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パナソニック、ノキア、ワールプール──家電/住宅メーカーが「Watson IoT」で革新しようとしていることWatson IoTで、生活を豊かにする知見に変換

IBMのIoT担当幹部がIFA2016で基調講演を行い、IBMの「Watson」のIoT技術が家電や医療をはじめとする「私たちの生活」に新たなイノベーションの波を起こしつつあることをアピールした。

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 米IBMが2016年9月3日(現地時間)、ドイツ・ベルリンで開催されたエレクトロニクスショー「IFA 2016」で、大手家電メーカー数社の幹部と共に基調講演に登壇。IBMの「Watson」に含まれるIoT(Internet of Things)技術が、家電における新たな技術革新の波を起こしつつあることをアピールした。

 基調講演はIBMのWatson IoT担当グローバル責任者のハリエット・グリーン氏の他に、家電メーカー大手の米ワールプール、パナソニック、フィンランドのノキア、ヒアラブルデバイス(耳に装着する高機能電子機器)のパイオニアとされる独Bragiの幹部が登壇。ステージには部品の一部を3Dプリンタで製造した自動運転バス「Olli」も登場した。

photo IBM Watson IoT担当グローバル責任者のハリエット・グリーン氏と自動運転バス「Olli」

 IBMのグリーン氏は基調講演の中で次のように述べた。「何百万ものセンサーが、家電をはじめとする身近なデバイスの“目や耳”として機能する。このことが、私たちの生活の質をより高めてくれる。今後数年間でIoTは、地球上で最大のデータソースになる。そこでIBM Watsonのコグニティブコンピューティングシステムの出番となる。Watsonは機械学習などの技術を利用し、得られた膨大なデータを理解して、私たちのための知見に変換する。この知見は、タスクの自動化、商品デザインの改良、新サービスの創造など、私たちの生活、特に家での生活の質の向上に役立つ。また、コグニティブ技術により、自然言語や音声コマンドによる“モノ”の操作性も大きく向上するだろう」

 基調講演でワールプール、パナソニック、ノキア、Bragiは、IBMのWatson IoTプラットフォームで次のことを革新しようとしていると述べた。

ワールプール:家での生活の向上

 ワールプールはWatson技術を活用し、より優れた顧客サービスを提供する。洗濯機や乾燥機などの身近な家電が相互に連携して利用者とつながり、やりとりできるようにすることで、人々の生活の質をより向上、革新させることを目指している。

 「家電に直感的なスマートホーム技術を組み込むことで、家における人と機械のパートナーシップの新時代を切り開く。こうした革新によって、生活の質が向上し、電力効率が最大限に高まる。つまり、人間が本当にやりたいことに費やす時間を増やせることにつながる」(ワールプール EMEA製品/ブランド担当バイスプレジデントのノーバート・シュミット氏)

パナソニック:よりスマートで安全な家の実現

 パナソニックも、監視カメラやセンサーを用いた一連のホームセキュリティシステムとWatsonの機械学習/自然言語処理機能を組み合わせて利用することで、消費者向けサービスの変革を目指す。具体的にユーザーが、家の快適性、安全性、セキュリティを実感できるようにしようとしている。

 「私たちが展開するスマートホーム技術ソリューションを、Watsonのコグニティブコンピューティング機能で強化することで、さらに安全で、スマートな住宅環境を提供する。家に住む、全ての住人に満足感と安心感を保証できるようにしたい」(パナソニック スマートホーム担当欧州ゼネラルマネジャーのデビッド・ターク氏)

ノキア:ヘルスケアの変革

 IBMとノキアは、IBM Watson IoTとノキアのウェアラブルデバイスを在宅医療に活用する方法を共同で取り組んでいる。例えば体調が急変した場合の早期発見、医療提供者への通知といった体制から、服薬の促進、履歴データに基づく予測分析などの体制を整えようとしている。

 「ウェアラブルデバイスや会話インタフェースは、老人や病人の状態をタイムリーに収集するために特に必要な技術になる。医療におけるゲームチェンジャーと位置付けられる。IBMのコグニティブコンピューティング技術は、最適な在宅医療の確保に役立ち、また医療関係者が最良の判断を下すことも可能にする」(Nokia Health ゼネラルマネジャーのセドリック・ハッチングズ氏)

Bragi:IoTのパワーを耳に

 Bragiは、スポーツやレクリエーション向けのスマートイヤフォン「The Dash」を提供している。2016年現在、IBM Watson IoTプラットフォームの言語翻訳機能と音声認識機能を利用して、高度化させたヒアラブル技術を職場でのコミュニケーションやコラボレーションに適用しようとしている。現場作業における指示の受け取り、管理者による従業員の位置追跡、従業員の就業環境や安全の向上などが構想されている。

 「ヒアラブル技術は私たちの働き方を変え、将来のビジネスプロセスに大きな影響を与えると考えている。The Dashは、コンテキストに基づくオーディブル(音声操作による)コンピューティングの大きな可能性を形にした、ユニークな機能を備えている。Watson IoTプラットフォームを通じたIBMのコグニティブコンピューティング機能を活用することは、私たちにとって切り離せない存在だ」(Bragi 創業者兼CEOのニコライ・ヴィード氏)

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