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ちりも積もれば何とやら:

エンジニアはなぜ、ちょっとした契約外作業を請けてはいけないのか (1/3)

せっかくコンサルタントに来てもらったんだから、企画書も作ってもらおう。翻訳も頼もうかな――お気を付けあそばせ。あなたがしているそれ、偽装請負ですよ。IT“業界”解説シリーズ、第9弾も偽装請負を解説します。

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 複雑怪奇なIT“業界”を解説する本連載、第1弾はIT業界にまん延する多重下請け構造と偽装請負について、第2弾は多重下請け構造が起こる仕組みについて、第3弾はシステム開発プロジェクトには複数の契約形態が混在することを、第4弾はユーザーはなぜプロジェクトに協力したらがらないのか、第5弾は「案件ガチャ」が起こるメカニズム、第6弾はベンダーの営業が安請け合いする理由、第7弾ではエンジニアの年収が上がらない理由、第8弾では請負契約と準委任契約の違いを説明しました。

 今回もIT訴訟解説でもおなじみの細川氏が、偽装請負の不幸をつづります。

さまざまな契約形態で働くエンジニアたち

 システム導入に携わっているエンジニアの皆さんは、自分が今やっている仕事がどのような契約に基づいて行われているかご存じでしょうか。

 成果物さえ作れば「誰が」「いつ」「どこで」作業をしようと問われない「請負契約」なのか、決められた時間、契約先の責任の下で作業をすれば成果物の完成は求められない「準委任契約」(SES契約)なのか、あるいは派遣先担当者の指揮命令下で仕事をする「派遣契約」なのか――。

 同じようにシステムを導入する仕事であっても契約形態が異なり、おのおのに成果物の完成責任や指揮命令系統が定められているのは、比較的弱い立場にあるベンダーの社員を守り、過度な作業や責任を負わせないためです。

 請負なのに契約外の作業をさせられれば、偽装請負です。準委任契約なのに成果物の完成責任を負わされ、ユーザー企業担当者から時間外の作業を強いられるのも偽装請負となり、ユーザー企業かベンダー企業、あるいはその両方が法律を犯していることになります。

 しかし世の中には、契約形態の区別を無視してベンダー社員を好きに使い倒す現場がいまだにあるようです。前回も私の例を挙げてお話ししましたが、より強く注意喚起をする意味で、今回も偽装請負問題を取り上げます。

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