンソースプロジェクト……」という一文が表示されたら、Chromium版Edgeである。

Chromium版Edgeかどうかを「Microsoft Edgeについて」ページで判定する Chromium版Edgeかどうかを「Microsoft Edgeについて」ページで判定する

 新旧Edgeの区別の詳細については、TIPS「古いの? 新しいの? Microsoft Edgeのバージョンを確認する」を参照していただきたい。

 以前のMicrosoft Edgeだった場合は、Microsoftの「新しいMicrosoft Edgeをダウンロード」からChromium版Edgeのダウンロードとインストールができる。

手順2――IEモードで開くサイト一覧を作るツールをインストール

 IEモードを利用するには、IEモードで開くサイトの一覧をあらかじめChromium版Edgeに設定しておく必要がある。Chromium版EdgeはWebページを表示(描画)する際、そのリストに含まれるサイトならIE11のレンダリングエンジンで表示する(含まれなければ標準のレンダリングエンジンを用いる)からだ。

 IEモード用のサイト一覧は、XMLファイルに変換して保存する必要がある。Microsoft提供の「Enterprise Mode Site List Manager」というツールを用いると、GUI操作で比較的簡単にサイト一覧のXMLファイルを作成できる。

 そこで、上記のページからそのインストーラー(MSIファイル)をダウンロードする。そしてサイト一覧を作成する作業用PCでインストーラーを起動して、インストールする。ウィザードでは特に設定を変更する必要はない。

サイト一覧作成ツール「Enterprise Mode Site List Manager」をインストールする サイト一覧作成ツール「Enterprise Mode Site List Manager」をインストールする

手順3――IEモードで開くサイト一覧のファイルを保存する

 まずはインストールしたEnterprise Mode Site List Managerを起動する。

Enterprise Mode Site List Managerを起動する Enterprise Mode Site List Managerを起動する

 最初にウィンドウ左下隅にある[Add]ボタンをクリックして、IEモードで開くサイトのURL(ドメイン名やパス)やIEの動作モードを設定、追加していく。

IEモードで開くサイトを追加する(1/2) IEモードで開くサイトを追加する(1/2)
IEモードで開くサイトを追加する(2/2) IEモードで開くサイトを追加する(2/2)

 重要なのは「Compat Mode」の設定だ。対象のIEのバージョンや動作モードに応じて適切に選択する必要がある。IE11互換なら[Default Mode]、古いIE7/IE8互換なら[〜 Enterprise Mode]を選ぶ、といった具合だ。

 サイトの追加が完了したら、[File]−[Save to XML]をクリックし、ファイル保存ダイアログでサイト一覧XMLファイルのパスを指定して保存する。

追加したサイトの一覧をXMLファイルに出力する 追加したサイトの一覧をXMLファイルに出力する

 保存したときのパスは、後でChromium版Edgeに設定するので、そのフルパスをメモしておくこと。

手順4――IEモードの設定と有効化(グループポリシーの場合)

 IEモードの設定方法には、グループポリシーとレジストリ編集の2種類がある。推奨はグループポリシーで、Windows 10 Home以外のエディションなら設定可能だ。またActive Directoryドメインに所属する複数のPCに、一括で設定を反映するのも容易だ。そこで、まずはグループポリシーでの設定手順を説明する。レジストリ編集については後述する。

●Chromium版Edge用グループポリシーテンプレートをインストールする

 グループポリシーで設定する場合、事前にChromium版Edge向けのグループポリシーテンプレートを対象マシンにインストールする必要がある。それにはまず、以下のページから「ポリシーファイル」をダウンロードする。

 上記ページをWebブラウザで開いたら、[チャンネル/バージョン]で安定版かつ最新版を、また[ビルド]では最新ビルドをそれぞれ選ぶ。すると、「ポリシーファイルを取得」というリンクがクリックできるようになるので、クリックするとCABファイル(MicrosoftEdgePolicyTemplates.cab)がダウンロードされる。

