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» 2020年09月11日 05時00分 公開

Gartner Insights Pickup(174):政府機関や自治体でクラウド展開を最適化する5つの施策

政府機関や地方自治体ではクラウドの導入がなかなか進んでおらず、それにはさまざまな理由がある。だが、これらの組織のCIOは、クラウドの導入拡大に必要な施策を理解し、実践すべきだ。

[Laurence Goasduff, Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 2019年11月、Gartnerは世界のパブリッククラウドサービス市場が2020年に前年比で17%成長し、2664億ドルに達するとの見通しを示した。だが、政府機関や地方自治体の多くは、クラウドの導入を部分的に行っているか、検討、計画している段階にある。

 「パブリッククラウドの導入は、ずっと避けて通るわけにはいかない。政府機関や地方自治体は、『エンタープライズクラウド戦略がない』『クラウドスキルを持った人材が欠けている』『外部の人材プールにアクセスできていない』といった問題を抱えていた。それでも、こうした組織のCIO(最高情報責任者)はこれらの問題に取り組み、クラウドを導入し始めた」と、Gartnerのアナリストでシニアディレクターのネビル・キャノン(Neville Cannon)氏は語る。

 政府機関や地方自治体のCIOにとって次のステップは、クラウドの導入を拡大する方法を学び、クラウド展開を最適化することだ。今、実施すべき施策として、以下の5つが挙げられる。

1.ポリシー、戦略、導入計画を作成

 政府機関も地方自治体も、クラウドへの移行の意図や目的、ロードマップを理解し、労力の無駄をなくしてクラウド展開をスムーズに進める必要がある。各機関や各自治体のクラウドのポリシーや戦略、導入計画が明確に策定され、全ての部署に浸透するようにする。

2.クラウドセンターオブエクセレンスを創設

 クラウドの導入とガバナンスをリードする「クラウドセンターオブエクセレンス(CCoE)」を設置する。CCoEは、クラウドコンピューティングの知識ベースとコードリポジトリをメンテナンスし、知識やコーディングへの貢献を積極的に職員に呼び掛ける。クラウドベースのITトランスフォーメーションの重要な要素であり、通常、このトランスフォーメーションの推進を担う。

(出所:Gartner)

3.必須スキルを持った人材を確保

 クラウド管理やクラウドアーキテクチャ設計などに、必要なスキルを持った人材は多くの場合不足しており、確保するための資金も足りないが、この問題は組織内で見過ごされているか、あるいは優先順位が低い。新しい技術とそれに伴うプロセスを学習する意欲と能力がある従業員を採用するか、再教育すべきだ。

4.SaaSの利用を拡大

 SaaS(Software as a Service)は、企業で最も採用されているクラウドベースのサービスであり、導入展開しない手はない。政府機関や地方自治体のCIOは、SaaSの導入を拡大する必要があるが、その一方でリスクの軽減も必要になる。SaaSを利用するときは、管理および統合計画を作成、実行し、首尾一貫した管理可能なアプローチによるアプリケーションとデータの統合を維持し、保証しなければならない。

5.クラウドポリシーの導入を全社的に拡大

 クラウドファーストポリシーは、IT部門にだけ影響するわけではない。ポリシーに影響を与える、あるいはポリシーを作成、更新する政府機関や地方自治体のCIOは、パブリッククラウドの利用に関する規定を、(調達、財務、法務など、関連する全ての専門分野を含む)担当組織全体を考慮したものにする必要がある。

出典:5 Ways for Government CIOs to Optimize Cloud Deployment(Smarter with Gartner)

筆者 Laurence Goasduff

Director, Public Relations


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