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福島編:歴史とテクノロジーが融合する街「会津若松」は、そこそこ利便性の良い田舎ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(64)(1/2 ページ)

マッチングイベントはキャンセル待ち――会津若松が○○好きの女性に人気の理由とは?

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 こんにちは! 「アクセンチュア」の添田智之と馬藤宏一です。

 「ITエンジニア U&Iターンの理想と現実:福島編」は、会津若松市で働くエンジニアのワークスタイル(第1回)、そして市内で連携が進む産官学の取り組みなど(第2回)を紹介してきました。

 福島編の最終回となる今回は、会津若松市で移住や企業誘致を推進されている永峯智美さんと原直弘さんをアクセンチュアの会津若松オフィスにお招きし、行政の目線を交えながら会津地方の暮らしや風土などを語り合いました。


まだ赤くない“白い”べこの前でほほ笑む座談会出席者たち。2019年4月の新オフィスオープンに併せて設置され、社員の願いが込められた赤いシールを貼り付けると赤ベコ”が完成するという仕掛けが施されている。(左から順に)添田智之(そえたともゆき)、原直弘(はらなおひろ)さん 会津若松市 観光商工部 企業立地課 主査、馬藤宏一(ばとうこういち)、齋藤政志(さいとうまさし)アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部シニア・マネジャー、永峯智美(ながみねともみ)さん 会津若松市 企画政策部 地域づくり課 地域振興グループ主任主査 ※注 所属、肩書きは対談当時のもの

そこそこ便利な地方都市は他にもたくさんあるけれど

齋藤 「アクセンチュア・イノベーションセンター福島(AIF)」で開発担当責任者をしています。私も大学進学のために上京するまでは会津若松市で育ちました。2005年にアクセンチュアに入社し、ずっと首都圏で働いてきましたが、2015年末にほぼ20年ぶりに地元に戻ってきました。正直、自分がこの年になってUターンするとは思っていませんでした。

永峯 私は会津若松市の地域づくり課で、移住に興味のある方からの相談に対応したり、首都圏で開く移住イベントに参加したりと、主に移住に関するお手伝いを担当しています。

 私は企業立地課で「スマートシティAiCT」の入居企業誘致などを担当しています。市内に進出した企業や関係団体のイベント、各種補助金、セミナーに関する情報は課の公式Twitterでもつぶやいています。

添田 お二人は、ITエンジニアから移住の相談を受けるケースは多いのでしょうか。

永峯 市内にITに特化した会津大学があるので、何か面白いことができそうだと興味を持たれる方が多いようです。全国の自治体が参加する移住イベントにITエンジニアなどが住まい探しの相談に来られるケースがあります。

 市は物件情報を持っていないので、相談者のご要望を伺いながら地元の不動産業者と連携して物件情報を提供しています。例えば、小さなお子さんがいる方であれば小児科医がある地区をおすすめしたり、このエリアに住むのであれば、「自家用車がないと不便ですよ」などのアドバイスを差し上げたりしています。


それぞれの視点で「会津若松での暮らし」を語る参加者たち

齋藤 移住を検討される方は大きく2つに分けられると思います。1つ目は、私のように、もともと生まれや育ちがこちらであるケース。2つ目は、やりたいことがあり、それを実現できる場所を探しているというケース。

 会津若松ぐらいの規模で、そこそこ便利な地方都市は他にもありますが、やりがいを大切にする後者のような方々に対して行政はどのような差別化を図っているのでしょうか。

 会津若松市の魅力をお伝えする上では、次の3点をアピールするようにしています。

 1つ目はスマートシティAiCTに代表されるように、UIJターンできる環境の整備に行政が本気で力を入れていることです。2つ目は会津大学の卒業生をはじめとしたIT人材が豊富に存在することですね。特にここ数年は行政主導ではなく、民間の有志の方々が自主的に集まってスキルアップや地域の課題解決に取り組む活動が育ってきたように思います。3つ目は、そうした民間の活力を市も積極的に支援し、官民一体でデータを核にした街づくりを進めている点です。

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