検索
連載

どんなビジネスにも欠かせないリレーショナルデータベースの基礎知識と作り方――テーブル、レコード、フィールド、主キーとはAccess VBAで学ぶ初心者のためのデータベース/SQL超入門(1)(1/2 ページ)

Accessを通じて、初心者がリレーショナルデータベースやSQLの基本を学び、データベースを使った簡単なシステムの作り方を習得する本連載。初回はデータベースの基本を理解し、Accessを使い始めてみよう。

Share
Tweet
LINE
Hatena
本連載「Access VBAで学ぶ初心者のためのデータベース/SQL超入門」のインデックス

連載目次

リレーショナルデータベースやSQLの基本をAccessを通じて学ぼう

 本連載はMicrosoft Access(マイクロソフトアクセス)(以下、Access)を通じて、初心者がリレーショナルデータベースやSQLの基本を学び、データベースを使った簡単なシステムの作り方を習得するものだ。

いまさら聞けないAccessとは? なぜ学ぶべきなのか?

 AccessとはMicrosoft Office製品の一つで、データを扱ったり、簡単なデータベースシステムを作るためのツールだ。同じくMicrosoft Office製品である、Excel(表計算)やWord(文書作成)、PowerPoint(プレゼンテーション作成)は広く使われていて社会人のみならず、学生でも見掛けることが多いだろうが、新社会人の方は「Accessは見たことがない」という方もいるかもしれない。しかし、データというものは、ビジネスにおいて欠かせない存在となっており、データを管理するためにデータベースシステムを使っていない企業はないといっていいだろう。

 もちろんExcelでもデータを扱えるし、Excelだけで済む場面も多いが、Accessはリレーショナルデータベース(後述)であるため、Excelではできないことを実現してくれる。例えば、データの複雑なひも付けや帳票印刷などの用途だ。

 Accessは初心者でも簡単にデータベースを扱うことができ、簡単なプログラミングも行える機能(「VBA(Visual Basic for Applications)」)を備えているので、企業の情報システム部などでも広く使われているだろう。たいていのWindowsPCにあらかじめインストールされているので、環境構築の手間も掛からないのが、魅力だ。本連載を読むことで、データベースの扱い方を覚え、データベースシステムを作るのに役立ててほしい。

 また、新人プログラマーの方は、さらに複雑なことができる他のデータベースソフト(Microsoft SQL ServerやOracle Database、MySQL、PostgreSQLなど)を使う前に、リレーショナルデータベースというものを学ぶ足掛かりとしてAccessに触れておくのも有効だろう。

顧客管理データベースシステムの作成で学ぼう

 なお筆者は、今から10年ほど前にAccessを使って、とある焼肉屋の顧客管理システムを作ったことがある。扱った顧客データは2万件ほどで、大して多くはなかった。その時から現在に至るまでAccess 2013はパソコンに入ってはいるのだが、ほとんど使う機会がないので、筆者はAccess 2013のVBAに関しては初心者といっていい。

 何でもそうだが、何かを始めるときは全員初心者である。筆者も勉強しながら「読者の皆さんと一緒リレーショナルデータベースやSQLについて学んでいければ」と思っている。できるだけ初心者の目線で、分かりやすく丁寧に解説していきたい。

 最初は、Access 2013でテーブルを作り、各フィールドの項目を定義する。その後入力フォームを作成して、VBAでデータ入力処理を作る。データ入力処理が完成し、データの入力ができれば、次にSQLを使って検索機能を追加する。検索機能が追加できれば、データの編集機能を付け、最後にタックシール印刷を実装する。

 ここまでの流れを、顧客管理データベースとして作ってみたい。そんなに難しい連載にはならないと思うので、途中で投げ出さずについてきてほしい。

 筆者の環境はMicrosoft Windows 8.1 Enterprise(64ビット)+Access 2013だ。Access 2013のバージョンより古くても、そんなに大幅に記述方法が変わっていることはないので、今回の連載の内容を応用できると思う。ただし、Access 2000より前のバージョンでは記述方法が変わっている可能性もあるので、できれば、Access 2000以降のバージョンの使用を推奨する。ぜひ、この連載をきっかけとして、Accessの「VBA」や「SQL」に挑戦していただきたい。

 なお、VBAやマクロの文法、プログラミングの仕方についての基礎知識は、Excelのものだが、下記連載を参照してほしい。基本的には、AccessでもExcelでもWordでも一緒だ。

Accessで学べるリレーショナルデータベースとは

 Accessのデータベースは「リレーショナルデータベース」と呼ばれるものが使われている。

 リレーショナルデータベースは、データを縦横の表(列と行)で管理し、複数の表を関連付けることができる。関連付けられた(リレーショナルな)表のデータは、結合や抽出が簡単にできる。現在、よく使用されている一般的なデータベースだ。

 英語表記では、「Relational DataBase」と書き、略して「RDB(アールデービー)」とも呼ばれる。

Accessに登場する「テーブル」「レコード」「フィールド」って一体何?

 Accessでいう「テーブル」とは入力したデータを実際に保存するデータベースオブジェクトを指す。そして、入力された1件のデータを「レコード(行)」といい、そのレコードを構成している要素を「フィールド(列)」という(図1)。この「行と列」でデータを管理するのだ。


図1 「テーブル」は何行もの「レコード」で構成されている

 テーブルの概要が分かったところで、早速Accessを起動してデータベースを作成していこう。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る