検索
連載

いよいよ完全終了へ。Internet Explorer(IE)サポート終了スケジュールTech TIPS

長らくWindows OSに標準装備されてきたInternet Explorer(IE)。その「寿命」は各種サポートの終了時期に左右される。Windows OSごとにIEのサポート終了時期を分かりやすく図示しつつ、見えてきた「終わり」について解説する。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
「Tech TIPS」のインデックス

連載目次

Windows 10やWindows 8.1のIEサポート終了スケジュール

 これまでのWindows OSには、ブラウザとして「Internet Explorer(IE)」が必ず標準でインストールされてきた。そして、ユーザーが直接使うWebブラウザに限らず、さまざまなアプリケーションがHTMLファイルなどを表示する際のコンポーネントとしても、IEはよく利用されてきた。

 そのIEの「寿命」が(一部を除いて)もうすぐ尽きようとしていることはご存じだろうか? 過去にWindows XPやWindows 7でよく話題に上った「サポート終了時期」が、IEにも間もなくやって来るのだ。

 本Tech TIPSでは、Windows OSごとに、サポートされているIEのバージョンおよびその終了時期が一目で分かるように図で表してみた。さらにネットサービスによるIEサポート終了の動きや、IEから他のWebブラウザへの移行に関する記事などもまとめている。IEからの「脱出」計画に役立てば幸いだ。

Windows 10/8.1などのIEサポート終了時期

 Windows 8.1やWindows 10といったクライアントWindows OSのIEサポート終了時期は以下のとおりだ。

Windows 10やWindows 8.1のIEサポート終了スケジュール
Windows 10やWindows 8.1のIEサポート終了スケジュール

 上図の緑色のバー(横棒)は、IEの開発・提供元であるMicrosoftによって定められているライフサイクル上のサポート期間を表す。オレンジ色の縦点線は、「Microsoft 365(Office 365)」というMicrosoftのネットサービスにおけるIEのサポート終了期限を表す(詳しくは後で説明する)。

OS IE サポート終了日
Windows 2000 Professional IE5 2010年7月13日
Windows 2000 Professional IE5.5 2005年12月31日
Windows 2000 Professional IE6 2010年7月13日
Windows XP IE6/IE7/IE8 2014年4月8日
Windows Vista IE7/IE8 2016年1月12日
Windows Vista IE9 2017年4月11日
Windows 7 IE8/IE9/IE10 2016年1月12日
Windows 7 IIE11 2020年1月14日
Windows 8 IE10 2016年1月12日
Windows 8.1 IE11 2023年1月10日
Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版) IE11(ブラウザとしてのIE) 2022年6月15日
Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版) IEモード 2025年10月14日
Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版) MSHTMLエンジン 2025年10月14日
Windows 10 Enterprise 2015 LTSB IE11 2025年10月14日
Windows 10 Enterprise 2016 LTSB IE11 2026年10月13日
Windows 10 Enterprise 2019 LTSC IE11 2029年1月9日
クライアント向けWindows OSのIEサポート終了日

 上図や上表にある「LTSB」「LTSC」(Long-Term Servicing Branch/Channel)は法人向けの特殊な製品で、長期にわたってサポートが提供される。市場全体で見れば、一部の例外的な製品といってよいだろう。

 一般によく使われているのは「Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版)」の方で、PCへのプリインストールや小売り、法人向けライセンス販売などで入手でき、市場の大半を占めている。「半期チャネル(SAC: Semi-Annual Channel)」とも呼ばれる。

●WebブラウザとしてのIEは(一部を除いて)2022年6月でサポート終了

 Windows 10の大部分を占める「Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版)」の場合、IEの3種類の形態によってサポート終了時期が異なる。

 上図の「ブラウザとしてのIE」は、単体で動作するWebブラウザアプリとしてのIE11を指している。そのサポートは2022年6月15日に終了する(以前は2025年10月終了だったのが前倒しされた)。それ以後は、IE11でWebページを閲覧したりWebアプリを利用したりできなくなる(詳細は後述)。

 同じ図にある「MSHTMLエンジン」とは、IEでWebページの描画などを担うソフトウェアパーツであり、「Trident」「IEコンポーネント」とも呼ばれる。MSHTMLエンジンはアプリに組み込み可能で、企業内で作成されたカスタムアプリ内でWebページを表示(描画)するのにもしばしば利用されてきた。これはブラウザとしてのIEのサポート終了後、Windows OSのサポート終了までサポートが継続される。

 「IEモード」は、Microsoft Edge内でIE専用ページを表示可能にする機能で、MSHTMLエンジンによって実現されている。ブラウザとしてのIE11のサポートが終わった後も、IEモードのサポートは継続する。IE専用ページを利用できるようにする、いわば救済策の本命といえる機能だ。

●Window 10ではアップグレードを怠ると「IE11」のサポート終了が早まる

 「Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版)」については、もう1つ注意点がある。それは、半年ごとにリリースされる新バージョンへのアップグレード(機能更新アップデート)をしないでいると、最初のリリースから約1年半〜3年後にWindows OSとしてのサポートが終了し、同時にIEのサポートも終わってしまうことだ。

