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低性能端末でも使えるか? Android 4.4 KitKatの新機能39選Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門(47)(1/4 ページ)

消費電力の削減につながる新機能や、よりシンプルになったUI、印刷やストレージアクセス、SMSなどの新機能をテーマ別に紹介します。

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編集部より(2014年8月8日追記)

Android 4.4の次期バージョン「Android L」の新機能については、下記記事を参照してください。

新しいUIテーマ「Material Design」や、新しいランタイム「ART」、生まれ変わったNotification、Android TVアプリ、グラフィックス、マルチメディア、ストレージ、ネットワーク周りなどの新機能をテーマ別に紹介します。


 2013年10月13日、Androidバージョン4.4がグーグルから発表されました。4.3からわずか3カ月でのアップデートですが、4.1〜4.3のコードネームが「Jelly Beans」であったのに対し、4.4は「KitKat」という別のコードネームが与えられており、追加された機能がたくさんあります。

 今回はAndroid KitKat公式ドキュメントの内容を要約する形で新機能を紹介します。

 既にNexus 7などの対象機器に対してアップデートが配布されており、Android SDKも4.4版がリリースされています。今回紹介するいくつかの機能は、それらを用いて確認できます。気になる機能は実際に動作させてみてください。

要求スペックの低下と低電力センサー

 Android 4.4は512MB程度のメモリしか搭載されていない世界中のエントリモデル(低性能だが低価格な端末)でも動作するように設計されています。Android自身の主要コンポーネントが合理化されたことに加え、開発者のアプリも良いメモリ効率で実装できるように新しいAPIやツールが追加されています。

 例えば、「ActivityManager.isLowRamDevice()」メソッドは“低メモリデバイスで動作するアプリ”を実装するために必要になるでしょう。

 低メモリデバイスにおけるアプリ最適化の詳細は、公式ドキュメントの「Managing Your App's Memory | Android Developers」を参照してください(逆に言えば、これまでのアプリがそのまま低メモリデバイス上で動作するとは限らないということでもあります)。

 またAndroid 4.4では、消費電力を抑えるために、以下の2つの新機能が追加されました。これらは対応するハードウェアが必要で、今のところNexus 5でのみ利用可能です。

【1】バッチセンサー

 Androidでは、もともとセンサーイベントが個別処理されていました。これがバッチ処理に変わったことで、複数のセンサーイベントが効率良く収集され、バッチ待機中はCPUがアイドル状態に留まれるため、消費電力の削減につながります。

 センシティブなセンサーイベントが必要なアプリの開発者はバッチ実行間隔を制御でき、バッチ実行中の即時イベント配信も要求できます。

 バッチセンサーは対応するハードウェアが必要で、今のところNexus 5でのみ利用可能です。

【2】ステップ検出器と歩数カウンター

 ステップ検出器とは、ユーザーが1歩目を踏み出したことを認識するためのセンサーです。歩数カウンターとは、歩数を管理するセンサーです。

 従来は、加速度センサーの入力を複雑な検出アルゴリズムで解析しなければならなかったのですが、これらのセンサーを用いることで、ユーザーが歩いていることがイベントとして通知されるようになります。ステップ検出器は1歩目で、歩数カウンターは一歩一歩でそれぞれイベントが通知されます。

SDKにメモリ分析ツールの追加

 Android 4.4の新しいSDKでは、procstats、機能追加されたmeminfoなどが、メモリ使用分析に有効活用できます。

【3】メモリリソースの分析ができる「Procstats」

 Procstatsという新しいツールを使用すると、アプリが使用するメモリリソースだけではなく、システム上で実行されている他のアプリやサービスで使用されているリソースを分析するのに役立ちます。

 Procstatsは、アプリがどのように経時実行しているかを追跡し、その実行期間のメモリ使用状況に関するデータを提供します。

【4】アプリのメモリ使用量を確認できる「meminfo」

 meminfoツールを使用すると、アプリのメモリ使用量の詳細を確認できます。

【5】端末のメモリステータスのプロファイリングができる「Process Stats」

 Android 4.4には、開発者のアプリのメモリプロファイルを解析できる「Process Stats」という新しい開発者オプションが追加されました。このオプションはエミュレータ上でも動作するため、開発者のアプリが低メモリ搭載デバイス上で、メモリ使用量を確認するのにとても便利です。

 Process Statsオプションは、アプリのメモリ使用に関する多種多様な情報を提供します。メイン画面では、システムメモリ状態の概要を見ることができ、緑色はメモリ使用量が少ない期間、黄色はメモリ使用量が適度な期間、赤色はメモリ使用量が多い期間の相対値を示しています。

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