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Excelガントチャート作成の基本&関数とグラフで負荷状況を「見える化」する初めてのガントチャート(3)(1/2 ページ)

プロジェクト管理や生産管理などで工程管理に用いる表「ガントチャート(Gantt chart)」の作成を通じて、プロジェクトマネジメントのABCを学ぶ本連載。今回は、Excelを使ってガントチャートを作り、工数を積算したり、プロジェクトの負荷を分散させたりします。※サンプルデータ付き

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初めてのガントチャート

連載目次

前回までのおさらいと、今回の目標

 皆さんこんにちは、「ブラビオ」のタナカタクヤです。

 ガントチャートの作成を通じて「プロジェクトマネジメントとは何か」を学ぶ本連載。前回は「メンバー3人で、イタリアンランチを提供する」というプロジェクトを例に取り、タスクを洗い出すときの注意点を説明しました。

連載目次

  1. いまさらですが、ガントチャートって何ですか?
  2. そもそも、何でガントチャートが必要なんですか?
  3. タスクを洗い出すときの注意点
  4. 用語解説
  5. 基本のガントチャートをExcelで作る
  6. Excelの機能を使って、ガントチャートをさらに便利にする
  7. Webサービスを使ってガントチャートを作成する

今回の目標

 今回は、Microsoft Excel(マイクロソフトエクセル 以下、Excel)を使って、下記のようなガントチャートを作成します。サンプルデータもありますので、ダウンロードして適宜お使いください。


図1 本記事で作成するガントチャートの完成予想図(クリックすると、大きなサイズの画像を表示します。以降も二重枠の画像は全て、クリックで拡大します)
※ デフォルメしているので時間の単位が「日」になっています。また厳密な工数なども詳しくは追いません。突っ込みどころ満載ですが、分かりやすさを追求するための工夫です。温かい目で見守ってください

基本のガントチャートをExcelで作る

1 タスクを洗い出す

 前回解説した手順に従って、タスクを全て洗い出します。ポイントは「網羅」です。最初はとにかく、ひたすらタスクを羅列しましょう。

 最終的には適度な粒度のタスクに調整しますが、ガントチャート作成に慣れるまでは「まずは網羅する→その後、余計な部分をカットする」と進めましょう。

2 タスクをグルーピングする


図2 グルーピングしたタスク群 ピンクが大項目、黄色が中項目

 タスクを書き出したら、項目をグルーピングしていきます(図2)。今回の「イタリアンランチ作成プロジェクト」では、料理名「ピッツァ」「スープ」「サラダ」の三つが大項目になります。

 次に、大項目の下に中項目として料理の工程を設定します。大項目「ピッツァ」の中項目は、「生地作り」「ソースを作る」「焼く」「仕上げ」の四つです。

 その後、洗い出したタスクを中項目にひも付けます。例えば、タスク「生地をこねる」「生地を伸ばす」は中項目「生地作り」にひも付きます。

3 Excelにタスクと日付を記入する

 ExcelのA列に、タスクをグループごとに記入します。その後インデントを操作して、タスクの階層を「見える化」します(図3)。

 インデントとは、行頭を字下げ(1文字分右にずらす)する機能です。行頭を下げたいセルを選択してツールバーの「インデント」ボタンを押すと、右に1文字分ずれます。2回押すと2文字分、3回押すと3文字分ずれます。この機能を利用して、大項目、中項目ごとに、タスクの行頭をそろえます。


図3 「イタリアンなランチ!」はタイトルなのでインデントなし。マイルストーンの「生地ができているかの確認」「テーブルに運んでフィニッシュ」は、1回インデントして右にずらす。タスク全体の総称である「イタリアンランチプロジェクト」も便宜上、同じ位置にインデントする。大項目の「ピッツァ」は、インデントしてさらに1文字分右へずらす。続く中項目の「生地作り」とタスク「生地をこねる」「生地を伸ばす」は、そこからさらに1文字分インデントしているが、「生地をこねる」「生地を伸ばす」はタスクなので、この後、さらにインデントする

 次に、行1に「月」を、行2に「日」を記入します。セルの色を変更して、曜日の区別を付けます。ここでは、平日を灰色に、土曜日を薄い青色に、日曜日を薄い赤い色にします(図4)。


図4 行1に月を、行2に日を記入し、土日を色分けして曜日の区別を付ける

4 日程の割り振り

 各タスクを実行するために必要な日程を割り振り、割り振られた日程のセルの色を変更します。ここでは、紺色に塗りつぶしています(図5)。


図5 黄色の線で囲んだ部分は、「ニンニクを刻む」行程を6月7〜11日の5日間で行うことを意味する

5 マイルストーンの設定

 最後にマイルストーン(目印)を入れます(図6)。

 ピッツァ作成は生地の出来具合が重要ですので、中盤に「生地ができているかの確認」というマイルストーンを追加します。ゴールとして、「テーブルに運んでフィニッシュ」というマイルストーンも追加します。


図6 マイルストーンとして7月1日に「生地ができているかの確認」を、8月15日に「テーブルに運んでフィニッシュ」を設置している

 これで基本の「ガントチャート」ができました。サンプルデータを作成しましたので、下記よりダウンロードして確認してみてください。

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基本のガントチャート サンプル ※本画像をクリックするとダウンロードできます

 次のページは応用編です。Excelの機能を使って、タスクの工数を積算し、負荷状況を「見える化」します。

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