Google、コンテナにイベントを送信する機能「Eventarc」を一般公開60以上のGoogle Cloudソースからイベントを送信可能

Googleは、フルマネージドのコンテナ化アプリケーション実行環境「Cloud Run」にイベントを送信できる新機能「Eventarc」の一般提供を開始した。分散されたマイクロサービス間でのイベントベースの通信に役立つ。

» 2021年02月04日 19時30分 公開
[@IT]

 Googleは2021年1月29日(米国時間)、新しいイベント送信機能「Eventarc」の一般提供を開始した。開発者がサーバレスでフルマネージドのコンテナ化アプリケーション実行環境「Cloud Run」サービスにイベントを送信できる。

 Eventarcがイベントの取り込みや配信、セキュリティ対応、オブザーバビリティ(可観測性)の確保、エラー処理の詳細を扱うため、開発者はイベント処理コードの作成に集中できるという。

多彩なソースを利用できるEventarc

 Eventarcの主な機能は次の通り。

  • 「Cloud Storage」や「BigQuery」「Firestore」など60以上の「Google Cloud」ソースから、Googleの監査ログツール「Cloud Audit Logs」経由でEventarcがイベントを受信する
「Google Cloud」ソースからEventarcがイベントを受信し、「Cloud Run」サービスへ送信する(出典:Google
  • イベントの取り込みと配信を行うGoogleのメッセージングサービス「Pub/Sub」にメッセージをパブリッシュして、カスタムソースからEventarcがイベントを受信できる。コードでイベントを送信し、マイクロサービス間でシグナルをやりとりできる
  • ソースに関係なく、全てのイベントを「CloudEvents」仕様の標準準拠とし、一貫した開発者エクスペリエンスを確保する
  • 最低料金の設定がなく、オンデマンドのスケーラビリティを利用できる

「gcloud」コマンドが新しくなった

 次にパブリックプレビュー版のリリース後から現在までにEventarcとGoogle Cloudのコマンドラインツール「gcloud」コマンドに加えられた改良の概要を紹介する。

 第1に、Eventarcのコマンドで「beta」を指定する必要がなくなり、「gcloud beta eventarc」ではなく、「gcloud eventarc」と入力すれば済むようになった。

 第2に、パブリックプレビュー版にあった「--matching-criteria」フラグの名称が「--event-filters」に変更された。

 第3に、リージョナルトリガーの作成時に「--destination-run-region」がオプションとなり、ユーザーが指定していなければ、トリガーロケーション(「--location」フラグまたは「eventarc/location」プロパティで指定される)とともに生成されるようになった。

 例えば、以下の方法で作成するトリガーは、同じリージョンのPub/Subトピックからのメッセージを取得(リッスン)する。

gcloud eventarc triggers create trigger-pubsub \
  --destination-run-service=${SERVICE_NAME} \
  --event-filters="type=google.cloud.pubsub.topic.v1.messagePublished"

独自のPub/Subトピックを利用できる

 パブリックプレビュー版では、ユーザーがPub/Subトリガーを作成すると、ユーザーがアプリケーションとCloud Runサービス間の転送トピックとして使えるように、EventarcがバックグラウンドでPub/Subトピックを作成していた。

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