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【新元号発表目前!】Windows 10/Officeの新元号対応どうするどうなる!? (1/2)

新元号への切り替えが2019年5月1日に行われる。Windows OS/Officeでこの新元号に対応するにはどうすればよいのか、注意すべき点はあるのかなどをまとめる。

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 2019年4月1日に新元号が「令和(れいわ)」になることが発表になりました。2019年5月3日にWindows 10 October 2018 Update向けの「令和」対応更新プログラム「KB4501835」の提供が開始されました。この更新プログラムの詳細については、近日中に別記事にて解説する予定です。

 更新プログラムの概要については、以下のMicrosoftのサポートページを参照してください。


 2019年5月1日に改元され、新しい元号に切り替わる。日本国内では、元号を利用した日付表示(本記事ではこれを和暦と呼ぶ)が行われることも多く、コンピュータで和暦を扱うことがある。こうしたコンピュータ、特にWindows OSについて、新しい元号(これを以下、新元号と呼ぶ)の利用開始はどういう影響があるだろうか?

 また、何を対策しなければならず、どのようなことに注意しなければならないのだろうか。ここでは、他人のPCの面倒を見ることも多い人たち向けて、新元号にまつわる情報をお届けする。

Windows 10のカレンダー
Windows 10のカレンダー
インジケーター領域の日付部分をクリックと表示されるカレンダーでも和暦が表示されている(Windows 10の設定で、和暦表示を選択している場合)。こうした部分も新元号への対応が必要になる。原稿執筆時点では新元号が発表されていないこともあり、2019年5月のカレンダーを表示しても「平成31年5月」と平成表示となっている。

新元号の対応には更新プログラムの適用が必要

 Windows OSやアプリケーションを新元号に対応させるには、多くの場合、更新プログラムの適用などが必要になる。

 もちろん、世の中には日付とはまったく関係のないアプリケーションもある。しかし、何らかの形で日付を扱うアプリケーションは多かれ少なかれ、新元号対応の更新プログラムの影響を受ける。

 そして新元号に対する優先順位は、人それぞれだ。公的な書類を作るため、新元号対応が必須という場合から、平成が終わったのに平成のままではカッコ悪いので対応させたい、あるいは西暦を使っているので元号は不要と、さまざまである。新元号への対応の必要性は、ユーザーによって違い、必ずしも社内ルールや慣習だけでは決定できないことがある。

 もう一つは、MicrosoftからWindows OS/Office向けの新元号対応の更新プログラムの提供後、日本国内では10日間の長期にわたる休み(ゴールデンウイーク)に入る。さらに、この休みの間に新元号が有効になり、連休明けには、新元号になっていることだ。

 新元号の対策に必ずしも何らかの作業が必要になるわけでもないが、このタイミングでPCにトラブルが起こり、PCや特定のアプリが動かないといった問題が発生すると、休み前の貴重な時間を浪費したり、場合によっては残業や休日を出勤したりしなければならない可能性もある。あるいは、休み明けから業務が山積みという可能性もあり得るだろう。

 新元号とWindows OS/Officeの更新プログラムの関係などを理解し、更新プログラムの適用によって何が起きるのかを理解することで、トラブルが起こったときに状況を把握しやすくなるはずだ。

元号が変わるということ

 以後の説明を確実にする上で、コンピュータと元号の関係について復習しておきたい。コンピュータで日付時刻の情報を扱うことは少なくない。多くの帳票、伝票には日時が記録されているし、文書などにも作成日や改定日などの情報が記載される他、「平成32年度予算」など、将来のことについて記述する場合には、日時を記載して対象範囲を明確にすることがある。

 こうした日付時刻の情報は、コンピュータ内部では、計算などが行いやすい形にしてあるが、表示する場合には、人間が理解できる形式に変換する必要がある。しかし、日付の表現については、言語や地域による違いがある。

 例えば、米国英語では、月を数字ではなく、月名で表現することもあるし、数字を並べて表現する場合でも「月/日/年」の並びが使われることが多い。これに対して、日本国内では、月名を使うことはほとんどなく、数字を並べる場合には「年/月/日」の順番が使われることが多い。

 こうした日付時刻の表現形式の一つに元号を使うものがある。便宜上、これを「和暦表示」と呼ぶ。例えば、「平成31年1月1日」といった表現が使われる。元号は、西暦とは直接の関係はなく、元年を元に変換を行う。例えば、平成元年は1989年であり、こうした情報を元に西暦との変換を行う。Windows OS内には、こうした変換を行うための基本的な情報が登録されている。

Windows OSの元号に関する基本的な情報
Windows OSの元号に関する基本的な情報
Windows OSは、元号に関する情報を持ち、アプリケーションに対して、日付の表示や解釈などの機能を提供する。

 コンピュータ内部では、時刻を全て秒として扱っているなど、計算処理を元にした内部形式が使われている。ユーザーに日付情報などを提示する際に、変換規則を使って、人間に理解できる形式にする必要がある。こうした機能は、Windows OS自体がアプリケーションに提供する機能として用意されていて、簡易にはこれを使うことが多い。しかし、内部で独自の処理が必要などで、独自の日付処理機能を持つアプリケーションも存在する。例えばExcelは、過去の経緯などから、Windows OSとは違う形で時刻データを保持し、その表示のための変換機能も独自に持つ。

 この他にもう一つ重要な点は、ユーザーからのキーボード入力や文字列などとして表現された日付情報を正しく解釈する機能だ。こちらも、Windows OS(.NET Framework)が基本的な機能を提供している。

