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春期試験の押さえどころを総ざらい!データベースエキスパート試験攻略のツボ(2/5 ページ)

 本連載では、テクニカルエンジニア(データベース)試験に対応できる知識を確認していきます。多岐にわたる知識が問われる試験ですので、受験する方はもちろん、日常業務ではあまり使うことのない技術知識の確認にも役立ててください。

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午前問題 (1)キーワード問題

 キーワード問題の対策として、ジャンルごとの頻出キーワードと、頻出ではなくても念のため注意したいキーワードをまとめておきます。ただし、あくまで出題された内容を示すだけなので、用語の意味自体が分からない場合は用語集などで確認してください。実際の選択肢などで使われた文言を示すので、もう一度出題された場合は、しっかり正解できるようにしましょう。

 「セキュリティと標準化」のキーワードは、あまり耳慣れない規格名が出題されることもあります。このジャンルの出題数は以前より増量されているので、頻出でなくとも目を通しておいた方が無難です。じっくり過去問を調べたい場合は午前問題の問46以降に登場するキーワードとその関連キーワードを押さえておくとよいでしょう。

頻出キーワード(データベース)

- ANSI/SPARC 3層スキーマ
概念スキーマは内部スキーマと外部スキーマの中間に位置(16年-問21)

ビューなどは概念スキーマに「相当しない」(17年-問21、19年-問21)

- トランザクションの原子性
トランザクションは「すべて処理する」か「すべて処理しない」で終了(16年-問39、17年-問42、18年-問41)
※その他のACID特性(一貫性、独立性、耐久性)にも注意

- 待ちグラフ
デッドロックの検出に使う(17年-問39、19年-問37)

- 2相ロック
デッドロックが発生することもある(18年-問34)

- 同時実行制御でデッドロックが発生しない方式
時刻印方式、楽観的方式(16年-問40)

- セミジョイン法
分散データベースで表の結合時、結合に必要な属性だけを結合先に送信する(18年-問39)
分散データベース結合時の通信負荷が小さくなる(16年-問44、19年-問44)
分散データベースの結合演算を最適化する適切な方法(17年-問44)

- 分散データベースの分割の透過性
1つの表が複数のサイトに分割されていることを意識せずに利用できる(19年-問36)
※移動の透過性など、他の透過性にも注意

- 分散データベースの2相コミット
各サイトにコミット可能なことを確認した後にコミット(19年-問40)
主サイトの指示が伝わらずサブトランザクションをコミットすべきかわからないこともある(17年-問41)


頻出キーワード(セキュリティと標準化)

- 公開鍵暗号
受信者の公開鍵で送信メッセージを暗号化する(19年-問46)

RSAは公開鍵暗号方式の一種である(18年-問46)
※AESは「共通鍵暗号方式」

- CORBA
OMG制定の分散オブジェクト技術の仕様(19年-問55)
分散システム環境でメッセージ交換を可能にする仕様(16年-問49)

- JIS Q 9001(ISO 9001) :品質マネジメントシステムの規格
トレーサビリティが要求される製品は製造番号などで識別(18年-問53)
要求事項について、設計、開発の妥当性を確認(19年-問53)
共通フレーム98の基「ではない」(18年-問54)

- 共通フレーム98(SLCP-JCF98)
システム開発をプロセス、アクティビティ、タスクで定義(19年-問54)
策定の目的は取引者間で共通の物差しを用いた取引の明確化(17年-問53)


頻出キーワード(その他のコンピュータ用語)

-スラッシング
主記憶装置の容量が小さくプログラムの多重度が高いため、ページインとページアウトが繰り返され(主記憶と補助記憶の転送量が多い)、CPU利用率が低下する状態(16年-問3)

-フェールソフト
システムの一部が故障しても、全体が停止しないようなシステム設計(19年-問11、18年-問10)
サービスレベルが低下しても継続運転するのがフォールバック、システム障害への耐久度がフォールトレランス

-MTBF(平均故障間隔)、MTTR(平均修理時間)
予防保守はMTBFを長くし、システムの稼働率を高くする(18年-問9)

- セマフォ
共用資源を使用するタスクだけを排他制御の対象にできる(17年-問4)
P操作は資源のロック、V操作は資源のアンロック(19年-問4)

- ラウンドロビン方式
一定時間ごとにタイマ割り込みを発生させ、実行可能な待ち行列の先頭タスクにCPU資源を割り当てるタスクスケジューリング方式(19年-問3)

タイムシェアリングシステムのスケジューリングに適している(18年-問3)

- データマイニング
大量のデータを分析して、隠れた規則や法則、相関関係を見つける
(19年-問13、17年-問13、16年-問14)

- キーレンジ分割方式(大量データを別々のディスクに格納)
分割に使用するキー値を決め、その値に割り当てられたディスクに分割(17年-問45)

- TPC-C
トランザクション処理などの性能評価用ベンチマークモデル
OLTPシステムの評価用に使われる(19年-問10)
端末やネットワークなども含むシステム全体の性能評価(17年-問8)

- スプリッタ
ADSLモデムと電話機を接続する装置(18年-問12)

- RAID
性能向上だけを目的としたものはRAID0(17年-問20)


頻出ではなくてもマークしておきたいキーワード

- FLOPS
ベクトルコンピュータの演算性能の指標(18年-問2)
※MIPS(1秒に何百万回の命令を実行できるか)との違いに注意

- フールプルーフ
メニュー上の不適切な項目は選択できないようにする仕組み(17年-問16)

- Webビーコン
アクセス状況の調査目的でWebページなどに埋め込まれた小さい画像(19年-問48)

- 文字コード
ASCII――英数字を表現し、漢字の規定はない
EUC――UNIXの多言語対応の一環として制定
Unicode――全世界の文字を2バイト(UCS-2)や4バイト(UCS-4)で表現
シフトJIS――1バイト目で漢字か判別できる

(18年-問55)

- MAN-in-the-middle攻撃
暗号化通信において通信内容を横取りする目的で当事者になりすます(19年-問49)

- SAML(Security Assertion Markup Language)
認証情報などを異なるドメインに伝達するWebサービスプロトコル
一度の認証で複数のWebサイトを利用できる(17年-問55)

- コンティンジェンシープラン
システムの重要度と対策コストを勘案して障害からの復旧対象を決定(19年-問52)

- XMLデジタル署名
XML文書中の指定したエレメントに署名することができる(19年-問47)

- WBS(Work Breakdown Structure)
プロジェクトを詳細な作業に分解した図(17年-問18)

- CC(Common Criteria)
情報技術に関するセキュリティの評価基準(17年-問54)

- ISMS認証基準
情報セキュリティ基本方針文書は経営陣が承認して全従業員に公表、通知(18年-問52)

- プライバシーマーク制度
個人情報を適切に取り扱っている事業者を認定(JIS Q 15001規格)(17年-問52)


 注意すべきキーワードはおおよそ以上です。データベースに直接かかわる頻出パターンはもちろんですが、IT用語についての基礎知識を問う問題も出題されていますので、すべて理解できるようにしておきましょう。

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