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ベンダーは見つからないって言ったじゃないか!――ふたりはライバルコンサルは見た! 情シスの逆襲(6)(2/3 ページ)

営業主導で動いているオンラインショップ開発の企画にぶつけるように、情シスは独自の企画を役員会議で提案した。しかも、既にベンダーも決まっているという──羽生、俺をだましたのか?

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AIを活用しましょう

hanyuu

 羽生の企画は、商品の品ぞろえ管理と発注をAIが支援するというものだった。

 ラ・マルシェの商品は、通常のスーパーでも扱っている一般品と、一部の顧客が好んで買う高級品に大別される。高級品はそれほど数がさばけるものでもないため多数仕入れておくわけにはいかないが、品切れは許されない。

 売れ残りも品切れも出さないためには、1個単位でその日の需要を予測して仕入れなければならない。また、これらは少量多品種でもあるため、商品全てを予測するためには、ベテランの社員が何人も頭をひねって時間を費やしていた。これがマルシェの人件費高騰の一因ともなっていた。

 羽生の提案は、こうした予測も含めた仕入れと在庫管理全般をAIに支援させるというものだった。AIは、商品棚や倉庫に取り付けたセンサーの情報から、各商品の在庫を把握し、その日の天候や季節、日時、さらにSNSから流行やイベント情報をインプットし、何がどれくらい売れそうなのかを把握し、所要数を予測する。必要であれば、納入業者への発注まで自動で行ってくれる。

 羽生の説明が一段落したところで、村上が補足した。

 「いかがでしょう。正確な予測で無駄のない仕入れを行い、発注の手間まで省く。大幅なコスト削減が見込めると私は思うんです」

 「人工知能って、そんなに正確に予測できるんですか?」

 一人の取締役が質問をした。

 「もちろん、全て正確とはいきませんが、仮に人間と同じ精度だとしても、何人ものベテラン社員が情報収集、分析、検討するのにかかっていた時間が、数秒で終わるんですよ。発注まで入れたらもっとだ。それだけでも大いに助かると思うんですが」

 村上が答え、続いて羽生も口を開いた。

 「結果をフィードバックすれば、それを学習して人工知能はどんどん賢くなります。数カ月で人間よりも正確な発注ができるようになるでしょう」

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