 しかし、世の中には、さまざまな日付の表現方法があり、日付情報を解釈する機能は、さまざまな表現に対応できる必要がある。例えば、元号が始まった年を「元年」と表記することが多い。平成1年を平成元年と表記することは比較的普通に見掛ける。日付を正しく解釈するとは「平成元年12月31日」と「平成1年12月31日」がどちらも内部表現の「1989年12月31日」であると変換できることだ。

 この他に必要な機能としては、日付に関する処理がある。「平成元年1月8日」と「昭和64年1月8日」はどちらが前になるのかといった比較を正しく行える必要がある。あるいは、「昭和64年1月7日」の翌日の日付といった問題にも答えられなければならない。

 何らかの形で日付を扱うプログラムは少なくない。ExcelやOutlookなどもそうだが、WordやPowerPointではヘッダ、フッタに印刷日時を入れることができる。これらの日時表示では、和暦の表示も可能だ。また、AccessやExcelでは、テキストで表現された日付を読み込む際に文字列ではなく日時情報として読み込む機能がある。和暦を含むさまざまな形式で表現された日時情報を解釈して内部形式に変換することで、正しく比較や日数計算などの処理が行われることになる。

 では、元号の変更は、どんなところに影響を及ぼすのだろうか? 一つは、前述のようにWindows OSやアプリケーション自体である。

 さらに、フォントがある。UnicodeやJISコードには、元号を一文字で表現する文字(Unicodeなどでは合字という)がある。例えば、「平成」を全角1文字分にまとめたようなものだ。新元号が決まらないと文字の字形は決まらないものの、すでに新元号の合字に割り当てるコードはU+32FFとして決定している。これに応じて、文字を表示するためのフォントファイルも更新が必要になる。

元号と対応するUnicode漢字コード
元号と対応するUnicode漢字コード
新元号を1文字で表す合字はUnicodeのU+32FFとしてすでに予約されており、それが使われることになっている(Unicodeについては、Tech Basics「Unicode(ユニコード)」参照のこと)。そのため、フォントベンダーが対応すれば漢字1文字で表示できる。Microsoftは、Windows OSやOfficeなどに含めて配布していたフォントについては、このための更新を行うことになっている。しかし、サードパーティー製のフォントについては、フォントベンダーの対応待ちになる。

 また、Windows OSなどに関連する「サービス」にも影響がある。Outlookと同じような予定表機能がある「Outlook.com」も新元号の影響を受ける。Windows Azureやその他のMicrosoftのサービスにも影響があるだろう。その他、ソフトウェア開発に利用するソフトウェアなどにも影響が及ぶ。

新元号に対してマイクロソフトは何をしてくれるのか?

 マイクロソフトは、新元号への対応として以下のソフトウェアなどのアップデートを予定している。

  • Windows(Windows 7〜10が対象)
  • .NET Framework(Ver.3.5、4.5.2、4.6以降)
  • パッケージ版Office(2010〜2019)、Office 365
  • サービス(Microsoft Azureなど)

 対象は、2019年5月1日時点で延長サポートが終了していない製品となる。つまり、サポートの終了した製品については、新元号への対応は何も行われない。また、Microsoftは、サポート対象であっても、シフトJIS関連の機能については、新元号への対応は行われないとしている。これは、具体的には、新元号を表す「合字」などには、シフトJISのコードを割り当てるなどの仕様の変更が行われないことになる(Unicodeの文字コードやそのフォントはサポートされる。ただしマイクロソフトが配布していないフォントについては、当然ながらサポート対象外であり、フォントベンダーが対応しない限り表示できない)。

 日本語Windows OSで日本語テキスト文字を扱う場合、たいていの場合はシフトJISコードになっているので(テキストとして保存させると、多くのアプリは、デフォルトではシフトJISコードで保存する)、テキストファイルでデータをやりとりしていると、新元号(に対応する1文字の漢字文字)がそのままでは表現できないことになる。新元号だけは漢字2文字で表現するか、テキストはUnicodeやUTF-8にする、もしくはアプリのドキュメント形式(.docxや.xlsxなど)のままで受け渡しする、といった対応が必要になるかもしれない。

 また、マイクロソフトは、Windows OSやOfficeなどの新元号への対応をWindows Update経由で配布する。ユーザーは、ファイルをダウンロードしてインストール作業などを行う必要はないが、Windows Updateの設定に従うことになる点に注意が必要だ。例えば、更新を延期していれば、新元号への対応が行われる品質アップデートも適用されなくなる。

 ただし、Microsoftのほとんどのソフトウェアでは、これまでの元号に対応するために基本的な仕組みはすでに組み込まれている。また、新元号の開始時期も2019年5月1日以後とされているが、肝心な元号そのものが未発表であるため、その部分が抜けた状態になっている(独自の日付処理機能を持つソフトウェアでも、元号の基本情報は、Windows OSが持つ情報を利用していることが多い)。また、2019年2月時点のWindows 10では、基本的な仕組みはあるものの、新元号に関するレジストリ情報がないため、以前と同じく、平成が最後の元号となっていて、2020年を和暦で表示させると「平成32年」となる。ただし、後述するようにレジストリを設定すれば、新元号を有効にしたテストを行うことは可能だ。

 同様に、Windows OSや付属アプリケーションで日付関連の処理を行う.NET Frameworkも新元号対応の仕組みは組み込まれているものの、Windows OS側で新元号名が設定されないと、新元号で表現された和暦の日付情報を正しく内部形式に変換することなどができない他、日付の比較や計算などを正しく行えなくなる。.NET Framework自体をユーザーが直接使うことはないが、その更新ができないと、多くのアプリケーションに影響が及ぶ可能性がある。

 では、次ページで具体的にWindows OS/Office向けの新元号対応更新プログラムは何を変更するのかを見ていこう。

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