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請負だって聞いていたのに、これじゃあ人材派遣じゃないですか!「訴えてやる!」の前に読む IT訴訟 徹底解説(57)(2/3 ページ)

作業指示はこちらが出します。成果物の責任はとってください。え、派遣と請負のいいとこどり? どこでもやってることじゃないですか――IT訴訟事例を例にとり、システム開発にまつわるトラブルの予防と対策法を解説する人気連載。今回は、契約が請負なのか派遣なのかが争点となった裁判を紹介する。

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ユーザー優位の契約プロジェクト

 今回取り上げるのも、契約の「名称」と「実態」が懸け離れたことで発生した紛争だ。

 契約書は「請負契約」として作成されていながら、実態は「ユーザーがベンダーの作業者に直接指示」を与え、かつ「成果物の完成責任はベンダー」にあるという、随分とユーザーに都合の良い内容の契約だ。

 IT以外の世界であれば、そもそもこんな契約が認められることは少ないのかもしれないが、システム開発プロジェクトでは前出の通り、こうした作業形態はよく行われている。

 とはいえ、いびつな作業形態には問題がある。だからこそ裁判が提起されることになってしまったのだ。まずは、事件の概要から見ていただこう。

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