Chromium版Edge用グループポリシーテンプレートをダウンロードする Chromium版Edge用グループポリシーテンプレートをダウンロードする

 そのCABファイルをエクスプローラー上でダブルクリックして、格納されているZIPファイル(MicrosoftEdgePolicyTemplates.zip)を展開する。

グループポリシーテンプレートのアーカイブファイルを解凍する グループポリシーテンプレートのアーカイブファイルを解凍する

 そのZIPファイルも展開する。インストールすべきグループポリシーテンプレートは、その中の「windows\admx」フォルダ以下にある。ローカルマシンにインストールする場合は、以下のように各ファイルをコピーする。

  • windows\admx\msedge*.admx → %systemroot%\PolicyDefinitionsフォルダへ
  • windows\admx\ja-JP\msedge*.adml → %systemroot%\PolicyDefinitions\ja-JPフォルダへ

 Active Directoryドメインに展開する場合、上記のファイルはSYSVOL共有内の所定のフォルダにコピーする必要がある(一般的なグループポリシーテンプレートと手順は変わらないため、詳細は省略させていただく)。

 以上でグループポリシーテンプレートのインストールは完了だ。

●グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する

 次に、サイト一覧のXMLファイルのありかをChromium版Edgeに設定する。基本的な設定手順は一般的なグループポリシーと変わらない。ローカルマシンに適用する場合はグループポリシーエディター(gpedit.msc)を起動する。「ファイル名を指定して実行する」ダイアログで「gpedit.msc」を記入して実行すればよいだろう。

 サイト一覧ファイルのパスを指定するには、[コンピューターの構成]−[管理用テンプレート]−[Microsoft Edge]−[エンタープライズモードサイト一覧を構成する]で[有効]を選びつつ、サイト一覧ファイルのパスを指定する。

グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する(1/2) グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する(1/2)
グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する(2/2) グループポリシーでサイト一覧ファイルの保存先パスを設定する(2/2)

 サイト一覧ファイルのパスとしては、ドライブ名から始まるローカルファイルのパス名の他、「\\server1\share\sitelist.xml」のようなファイル共有のUNCや、「https://example.jp/sitelist.xml」のようなURLも指定可能だ。

●グループポリシーでIEモードを有効化する

 最後にIEモードを有効化する。それにはgpedit.mscの[コンピューターの構成]−[管理用テンプレート]−[Microsoft Edge]−[Internet Explorer統合を構成する]で[有効]を選びつつ、動作モードとして[Internet Explorerモード]を選ぶ。

グループポリシーでIEモードを有効化する(1/2) グループポリシーでIEモードを有効化する(1/2)
グループポリシーでIEモードを有効化する(2/2) グループポリシーでIEモードを有効化する(2/2)

 以上でグループポリシーによるIEモードの設定と有効化は完了だ。

手順4’――IEモードの設定と有効化(レジストリ編集の場合)

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリエディターの操作は慎重に行うとともに、あくまでご自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。


 Windows 10 Homeの場合、グループポリシーが利用できない。その代わりにレジストリを直接編集することでIEモードを利用できるようにする。具体的には、以下のレジストリエントリで、サイト一覧ファイルのパス指定とIEモードの有効化を設定する。

項目 内容
キー HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge
■IEモードの有効化  
値の名前 InternetExplorerIntegrationLevel
REG_DWORD(DWORD 32ビット)型
値の内容 1: 有効化(Internet Explorerモード)
0: 無効化
■サイト一覧ファイルのパス指定  
値の名前 InternetExplorerIntegrationSiteList
REG_SZ(文字列)型
値の内容 <該当のXMLファイルを保存したパス>
IEモードを設定するためのレジストリエントリ

 レジストリエディターの場合、「ファイル名を指定して実行する」ダイアログで「regedit」と指定して起動した後、以下のように設定する。

レジストリエディターでのIEモードの設定手順 レジストリエディターでのIEモードの設定手順

 以上でレジストリ編集による設定は完了だ。

手順5――IEモードの動作を確認する

 設定が完了したら、動作を確認するため、Edgeを起動して「edge://policy」を開いてみよう。正しく設定されていれば、以下のように表示されるはずだ。

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