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厳選! 人に教えたくなる、Windows 10の七不思議[第2弾]その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(59)(2/2 ページ)

本連載第48回では、Windows 10のちょっと気になるもの、思わず目を疑いたくなるものなどを紹介しました。今回はその第2弾です。役に立つ、立たないWindows 10の“不思議”をまた集めてみました。

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不思議その3:Windows 10のBSoDは顔文字がカワイイ?

 Windows 10でストップ(STOP)エラーが発生したときに表示される「死のブルースクリーン(Blue Screen of Death:BSoD)」をご覧になったことはありますか。

 ブルースクリーンを見ないに越したことはありませんが、Windows 10のブルースクリーンには顔文字「 :( 」があってカワイイという話を聞いたことはないでしょうか。実際には、顔文字はありません(画面5)。

画面5
画面5 Windows 10日本語版のブルースクリーン。顔文字なんて存在しない

 ただし、これは日本語ローカライズ版のWindows 10の話です。英語(en-us)版のWindows 10のブルースクリーンには顔文字があります(画面6)。また、日本語版でも、英語(en-us)の言語パックを追加し、表示言語やシステムロケールを英語(en-us)に変更すると、ブルースクリーンが英語版になります。

画面6
画面6 Windows 10英語版のブルースクリーン。顔文字「 :( 」が表示されるので、ちょっとは癒される?

不思議その4:Windows 10の新バージョンのBSoDにはQRコードがある?

 マイクロソフトは2016年7月に、2回目の大型アップデートとなる「Windows 10 Anniversary Update」をリリースする予定です。Windows 10 Anniversary Updateは「Redstone 1」や「RS1」とも呼ばれるWindows 10の新バージョンです。Windows 10 Anniversary Updateのリリースに向けて、Windows Insiderプログラムでは、開発中の新機能を搭載したWindows 10 Insider Previewビルドが次々と提供されています。

 本連載第57回で既に紹介したように、Windows 10 Insider Previewの最近のビルドのブルースクリーンには「QRコード」が埋め込まれています。ただし、ストップエラーの内容によってQRコードが変化するようなものではなく、QRコードを読み取るとマイクロソフトの「http://windows.com/stopcode」(Troubleshoot blue screen errors)サイトに簡単にアクセスできるというものです(画面7)。

画面7
画面7 Windows 10 Insider Preview ビルド14342のブルースクリーン。確かにQRコードがあるが、正式リリースで採用されるかどうかは分からない

 このQRコードが、Windows 10 Anniversary Updateの正式リリースで採用されるかどうかは分かりません。ちなみに、先日リリースされたWindows Server 2016 TP5のブルースクリーンには、QRコードはありませんでした。

不思議その5:「システムの復元」が無効の謎?

 Windowsの「システムの復元」機能は、Windows Updateによる更新プログラムの適用やアプリケーション/デバイスドライバのインストールが原因でWindowsが不安定になったり、正常に起動できなくなったりした際、簡単な操作で原因となったインストール操作直前の状態にロールバックして回復できる便利な機能です。しかし、Windows 10ではこの機能が既定で「無効」という話を聞いたことはないでしょうか。

 Windows 10では「システムの復元」が既定で「無効」というのは、根拠のある情報ではありません。あくまでもウワサです。この他にも、システムの復元に関して次のようなウワサを耳にしたことがあります。

  • 仮想マシンでは既定で「無効」になる
  • OSディスクの空き領域が少ないと既定で「無効」になる
  • OSディスクのサイズが128GBまでは既定は「無効」、128GB以上なら既定は「有効」になる
  • プリインストールPCではOEMメーカーが「有効/無効」を決めている

 ちなみに、筆者の手元にあるWindows 10の物理PCや仮想マシンは全て「無効」になっていました(編集注:担当編集が使っているWindows 10(物理PCと仮想マシン)も「無効」でした)。近所の量販店で何台かプリインストールPCの設定をのぞいてみましたが、ほとんどが「有効」になっていました。マイクロソフトのWebサイトを調べてみましたが、どのような場合に既定値が「有効」または「無効」になるのか、明確に示す情報は見つかりませんでした。

 以下の画面8を見てください。この画面は、Hyper-Vの仮想マシンでOSディスクを1TBにして、Windows 10 Enterprise評価版を新規インストールしたものです。1TBのOSディスクでも「システムの復元」の既定は「無効」でした。

画面8
画面8 Hyper-V仮想マシンの場合、OSディスクを1TBにしても、新規インストールのWindows 10のシステムの復元は「無効」に

 今度は以下の画面9を見てください。こちらはHyper-Vではない、他社ハイパーバイザー上の仮想マシンでOSディスクを1TBにして、同じようにWindows 10 Enterprise評価版を新規インストールしたものです。こちらの「システムの復元」の既定は「有効」でした。なお、同じ他社ハイパーバイザー上でOSディスクを200GBにした場合は「無効」、300GBにした場合は「有効」でした。

画面9
画面9 Hyper-Vではない、他社ハイパーバイザーの仮想マシンの場合、OSディスクを1TBにすると、新規インストールのWindows 10のシステムの復元は「有効」に。同じ仮想マシン環境で200GBの場合は「無効」、300GBの場合は「有効」だった

 どうやら、Hyper-V仮想マシンの場合は、既定で「無効」になるのは確かなようです。また、他社ハイパーバイザーの仮想マシン環境や物理PCの場合は、OSディスクのサイズによって既定値が決まるようです。その基準は、200〜300GBの間にありそうです。

 いずれにしろ、「システムの復元」はディスク領域を大量に消費するものではないので、万が一に備えて「有効」にしておくことをお勧めします。一度、お使いのWindows 10の設定を確認してみてください。


筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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