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在宅勤務で新規顧客を「オンライン受注」、成功要因は?羽ばたけ!ネットワークエンジニア(29)

ネットワークやロボットのプロジェクトを複数持っているプロジェクトマネジャーが筆者の仕事だ。在宅勤務を始めて2カ月半が経過し、分かったことがある。在宅で全ての仕事をこなせることだ。新規顧客の開拓は難しいかと思っていたが、2020年6月、新規顧客を初めて「オンライン受注」した。今回は技術的な話から離れてオンライン受注の成功要因について述べる。

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連載:羽ばたけ!ネットワークエンジニア

 筆者はプロマネだが営業もやる。これまで手掛けたネットワークの構築や運用、ロボットのサービスは全て自分で受注して、自分で作ったものだ。企画、提案から開発、運用まで前面に立つのである。こんなスタイルで仕事をする人はIT業界では珍しいかもしれない。

 今回オンライン受注したのは「みまもり パペロ」というコミュニケーションロボットを使った高齢者見守りサービスの実証実験である。地方自治体から受注した。

コロナ対策で「非訪問/非対面」のサービスに注目

 ウィズコロナとか、アフターコロナだとかと呼ばれる時代になり、あらゆるサービスで感染予防のため「非接触/非対面」が重視されるようになった。最近では非接触/非対面を「オンライン」と表現するようになっている。本来“on line”は、字句通り「回線を使ったコンピュータ処理」を表すもので、半世紀以上の歴史がある。銀行のオンライン業務がその典型だ。

 かつてのオンラインは回線によって「つながっていること」に意味があったのだが、今のオンラインは「当事者同士が離れていること」に意味がある。「on line」なのに人同士が「off」であることに価値があることが面白い。

 筆者が手掛けるみまもり パペロは「off」であることに価値を創出するつもりなどはなかった。だが、そこに価値を見いだす自治体からの引き合いが増えている。

 みまもり パペロはこれまでにもこのコラムで何回か取り上げている(図1)。高齢者を見守るだけでなく、ロボットとの自由な会話や家族とのコミュニケーションによって高齢者の生活を楽しく豊かにし、介護予防にも役立てるのがサービスの目的だ。

 コロナの時代になって自治体は高齢者への感染を防ぐため、訪問による見守りを控えている。人が訪問する代わりにロボットで見守ろうという発想だ。


図1 ロボットで非訪問、非対面の高齢者見守りサービスを実現

問い合わせから受注まで1カ月、訪問せず

 その自治体から問い合わせがあったのは2020年5月中旬だった。コロナ対策のため、早急に実証実験を検討したいとのことだったので、30ページほどの詳しい紹介資料を送り、電話で説明するための時間を翌日に取ってもらった。電話で1時間ほどかけて資料を説明、さまざまな質問に答えた。その後も、メールや電話で質問を受け、レスポンス良く回答していった。

 このサービスを理解していただくには実際にロボットを見て、触る必要がある。なるべく早くロボットをこの自治体に送付したかったのだが、緊急事態宣言が解除されていなかったこともあり、2020年6月初旬にやっと届けることができた。「Zoom」を利用し、箱からロボットを取り出すところから、取り扱い方の説明に進み、図1にあるメニューを実際に使ってもらった。10人くらいが会議室で参加されたが、面白がって大盛り上がりであった。

 その数日後、実証実験の実施が決まったという電話をいただいた。

 これまでのリアル営業のプロセスとオンライン営業のプロセスを図2に比較した。

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