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Windows 10のあの不具合はどうなった? 2019年のトラブルを振り返るその知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(151)

間もなく2019年も終了。締めくくりは、筆者が2019年(一部は2018年から)注目した「Windows 10の不具合」のその後を振り返ります。修正された不具合もあれば、依然として放置されている不具合もあります。

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Windowsにまつわる都市伝説

2019年のWindows Updateは12月11日でおしまい!

 あくまでも筆者の個人的な感想ですが、2019年もまた、「Windows Update」や「Microsoft Office」の更新に振り回された感じがしています。新年早々、更新によって「Microsoft Excel 2010」が起動しなくなるというトラブルから始まりました。

 1月の更新では「Windows 7」と「Windows Server 2008/2008 R2」でネットワーク共有やRDP(リモートデスクトッププロトコル)接続の認証エラーというのもありました。5月までは改元に伴うWindows、.NET Framework、Officeに対する修正が続き、日付処理の仕様変更が混乱を引き起こした記憶があります。

 最近では11月の更新が原因で「Microsoft Access」の全バージョンの一部のクエリがエラーになるという、Accessを業務アプリで使用している企業にとっては痛い問題もありました。

 これらの問題は、問題が発覚してすぐに、あるいは1カ月ほどで修正されました。5月の「Windows 10」バージョン1903からの「半期チャネル(対象指定)」(SAC-T)の廃止や11月のWindows 10 バージョン1909の機能更新プログラムのイネーブルメントパッケージを使用した新しい配布方法の試み(将来のバージョンでも採用される予定はいまのところないようです)も、Windowsの更新管理を混乱させていると思います。

 さて、Microsoftはサポート対象のWindows、.NET Framework、「Adobe Flash Player」に対して、毎月第2火曜日(米国時間)に新たなセキュリティ更新を含む品質更新プログラム(Windowsと.NET Frameworkは累積更新プログラム、"B"リリースとも呼びます)を配布し、その翌週("C"リリース)または翌々週("D"リリース)にWindowsと.NET Frameworkに対してセキュリティ以外の修正を含むオプションの品質更新プログラム(これも累積更新プログラム)を提供しています。

 2019年12月の"B"リリースは11日となりましたが、Windows 10(およびWindows 10の.NET Framework)についてはこれが2019年最後の更新プログラムです。この件に関しては、毎月の後半にリリースされるオプションの更新プログラム("C"または"D"リリース)が提供されないことが、11月の"B"リリース時に「Message Center」(https://docs.microsoft.com/en-us/windows/release-information/windows-message-center)を通じて発表されました(2018年は12月にホリデーシーズンを理由に同様の措置が行われました)。

 既に12月の"B"リリースまで更新済みなら、安心して新年を迎えてください。なお、12月のWindows Updateでは、「Windows Server 2012」が更新後に再起動を繰り返し正常に起動しなくなることがあるという問題が報告されています。再起動を繰り返す問題を解消する方法はありますので、該当する場合は以下を参照してください。

 "C"および"D"リリースが11月と12月にないのは、Windows 10および「Windows Server 2016」以降の話です。「Windows 8.1」「Windows Server 2012 R2」以前については12月中にオプションの更新プログラムがまだあるかもしれません(11月はありました)。もちろん、Windowsのバージョンに関係なく、定例外で緊急のセキュリティ更新(“Out-of-band”リリース)が配布される可能性は残っています。

 更新プログラムに起因する重大な問題は、翌月の"B"リリースまでには修正されてきました。しかし、一部の問題については、修正されることがないまま放置されているものもあります。筆者が本連載や別の連載で取り上げた問題について、その後を見てみましょう。

タスクスケジューラの曜日指定「9:00」開始問題〜未解決

 Windows 8.1、Windows Server 2012 R2、Windows 10 バージョン1607、Windows 10 バージョン1903、Windows Server 2016には、曜日指定で日本時間「9:00」開始にスケジュールされたタスクが前日と当日に2回実行されるという、摩訶不思議なバグが存在します。

 この問題は、Windows 10 バージョン1903はリリース時点で最初から、それ以外のバージョンは2019年3月後半の累積更新プログラムで発生するようになった問題です。本連載第144回では、Windows 10 バージョン1903、Windows 8.1、Windows Server 2016の3台で再現テストを実施し、開始時間を日本時間「9:00」から0.01秒でも前後にずらせば問題を回避できることを示しました。

 その後、この問題が解決されたという情報はありません。第144回で再現テストを実施したWindows 10 バージョン1903はバージョン1909に更新しましたが、1つだけ残していた「毎週金曜日9:00」開始のタスクは、その後も木曜日と金曜日の2度実行され続けています(画面1)。

画面1
画面1 再現テストのために仕込み、その後も残していた「毎週金曜9:00」開始のタスクは、木曜と金曜の2度実行され続けていた。木曜日の誤った実行が1度抜けているのは、恐らくその時間にPCがオフ状態だったから

更新の延期設定が消える問題〜解決済み

 本連載第143回では、Windows 10 バージョン1903のリリース時点から存在する不具合として、「設定」アプリの「Windows Update」の「詳細オプション」で機能更新プログラムや品質更新プログラムに「1」日以上の延期設定を行うと、「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」が表示されなくなり、「0」以外に設定した設定項目も表示されなくなるという問題を報告しました。

 実は、この問題は最新のWindows 10 バージョン1909でも修正されないまま、10月中旬にRTM(Release To Manufacturing)となりました。しかしながら、2019年10月後半の以下のオプションの更新プログラム("D"リリース)でようやく修正されました。

 Windows 10 バージョン1903とバージョン1909は累積更新プログラムが共通であり、バージョン1903の場合はビルド18362.449以降、バージョン1909の場合は18363.449以降であれば問題は解決済みです。Windows 10 バージョン1909の11月の正式リリースには修正が間に合ったことになります(画面2)。

画面2
画面2 ビルド18362.449以降(バージョン1903)またはビルド18363.449(バージョン1909)以降であれば、「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」が消えてしまう問題は解決済み

謎のショートカット問題〜条件付きで解決

 筆者のもう一つの連載では、Windows 10 バージョン1903にアップグレードした後に気が付いた、スタートメニューの「その他」に分類される謎のショートカット「ms-resource:AppName/Text」や「ms-resource:AppName/Text」について報告しました。この“謎のショートカット”を完全に消す方法もないわけではなかったのですが、ハードルが高いため、見て見ぬふりをすることをお勧めしました。

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