 例えば、Windows 10 Homeのバージョン2004やバージョン20H2の場合、前述したブラウウザとしてのIEのサポート終了日である「2022年6月15日」より前に、OSとともにIEのサポートが終了する。

ブラウザとしてのIEのサポート終了スケジュール(Windows 10 Home/Pro各バージョン)
ブラウザとしてのIEのサポート終了スケジュール(Windows 10 Home/Pro各バージョン)
ブラウザとしてのIEのサポート終了スケジュール(Windows 10 Enterprise/Education各バージョン)
ブラウザとしてのIEのサポート終了スケジュール(Windows 10 Enterprise/Education各バージョン)

 その一方で、たとえWindows 10をアップグレードし続けることでOSとしてのサポート期限を2022年6月以降に延ばしたとしても、ブラウザとしてのIEのサポートは2022年6月で終了する(上図の「Windows 10バージョン21H1」などが該当する)。

 Windows 10の各バージョンのサポート終了日は、以下のページに記載されている。

●Windows 11にアップグレードするとIE11を利用できなくなる!?

 2021年6月24日、「Windows 11」がWindows 10の後継OSとして発表された。このWindows 11でも、IEモードは利用できるものの、ブラウザとしてのIEは無効化されるとのことだ。

 実際、原稿執筆時点のWindows 11プレビュー版では、ブラウザとしてのIEが有効化できず、全く起動できなかった。この仕様のままWindows 11が正式版としてリリースされた場合、例えば2022年6月より前にWindows 10からWindows 11にアップグレードしたり、Windows 11プリインストールPCにリプレースしたりすると、その時点でブラウザとしてのIEが利用できなくなるので注意が必要だ。

Windows ServerのIEサポート終了時期

 Windows ServerのIEサポート終了時期は以下のとおりだ。

Windows ServerのIEサポート終了スケジュール
Windows ServerのIEサポート終了スケジュール

OS IE サポート終了日
Windows 2000 Server IE5 2010年7月13日
Windows 2000 Server IE5.5 2005年12月31日
Windows 2000 Server IE6 2010年7月13日
Windows Server 2003 IE6/IE7/IE8 2015年7月14日
Windows Server 2008 IE7/IE8 2016年1月12日
Windows Server 2008 IE9 2020年1月14日
Windows Server 2008 R2 IE8/IE9/IE10 2016年1月12日
Windows Server 2008 R2 IE11 2020年1月14日
Windows Server 2012 IE10 2020年1月31日
Windows Server 2012 IE11 2023年10月10日
Windows Server 2012 R2 IE11 2023年10月10日
Windows Server 2016 IE11 2027年1月12日
Windows Server 2019 IE11 2029年1月9日
Windows ServerのIEサポート終了日

●半期チャネル(SAC)のWindows Serverもアップグレードを怠るとサポート終了が早まる

 前述の「Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版)」と同様、Windows Serverの半期チャネル版(SAC: Semi-Annual Channel)も、アップグレードを続けないと、OSとしてのサポートが終了し、同時にIEのサポートも終わってしまう。

 半期チャネルの各バージョンのサポート終了日は、以下のページに記載されている。

サポート終了後のIEに起こること

 前述のMicrosoftによるライフサイクル上のサポートが終了すると、大別して次の2つの問題が生じる。

●ウイルス感染などセキュリティ上の攻撃に弱くなる

 前述したIEのライフサイクル上のサポートが終了すると、脆弱性(ぜい弱性: セキュリティの不備)を修正する「セキュリティ更新プログラム」の無償提供が停止される。新たな脆弱性が見つかってもセキュリティ更新プログラムの無償提供はされず、いくらWindows Updateを実行してもIEの脆弱性は解消されない状態に陥る(社会的に重大と判断される場合は例外的にセキュリティ更新プログラムが提供されることがある)。結果として、IEはマルウェアなどによる攻撃を受けやすくなり、システムの乗っ取りや情報漏えいといったセキュリティ上の危険性が大幅に高まる。

 では、有償ならサポート終了後もセキュリティ更新プログラムの提供は受けられるのだろうか? 例えばWindows 7のサポート終了時には「Extended Security Update(ESU)」という有償のセキュリティ更新プログラム提供サービスが用意された。だがMicrosoftによれば、「Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版)」のIE11については、そうしたサービス提供の予定はないとのことだ。

●多くのWindows 10ではブラウザとしてのIE11が利用できなくなる

 従来のMicrosoft製ソフトウェアは、ほとんどの場合、サポート終了後も使い続けることが実質的に可能だった。インストールパッケージの提供が終了し、ダウンロードできなくなるため再インストールが行えない、といった不都合を無視すれば、使用そのものは継続できたことが多かった。もちろん、セキュリティの観点では大変危険な状態であり、推奨されないが……。

 しかし、「Windows 10(LTSB/LTSC以外の通常版)」の場合、2022年6月15日を過ぎると、更新プログラムの適用により、サポート終了とともにブラウザとしてのIEの起動ができなくなる。IEの実行ファイルである「iexplore.exe」を実行しても、代わりにMicrosoft Edgeが自動的に起動するようになる、とのことだ。

Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.

ページトップに戻る