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「関数従属性」を理解する「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ(8)(2/2 ページ)

あの“津崎さん”も保有する難関資格「データベーススペシャリスト」。本企画では、データベーススペシャリスト試験 午前/午後試験対策のための「基礎知識」を抜粋してお届けします。今回は、「関数従属性の基礎」を解説します。

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 解答は以下の通りです。

解答

 全ての問題に対して言えることですが、解答を作成するに当たって、次の2段階のすすめ方ができると最も理想的です。

  • (1)トレーニングで養った勘をもとに「おそらく解答はこうだろう」と仮説を立てる。
  • (2)本文でそれが正しいことを検証する。

 本問でこの考え方を当てはめると、次のようになります。

  • (1)まず「コードが決まれば名前が決まるであろう」という仮説の下、「○○コード→○○名」に該当する関数従属性を図1から抽出し、機械的に図3の属性を埋める。
  • (2)表1を読み、解答が正しいことを検証する。

 これができれば、かなりの時間短縮に繋がるはずです。

 機械的に埋められなかった属性については、表1をじっくり読みながら埋めます。尚、商品コード、中分類コード、SKUコードなど、明らかに他テーブルからマスタデータを参照している箇所(外部キーとなっている箇所)についてリレーションを追記します。

 推移的関数従属性については、関数従属性図で属性A→属性B→属性Cとなっている箇所を機械的に抽出すれば正解できます。

本試験過去問題による類題演習
□17 午前問23 関数従属性が与えられた時の主キーの組
□H19 午後I問1 設問1(1)(2) 若干複雑な関数従属性図完成の問題。(2)では関数従属属性図の誤りとその理由を記述する
□H17 午後I問1 設問1(1)(2) (1)では関数従属性図の誤りを、(2)では部分関数従属性を指摘
□H16 午後I問1 設問2(2) 設問2(2)からでも解答可能。推移的関数従属性を指摘
□H21 午後I問1 設問1(3) 設問1(3)からでも解答可能。推移的関数従属性を指摘

推論則

 関数従属性には、次に示す推論則が成立します。

反射律 Y がX の部分集合ならば、X→Y が成立する
増加律 X → Y が成立するならば、{X、Z}→{Y、Z}が成立する
推移律 X → Y かつY → Zが成立するならば、X →Zが成立する
合併律 X → Y かつX → Zが成立するならば、X →{Y、Z}が成立する

 以下は関数従属性に関する頻出問題です。「候補キー」というキーワードが出てきますが、この定義が何であったかをよく考えて解いて下さい。

Chance問題

演習7-1

 関係Rの関係スキーマがR(A、B、C、D、E)であり、関数従属A→BC、CD→Eが成立する。これらの関数従属から決定できるRの候補キーはどれか。ここで、A、B、C、D、Eは属性集合であり、XYはXとYの和集合を表す。

ア {A、C}   イ {A、C、D}   ウ {A、D}   エ {C、D}

(H27春DB午前II問3)


解答 演習7-1  ※特徴的な問題ですので、「解答は{A、D}」と暗記してしまうのも有効です

 *囲み内をクリックすると解答を表示します(表示後ページをリロードすると、再び非表示になります)

本試験過去問題による類題演習
□H17 午前問23 関係従属性が与えられたときの主キーの組
□H14 午前問22 関係従属A→BC、CD→Eが成り立つとき同時に成り立つ関係従属
□H24 午前II問5 属性集合の閉包

Chance問題

Point check

関数従属に関する記述のうち、適切なものはどれか。ここで、A、B、Cはある関係の属性の集合とする。

(H25春DB午前II問2)


  •  BがAに関数従属し、CがAに関数従属すれば、CはBに関数従属する。
  •  BがAの部分集合であり、CがAに関数従属すれば、CはBに関数従属する。
  •  BがAの部分集合であれば、AはBに関数従属する。
  •  BとCの和集合がAに関数従属すれば、BとCはそれぞれがAに関数従属する。

解答 Point check 

 *囲み内をクリックすると解答を表示します(表示後ページをリロードすると、再び非表示になります)

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